2012年12月5日

12月5日 旅館サポーター制度 『種プロジェクト』(3)

旅館サポーター制度 『種プロジェクト』
「旅館サポーター制度・種プロジェクト」は登録されている被災地の温泉宿の中から、すきな宿を選んで、一口5000円でサポーターになる制度。自分が支払った金額と同額のクーポン券は、宿に宿泊する際に使用することができます。現在福島県内で6軒、宮城県内で5軒の温泉宿が登録。サポーターは280名を数えます。

この「種プロジェクト」に登録している温泉宿の一つが、福島県福島市、高湯温泉、「ひげの家」です。「種プロジェクト」の丹羽尚彦さんに、その魅力を伺いました。

◆福島県福島市、高湯温泉「ひげの家」
−福島県福島市の高湯温泉は、近くの河原から温泉がぐんぐん湧いていて、それをお宿に引き入れている宿。いわゆる自墳しているお湯を引き入れている。光の当たり具合や気候によって、白濁したお湯がエメラルド色っぽく青みを帯びた、いい感じになる。



◆「ひげの家」三代目、後藤さんも震災当時の様子を語ってくれました。
−地震で福島市内も大きく揺れて、湯船のお湯がなくなるほどだった。源泉を確認しにいくと、雪の中お湯が沸いているのを確認できたのでなんとかなるかなと。震災直後はリネン屋さんも来なかったので、自分たちでシーツなども洗って。温泉も練炭でなんとかやっていた。
−その後原発事故が起こり、大変なことが起きているのかなと思いながらも目の前のことに夢中で、実際にこれはまずいかなと思い始めたのは4月に入ってから。
−入っていた予約はキャンセルになり、新しい予約も入らず、夏休みなどはお子さん連れが多かったのが、そういうお客さんもほとんどゼロになった。これは続けられないと思った。雪のなかでどんどんお湯が沸いているのに、やっていけるのかな。やっていかなきゃという気持ちだった。
−その後一組のお客さんがいらっしゃって、自分たちは続けていかなくちゃ、高湯温泉を残していかなくちゃという気持ちになった。

高湯温泉「ひげの家」では、震災直後、一時お客さんが激減したものの、昨年秋から徐々に客足が回復し、現在では例年の8割〜9割に回復している、ということ。
乳白色のとろっとしたお湯が自慢の宿。
アクセスは、福島駅からバスで40分ほど。


こういったクーポン券がお宿さんから直接届きます。


旅館サポーター制度 『種プロジェクト』

2012年12月4日

12月4日 旅館サポーター制度 『種プロジェクト』(2)



旅館サポーター制度 『種プロジェクト』
「旅館サポーター制度・種プロジェクト」は東北の被災した温泉宿をサポートする仕組み。登録されている被災地の温泉宿の中から、応援したい宿を選んで、一口5000円からサポーターになると、自分が支払った料金分のクーポン券が送られてきます。宿に宿泊する際に、そのクーポン券を利用することができます。

「種プロジェクト」の丹羽尚彦さんによると、一口に被災地の温泉宿といっても、エリアや取り組みによって、復興の進み具合には、ばらつきがあるといいます。

◆宮城県・追分温泉

―追分温泉は石巻から山のほうに峠を上がったところにあるが、岩盤も強く揺れはそんなに大きくなかったそうで、ご主人もそれほど大きな地震だと思っていなかったそう。ところが、地震の後に石巻の街の人がどんどん上がってきて、これは大変なことだぞとそこで初めて気が付いた。そこで、事実上自分たちの宿を避難所として開放し、のちに避難所として指定されたとか。
―震災後石巻の状況を見て、営業を再開する気持ちになれないと考える時期もあったが、現在は例年に近い状況まで復興しているそう。ご主人も全国の人が石巻を見に来てくれて、楽しんでくれればいいなという気持ちだとか。

◆福島県・いわき湯本温泉「旅館こいと」

―福島については、原発の影響があるところとないところで、復興の具合に違いが出ている。原発に近いところだと宿の復興は30%ぐらいのところも。例えば磐城温泉などは、これまで一般のお客さんは比較的少なく、工事関係者の方が多かったのが、そういう方も少なくなっているという。

◆福島県郡山・須賀川温泉「おとぎの宿米屋」

―一方、原発から比較的離れている郡山・須賀川温泉「おとぎの宿米屋」さんは、集客が震災前の70%ぐらいに回復しているそう。
―「米屋」の女将さんによると「自分達が被災者だという思いがあったら、ここまで復興できなかっただろう。起きてしまったことは仕方ない。あとは前を向いて頑張れれば、自分たちで未来は変えられる」とPR活動などを行ったということ。

「種プロジェクト」では、被災地の温泉宿をサポートしたい!というサポーターと、サポートを受けたい、という温泉宿の登録を、両方受け付けています。


こういったクーポン券がお宿さんから直接届きます。


旅館サポーター制度 『種プロジェクト』
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パーソナリティ 鈴村健一

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