2012年6月11日

6月11日「福島のペットレスキュー(1)」

原発事故によって、数多くの犬や猫などのペットたちが飼い主から引き離され、原発周辺地域に取り残されました。
今も立ち入り禁止区域には、そうした動物たちが数多くいるはずです。

作家の森絵都さんは、そうしたペットを保護するボランティアの活動を半年にわたり取材。そこで見た事実を今年4月、著書「おいで、一緒に行こう」で発表しています。
その経緯について、森絵都さんに伺いました。

◆当初、取材は1日だけのつもりだった
 4年前に犬の保護活動を扱った本を出していた。震災でペットの被害に対して何かしないといけないと考え、情報を探した。
 中山ありこさんという女性が個人で、20km圏内のペットレスキューを行なっているのを知った。最初は一度行ってみて、聞いたレスキューを伝えようと考えていたが、5月末に行くと、中山さんが20km圏内に入って活動をしていることを知り、同行取材をした。
 一線を越えたことを伝えるのに、1度だけの取材では真実が伝わらない。20km圏内に入ったという際どいことだけが印象に残ってしまう。本当の意味を伝えるために、救われたペットたちはどんな里親の元に行くのか、飼い主は見つかるのかを追いかけないと意味がない。彼女たちの圏内に入る意味も伝えられないと思い、ずるずる取材は伸びて行った。


◆初めてみた原発20km圏内
 震災からひと月半の昨年5月末。20km圏内のイメージとしては、ペットもわらわらいて、餌を求めて人にぞろぞろついてくるものだったが、実際にはかなり減っていた。それでも人間に寄って来る犬が、その時期はいた。お腹を空かせていて、人間を見ると近づいてきた。その時は保護がしやすかった。猫はまだ元気なので捕まえられず、捕獲器も仕掛けられなかったが、5月になると弱っていてすぐ捕まえられる状態だった。


森さんのお話にあった中山ありこさんは福井県在住。
福島県南相馬市に保護した猫たちのためのシェルターを開設、運営も行っています。
ペットフードなどの支援も受け付けているので、詳しくは中山さんのブログをご覧ください。
【中山ありこさんのブログ「ねこさま王国」】
【福島の被災猫たちのシェルター「にゃんこはうす」】

【森絵都さんの著書「おいで、一緒に行こう」特設サイト】

2012年6月8日

6月8日「岩手県・達増拓也知事インタビュー」

岩手県では2012年度を「復興元年」と位置付けています。
現在の課題、これからのビジョンについて、達増拓也知事にお話を伺いました。

◆これまでの感謝と復興へ
 今まで多くのご支援、ご協力をいただき、改めて感謝を申し上げる。仮設住宅の建設や瓦礫の仮置き場への集約など、初期段階の応急対応はできている状態。でもまだ更地が広がっていて、本格的な復興はまだまだ。

◆住民からの声に対し
 仮設住宅に4万人以上の方が暮らしているが、次に住む場所を早く決めて欲しいというのがひとつ。もうひとつは雇用の場の確保。
 住む場所については、今年度から復興公営住宅をどんどん立てていく。また新しく家を建てたいという方には、高台移転など。検討に時間はかかるが、スピードアップしていくこと。
 雇用の確保については、漁業の再生。漁獲量は半分くらい平年並みに戻っているが、加工・流通の回復が大きな課題。


◆観光
 崖などは津波でも壊れず美しい自然が残っている。また三陸は世界三大漁場の一つで、世界有数の海産物が捕れるので、食の楽しみも含めて、全国から外国からお客さんが来てもらえるように復興させたい。

◆インフラ整備
 復興計画の中で大きい事業が復興道路。沿岸を縦に結ぶ高速道路、沿岸と内陸部を結ぶ高速道路を早期に完成させることが決まっている。地域内の行き来が便利になり、全国からも三陸海岸に訪れることができる。広く東北の海岸線が連携できる。また内陸との繋がりは、日本海側への繋がりにも通じる。震災時、日本海側からもかなり支援をいただいた。広いエリアでの連携に繋がると思う。

◆復興元年。新しい岩手県
 スローガンは「いのちを守り 海と大地と共に生きる ふるさと岩手・三陸の創造」
 県の計画は8年計画だが、8年かけて過去に戻すのではなく、8年かけて8年後のあるべき岩手の姿に追いつく、未来に追いつく復興を進めていく。



【達増知事からのプレゼント】
達増知事が責任編集を行った、岩手を題材にした県ゆかりの漫画家による作品集「コミックいわて」。
1巻と2巻をセットにして5名の方にプレゼントします。

ご応募はこちらからどうぞ。
お名前、ご住所、お電話番号と「コミックいわて希望」とご記入の上、ご応募ください。
当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。


【「コミックいわて」については、こちらをご覧ください】
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パーソナリティ 鈴村健一

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