2013年1月10日

1月10日 塩釜市浦戸諸島・桂島 小泉善雅さん(4) 『天然の一粒牡蠣 養殖へ』


宮城県塩釜市、浦戸諸島 桂島からのレポートです。

震災後、全国からの支援をうけて牡蠣の養殖を再開した桂島。今後は、島の漁業を活性化するために支援金をどう活用していくかが課題です。

そこで今、計画が進んでいるのが、『一粒牡蠣』のブランド化です。
『うらと海の子再生プロジェクト』の小泉善雅さんに、教えて頂きました。

◆天然牡蠣の生命力で、島を元気に!
本当の天然の牡蠣というのは、干潮時に干上がる場所(潮間帯)に棲息している。
それらの牡蠣は、小さいが生命力が強く、2012年の猛暑でも死なずに残った。味も格別に美味。
甘味と旨みが強いが、小ぶりで数も少ない。それを量産化するやり方として参考になるのがフランスの手法。
先日、水産研究者とフランスを視察して科学的な裏付けや根拠も学んできた。これを元に、この天然牡蠣の養殖を始める予定。試作品を作って試食したが、明らかに味が違う。誰もが太鼓判を押すものだった。その養殖費用に支援金を充てていこうと考えている。
(そんなに普通の牡蠣と違うのでしょうか?)
今の日本の牡蠣養殖は、短期間で、なるべく大きく実入りもよくするために、ずっと海水につけて育てる。本来棲息していないような海の奥深いところに牡蠣をぶらさげて、短い時間で成育させて出荷していた。干潮時に干上がる場所の牡蠣は、太陽に当るため?成育が悪く小さい。しかし松島湾の漁師はそれが一番美味しいことを知っていた。ただ、出荷するのはあくまで「剥き牡蠣」。小さい牡蠣では効率が悪く、数量を稼ぐため、なるべく大きな牡蠣だけを選別して剥いて出荷していた。でも、実は旨みはこの天然牡蠣の方が良い。ぜひ食べてみて欲しい。塩竈の新しい一粒牡蠣で挽回していきたい。


現在、うらと海の子再生プロジェクトは、この「一粒牡蠣」の養殖・販売、さらにオンラインショップでの販売も計画しているということです。漁師さんだけが知っていた、厳しい環境で生まれる絶品の牡蠣。食べられる日が楽しみです。

『うらと海の子再生プロジェクト』

2013年1月9日

1月9日 塩釜市浦戸諸島・桂島 小泉善雅さん(3) 『うらと海の子再生プロジェクト』


南ブルターニュ牡蠣養殖場にて視察(2012年12月)

宮城県塩釜市浦戸諸島、桂島からのレポートです。

『一口オーナー制度』という形で、漁業を再開するための支援金をつのり、支援者に海の幸を還元する『うらと海の子再生プロジェクト』。支援金の募集はすでに終了しましたが、支援を受けた9人の牡蠣漁師さんたちは、いち早く漁業資材を復旧。誰一人欠けることなく、現在も桂島の海で仕事を続けています。

この「うらと海の子再生プロジェクト」を立ち上げ、島の漁業を救ったのは、高齢化が進む 小さな島にやってきた30代の“新米牡蠣漁師” 小泉善雅さん。集まった支援金の使い道と、今後のプランについて伺いました。

◆一粒牡蠣に込める希望
2か月半ほどで1万4000人近くの支援者から、1億8500万円の支援を頂いた。1口1万円のうち半分の5000円は、漁業資材の購入・破損施設の修繕に。残り半分のうちの15%(1500円)はもろもろの経費とした。残り3500円は漁業者の現金収入。ただの現金収入では“生活支援金”で終わってしまうので、加工品を高く買い取ってもらうという形をとった。生産意欲の向上につなげ、漁業を辞めさせないため。続けてもらうため。応援する支援者がいたからこそ、みんな助けられたと思う。現在は、うらと海の子再生プロジェクトを法人化し、頂いた支援金を有効活用している。復旧だけで終わらず、震災前よりも活気を取り戻す復興へ向けて。元気になって欲しいというメッセージをたくさんいただいた。高齢化で離職者が増え、漁業が衰退する中、この機会に新しいものを見出して、若い世代も一緒にやっていけるようなことを始めている。その一環として、フランスのかき養殖を視察。大きな実りがあった。震災前からしたいと思っていた、天然のひとつぶ牡蠣の養殖をはじめる。この美味しい牡蠣をみんなに味わってほしい。今後は養殖を始めていきたい。美味しいものを提供できると思う。


桂島周辺の海は、干潮時に干上がる「潮間帯」で、こうした厳しい環境で育つのが、猛暑にも負けない生命力を持ち、濃厚な旨みと甘味が特徴の「一粒牡蠣」です。うらと海の子再生プロジェクトでは、フランス研修で学んだノウハウを生かし、この「一粒牡蠣」のブランド化をめざしているということです。

『うらと海の子再生プロジェクト』
(※一口オーナー制度・支援金の募集は打ち切られています)
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パーソナリティ 鈴村健一

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