2012年12月7日

12月7日 温泉エッセイストの山崎まゆみさんが語る東北の温泉の魅力

温泉エッセイスト山崎まゆみさんは、これまでに、29か国、950か所以上の温泉をめぐってきた、温泉のスペシャリスト。取材で長年交流を深めてきた東北各地の温泉宿も、震災でその多くが被災しました。


峩々温泉

◆宮城県の一軒宿「峩々温泉」の取り組み
−温泉を紹介する仕事を初めて15年。長くなると、お宿の方も家族ぐるみでお付き合いすることになり、もちろん東北の各地にも大切な方たちがたくさんいる。
−その中のお一人が、宮城県の峩々温泉という一軒宿の若いご主人。宮城県でも沿岸部ではなく山のほうなので、源泉も大丈夫で目に見える被害はなかったが、どうしても休業せざるを得ない状況に追い込まれた中でも、自分はまだ山のほうで元気だし、沿岸部の人たちを支援したいと活動に動いた。
−温泉を運んで足湯をしてもらったり、避難所生活が長くお風呂に入りたいという声にこたえて、ご高齢の方々を自分のマイクロバスに乗せて、湯治をプレゼントしたり。
−わたしもそれを記事にしたり、同行したりさせていただいた。
−皆さんすごくよろこんで、彼はその支援をいまも続けている。

この「峩々温泉(ががおんせん)は、「種プロジェクト」に登録されている宿でもあります。
また、東北には日本古来の温泉文化がいまでも残っていると、山崎さんは言います。

◆東北に残る日本古来の温泉文化とその魅力
−通常は旅館というと一泊二食の温泉旅館が多いが、東北は古くからの湯治場があって、食事は別で一泊3000〜4000円ぐらいで1週間から10日、長逗留できる湯治場が多く残っている。
−同時に、東北は古き良き共同浴場もまだまだたくさんある。日本が古くから大切にしてきた温泉文化がぎゅっと詰まっているのが東北。
−例えば、湯治場なら、岩手県の花巻温泉郷は鉛温泉や大沢温泉などがあり、自炊棟もあって、湯治客がみんなでなごやかに冬の一カ月間を生活しながら過ごすという文化が、普通に残っている。
−これからの季節は共同浴場と湯治場を目指して、ぜひ東北に行っていただきたい。

客足が回復している温泉宿もある一方で、まだまだのところも多いということ。
東北の温泉の魅力を伝えるために、今後さらに活動の幅を広げていきたい山崎さん。
観光の復興が、これからの被災地復興のキーワードになるのかもしれません。

2012年12月6日

12月6日 旅館サポーター制度 『種プロジェクト』(4)



旅館サポーター制度 『種プロジェクト』
「旅館サポーター制度・種プロジェクト」は登録されている被災地の温泉宿の中から、すきな宿を選んで、一口5000円でサポーターになる制度。未来の宿泊に対し料金を「前払い」することで、被災地の温泉宿を支える取り組みです。


「種プロジェクト」に登録している温泉宿の一つが、福島県福島市、高湯温泉「ひげの家」。自慢は、ゆで卵の香りたっぷりの、乳白色のお湯と海山の幸を使った食事ですが、震災後、食材の調達についてさまざまな工夫をしていると、三代目の後藤秀人さんは語ります。

◆震災後、食材の調達に苦慮
―食事は温泉と同じ宿の目玉でもあるので頑張っているが、食材は放射能の問題など気にしている面もあり、いままで使っていた地元の食材が使えない、ということもある。
―特に海のものは、福島の小名浜や原釜などのものを使っていたが、いまは遠くのものを取り寄せて使っている。
―もともとおいしいものをいろいろ取り寄せていたが、食事ももう一回見直して、もっと喜んでいただけるようにと料理人も招いて、料理にはさらに力をいれて頑張っている。

◆背中を押してくれたのはお客さんの言葉
―「種プロジェクト」で支援してくれる方は、「すぐにはいけないけど、以前行ったときにすごくよかったから」「なんとかがんばって残してください」など暖かい言葉もいただいて、希望にもなったし、有りがたかったし、がんばらなきゃと思った。
―種プロジェクトのクーポンを持ってきていただくと、すごくうれしい。
―いままでお客さんが来てくれるのは当たり前と思っている自分たちがいて、それがお客さんがいなくなった現状の中で、改めて有り難さがわかった。
―宿をもっとよくして、頑張ってお客さんに応えていかなきゃなと思う。震災前よりよい「ひげの家」になりたいと頑張っている。


こういったクーポン券がお宿さんから直接届きます。
サポーター料金と同額のクーポン券の有効期限は、2014年3月11日。
この期日までに宿泊ができない場合、サポーター料金は寄付となります。


旅館サポーター制度 『種プロジェクト』
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パーソナリティ 鈴村健一

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