2012年4月12日

4月12日「福島の子どもたちのために・世田谷の取り組み(2)」

春休みを利用して、福島で暮らす親子を東京・世田谷区に招き、外でおもいきり遊ぶ機会を提供しようというプログラム「ふくしまっ子リフレッシュ in 世田谷」。
この春休みに、福島市、伊達市、郡山市などから18家族の親子が参加しました。

どろんこになりながら遊びまわっていた子供たちを見つめていた、「福島の子供たちとともに・世田谷の会」代表・星野弥生さんにお話しを伺いました。

◆遊びまわる子どもたちを見つめながらする話
 お昼ご飯を食べて、(公園で遊ぶのは)本当は3時ぐらいまでだった。宿舎に帰ってお茶会をしようと予定していたが、子供たちは全然帰りたくない。そこで急きょ、公園でお茶会をすることになった。
 お母さんたちも、子供の手が離れるので、結構いろんな話をする。
 子供を外に出せないで、窓も締め切りで、鼻血を出す子もいるなど大変で、それがまだまだ続いている、などという話。
 直にそういう声を聞く機会をつくると、福島の話は全然他人事じゃない。お母さんも話をしたいし、こちらも交流したい。その機会をつくってよかった。



そして、参加したお母さん方からは、不安の声も聞かれました。

◆福島市に住むお母さんの声
 小1の娘と父母と暮らしている。
 震災後、すぐ娘が小学校に入ったが、市では「今まで通りに戻そう」とする意識が強い。「除染をしたら体育は外でやってもOK」「プールを除染したら今年の夏はプールを再開する」など。そうしたところに今も不安を感じる。
 風の強い日などは、一度地面に落ちたセシウムが再浮遊して口から入る内部被ばくが心配。
 去年体育館の中で運動会をやったら、けがをする子がすごく多かった。外で遊ばないことで体力の低下、バランス感覚などが衰えている。これからのことも不安。
 子供たちも不安を抱えているみたいで、七夕の願い事に「空気がきれいになりますように」と書いてあった。一番の願いがそれなんだと思うと、切なくなる。
 親の責任のもとで、子供をできるだけ安全に守りながら育てていく、ということを、日々考えている。


週末は、近くの県に車でお子さんを連れて行き、遊ばせているそうです。
ただ4月から、東北地方の高速道路の無料開放が実質的に無くなったため、それにもお金がかかって大変、ともおっしゃっていました。




「ふくしまっ子リフレッシュ in 世田谷」は、夏休みにも開催を予定しています。

【ふくしまの子供たちとともに・世田谷の会 Official Website】

2012年4月11日

4月11日「福島の子どもたちのために・世田谷の取り組み(1)」

春休みの期間を利用して、福島で暮らす親子を東京・世田谷区に招き、短期保養の機会を提供するプロジェクト「ふくしまっ子リフレッシュ in 世田谷」。
「放射線物質の影響を避けて、外遊びを控えている福島の子供たちを思い切り外で遊ばせてあげたい」という気持ちからスタートしました。

世田谷区の市民団体が企画し、区や教育委員会も参画。
参加したのは、福島市、伊達市、郡山市などの親子・18家族です。

このプロジェクトを企画した、「ふくしまの子供たちとともに・世田谷の会」の代表・星野弥生さんにお話を伺いました。

◆世田谷に居ながら出来ること
 子供、生活、教育に関することをやってきたグループが世田谷にはたくさんあるが、皆、世田谷から何か出来ることはないかと考えた。その中で、長期の休みの間に数日間、世田谷で過ごしてもらう。福島では子供たちが外に出るな、外で遊ぶなと言われているというのが現状。
 世田谷だって放射線量はあるかもしれないが、でもここで今までの一年間分遊んでほしいと思い、今回の保養プランを立てた。
 川崎のサマースクールをヒントにした。私たちみんなが福島に行ってボランティアをするのではなく、居ながらにしてできることがある。向こうの方も喜んでくれる。
 本当は福島のほうがずっと豊かな自然があると思うが、現状これがベターな選択だと思った。



「ふくしまっ子リフレッシュ in 世田谷」に参加した福島市在住のお母さんにもお話しを伺いました。

◆のびのび遊ばせたい
 子供は3歳になった娘が1人。
 めいっぱい遊べて、表情もすごくよくて、親としてはすごくうれしい。部屋で遊ぶことが多いので、自然の中でのびのび遊んでいる娘の姿を見ると、福島でもこういう遊びをさせてあげたいな、という気持ちになる。福島県内でものびのび遊べるようになればと願っている。
 子供もこういう状況が続くと、今後心や体にどういう影響がでるのか、すごく心配。今までだったら「外で遊んできなさい」と言えば済んだが、どこに連れて行って遊ばせようかと悩んでいる。週末は車で線量の低いところに連れて行って遊ばせたりもしている。



福島からの参加者には、キャンセル待ちも出たということです。
今回は、企画に賛同する人からの資金援助、ボランティアスタッフの働き、区や教育委員会の協力などが集まって企画が実現しました。


【ふくしまの子供たちとともに・世田谷の会 Official Website】
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パーソナリティ 鈴村健一

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