2012年8月2日

8月2日「東北の郷土芸能奉納(3)」

先週末、東京・明治神宮では、岩手・宮城・福島の郷土芸能7団体が、それぞれの舞いや太鼓を奉納しました。
岩手県からは、奥州市・大船渡市から、獅子躍が躍りを奉納。角を付けた勇ましい「獅子」の勇壮な太鼓が場内を沸かせました。


岩手県を代表する郷土芸能「獅子躍」は、岩手のほぼ全域に数百年前から伝わる文化です。


◆奥州金津流 獅子躍連合会・及川俊一さん:獅子躍の200年
 獅子舞に似た「獅子頭」に二本の角、背中にササラという竹竿に紙を張り付けたものを背負い、腹に太鼓を下げた神の化身で悪霊、悪病を撃退する。亡くなった方の魂、先祖の供養、お墓で鎮魂の儀式として舞う。
 発祥は宮城県松山町。松山から岩手に伝わり200年。震災もあったが、こうして明治神宮で参拝できるのは記念に残る。





宮城県南三陸町、名取市、福島県相馬市からも、それぞれの郷土芸能が明治神宮に躍りを奉納しています。

◆企画を呼びかけた明治神宮の広報・福徳美樹さん:催しを企画した意図
 明治天皇が亡くなって100年。何かしらの奉納をしたかったが、復興とまでいっていない被災地の郷土芸能を明治神宮で奉納することで、何かしらの役に立つのではないか。明治天皇がご覧になったらお喜びになるのではと思い、企画した。
 バラバラに過ごしているが、こうして明治神宮で奉納して集まり練習する、ここで奉納できたというのは嬉しかったという感想も聞いた。奉納の舞を見ていても感動した。

2012年8月1日

8月1日「東北の郷土芸能奉納(2)」

先週末から月曜日まで、東京・明治神宮では、岩手・宮城・福島の郷土芸能7団体が、それぞれの踊りを奉納する催しが行なわれました。
その中のひとつが、岩手県大槌町の「虎舞」です。

虎舞は、大槌をはじめ岩手沿岸部に広く伝わっている郷土芸能で、どう猛な表情の虎が激しく首を振る舞いは迫力があります。


大槌町「向川原 虎舞 風虎会」会長・中村光高さんにお話を伺いました。

◆「虎舞」に込められた願い
 虎の頭と4.5mの幕に2人入って、前と後ろ足を合わせながら虎が舞う姿を表現している。
 「虎は1000里行って1000里帰る」というのにあやかり、昔の船は 船板一枚下は地獄というものだったので、航海の安全を祈願して沿岸で盛んに踊られるようになった。


震災と津波に襲われてから、もうすぐ1年半。
中村さんをはじめとした大槌の若い世代は、海への祈りを込めた虎舞を各地で披露し続けています。

◆虎舞を続ける理由
 うちの団体は大槌町の役場に倉庫を借りていて、屋台や虎頭など全部納めていたため、そこが津波で流されてしまい、初代会長、前会長の他、5人の仲間が流された。
 みんなに声を掛けて虎舞をやりたいという話をしたら、みんなが賛同した。それに全国のみなさんの支援があり、太鼓、屋台、虎頭が見せられるようになったので感謝している。
 自分たちにとって虎舞は生活の一部。年の離れた仲間がひとつの踊りをすることはそうそう無い。残していければと思っている。先代、初代会長が亡くなったことで、この文化を無くしてはいけないと声を掛けた。みんなの支援を受けて、道具もほとんど揃った。
 感謝の気持ちを込めて色んなところで元気に踊る姿を見せたい、やっていきたい。明治神宮で踊れるということは一生に一回しかない。本当に嬉しく思っている。


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パーソナリティ 鈴村健一

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