2012年6月25日

6月25日「福島のいまの状況と向きあう『peach heart』(1)」

福島県の女性たちが立ち上げた「peach heart」。
中心メンバーは、福島で生まれ育った30代前後の女性5人です。
福島で生活を続けている方もいれば、北海道や東京に避難している方もいます。
彼女たちの活動は、福島のいまの状況と向きあい、生き方を考えるための場所作りを提供するもの。
同じ立場の女性たちに呼びかけ、様々なイベントを企画しています。

ピーチハート・共同代表の宍戸慈さんにお話を伺いました。

◆本音を言えない、イヤなことはしゃべりたくない
 発足は去年10月。福島大学で開かれた「若者会議」で、福島の大学生女子たちの間で
「本音を言える場所がない」ことが話し合われた。不安を感じている子、大丈夫だという子、それぞれいる。
 (他県の大学に)編入したいが相談相手が分からない、親に戻ってこいと言われているが友達と離れたくないという話は家族や友達としづらく、話を出来る状況がないのが問題だと気づき、peach heartを発足。
 同じ大学の友達でも、県内出身者や県外出身者がいて、それぞれ認識や情報の差があり、福島は「危険か危険じゃないか」、それぞれの考えがある。
 Aは関西出身で関西に帰ることが出来る。Bは線量の高い渡利地区在住。Cは線量のことは気にしていない。その3人が福島に住むこと、線量について話し合うと意見が食い違い、しこりのようなものが出来てしまう。だからその話を避け、イヤなことはしゃべりたくないから口をつぐんでしまう。このままではいけない。福島に生きることは選択の連続。居ることも出ることも選択しなければいけない。


◆選択を認め合える場
 自分で選択したことを認識していないと不幸が起こる。
 福島に残ると健康被害や子どもへの問題が起きるかも知れない。それを覚悟したのなら自分の選択として乗り越えられる。選択していないという気持ちだと、東電のせい、国のせい、など誰かのせいにして生きることになる。それは不幸。自分で選択せずにそこにいる女の子たちと、お互いの選択を認め合える対話の場を作りたいと思ったのがきっかけ。



宍戸さんご自身は、福島を離れる選択をしています。
現在は北海道に拠点を置いて、福島、東京を行き来しながら、peach heartの活動を続けています。
一方、共同代表のもう一人、南相馬出身の鎌田 千瑛美さんは、東京在住。peach heartの発足と時を同じくして福島で働いています。


【任意団体peach heart official website】

2012年6月22日

6月22日「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(5)」

福島第一原発事故の避難指示の無かった地域から“自主避難する方”“そこに留まる方”、どちらの選択も尊重されるべき。どちらの不安も解消しなければならない、という声を受け、国会で「子ども・被災者支援法案」が成立しました。

河崎健一郎弁護士をはじめとした「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」のメンバーはこの問題に取り組んできました。
河崎弁護士にお話を伺いました。


◆「避難する権利、それぞれの選択」
 6月に出版したブックレット「避難する権利、それぞれの選択」(岩波書店)では、弁護士2人、新聞記者の4人で、自主避難者、残った方がどうなっているのかを調べ、それは法律的にどういう立場でどうなっていくべきかを書いた本。
 弁護士3人のうち1人の女性は、いわきで被災、当時5人目の赤ちゃんを生む時だった。彼女は悩んだ挙句、いわきで弁護士活動をつづけながら子育てを続け、被爆の問題と真正面から向き合っている。今から避難しようと考える人に、どんな都道府県が候補としてありえるのか、それぞれの支援プログラムについて簡単に触れる形で紹介している。


◆違和感があることは声を上げて欲しい
 福島の方々はあまりにも色々な、正反対の情報を外からたくさん言われてすごく混乱、心を閉じている。
 目の前の違和感、ささいな違和感は、現実の問題解決に繋がらないかも知れないが、違和感がある、違うと思うということは声を上げてほしい。それを弁護士が、法律的にはどうなのか、国としてどうなのかというアドバイスが出来る。声を上げるのは現地の人にしかできない。そこを見過ごしたら何も始まらない。
 避難する権利がこんなスピードで国会に取り上げられるとは思っていなかった。それはみんなが心の中で感じていた違和感。線を引かれて、その内側はお金がもらえ避難させられ誰もいなくなったが、内側は子どもたちが小学校に行っているのはおかしい。違和感があったから法律として議論の俎上に上がった。



【福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク Official blog】

【ブックレット「避難する権利,それぞれの選択 、―被曝の時代を生きる―」(岩波書店)】
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パーソナリティ 鈴村健一

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