2012年7月31日

7月31日「東北の郷土芸能奉納(1)」

先週末からきのう月曜日まで、東京・明治神宮では、東北被災地の郷土芸能が集まる催しが行われました。


催しを主催した、全国郷土芸能協会の小岩秀太郎さんにお話を伺いました。

◆郷土芸能奉納に込めた意味
 明治天皇が亡くなられた100年祭。7月30日が本祭り。
 その前の28日〜30日に、東日本大震災で被災した郷土芸能から奉納。
 岩手、宮城、福島の7団体が参加。明治神宮への奉納なのでその気持ちが大きい。さらに震災が起きたことによって、数々の支援を受けたことへの御礼としてもやりたいと言っている。
 震災から1年が経過して、忘れられつつあることへのアピールという意味もある。
 他の団体も色々ある。できない人たちもいる。そういう人たちのためにもやりたいという話をしている。



<写真:本吉法印神楽>


<写真:岩手県奥州市・大船渡市 金津流獅子躍>


この催しでは、福島県浪江町・請戸地区出身の団体も、地元に伝わる「請戸の田植え踊り」を奉納。
かわいらしい花笠をかぶった小中学生が、舞台で踊りを披露しました。


請戸芸能保存会会長・渡部忍さんにお話を伺いました。

◆子どもたちにとっての田植え踊り
 請戸の田植え踊りは、とりわけ東北の飢饉の多いところにある。温かいところには無い。
 豊作への祈りが郷土芸能になった。2月24日がお祭り。2月は色がない。白か黒か。神様に喜んでもらうために、赤や黄色など原色を配したものに先人が変えたようだ。
 我々も小さい頃から祭りを自然と受け入れてきた。地元の祭りとしてのプライドもあった。そこで奉納する田植え踊りも、小さい頃から「かっこいい」「大きくなったら躍りたい」と思う気持ちが、子どもたちの根っこにもあるのではないか。


浪江町・請戸地区は原発10km圏内にあり、渡部さんご自身もいわき市で避難生活を送っています。
この日集まった20人の踊り手やそのご家族も、同じ境遇が続いています。

◆避難生活の中の踊り
 バラバラ。新潟、栃木、宮城、うちの踊子だけでも。県内各地の福島や郡山などで避難生活。
 練習はしていない。明治神宮で奉納するにあたって4回練習した。
 最初、子どもたちには友達と会える楽しみがあった。そして踊りが好きなので踊りが踊れる喜びもあった。
 公演をしていると、見ている請戸の方が泣いてしまう。嬉しさ、可愛らしさで。それを見た子どもたちも気持ちが変わった。子どもでも出来ることがあると感じた。
 苦しい時間を過ごしてきたが、頑張って今日までやってきた。

2012年7月30日

7月30日「相馬野馬追」

7月28日(土)からスタートした、福島県相馬地方の伝統の夏祭り「相馬野馬追」。
相馬藩の軍事訓練として、千年以上の歴史があります。
例年は3日間に渡って、出陣式、武者行列、甲冑競馬などが行われますが、昨年は震災と原発事故の影響で、大幅に規模を縮小しての開催となりました。

この「相馬野馬追」の中心となっている、中村相馬神社の宮司・田村誠信さんにお話を伺いました。

◆例年通りの開催に“戻す”
 去年のようなことはしないという強い意思を持って、今年は開催。
 (馬の数は)今年は404駒。小高、原町の馬たちが北海道などに避難していたが、それを戻して絶対やるんだという南相馬市の意気込みが出ている。
 (相馬野馬追は地域の人々にとって)当たり前のもの。震災があろうがなにがあろうが、この相馬野馬追は続けていきたい。


「相馬野馬追」は今日が最終日。
9時からは「野馬懸」と呼ばれる古式の神事が行われます。





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パーソナリティ 鈴村健一

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