2012年3月16日

3月16日「石巻からの声」

3月11日(日)午後2時46分。
宮城県石巻市では、街中に鳴り響くサイレンの音と共に、たくさんの方が海に向け黙祷を捧げ、市内の各所では追悼式が行なわれました。

震災から一年という節目の日を被災地の人々はどう迎えたのか。
石巻市から、地元の方の声をご紹介します。


石巻の中心街にある洋品店「大町品川や」のご主人・品川守さんは、震災前と同じように、お店のシャッターを開けました。
品川さんのお店は、石巻市内の中学・高校の学生服の仕立てをしています。
14日(水)、宮城県の公立高校は一斉に合格発表があり、これから品川さんのお仕事は、1年で最も忙しい時期を迎えます。

◆「とにかく仕事」
 とにかく前に進む。誰も助けてくれない。国だって県だって市だって、自分の出来ることからはじめなきゃ。なんでもいいから前に進む。出来る範囲でいいから前に進む。それしかない。
 今からは高校の発表がある。それが過ぎたら仕事、仕事…。仕事している分には疲れはない。仕事をしていないと疲れて疲れて。とにかくなんでもいいから仕事をしよう。小さくても大きくても絶対に仕事をしていればなんてことない。とにかく仕事。



震災直後、避難所になっていた石巻市・湊小学校の体育館では、震災で亡くなった方の追悼式が行なわれました。
追悼式に出席していた、小さなお子さんを連れたご夫婦にもお話を伺いました。

◆「みんなが親切にしてくれた」
 あっという間。あまり区切りという感じはしなくて、まだまだ仮設暮らしで家も2月末に壊されたばかり。
 主人の両親、私の両親、妹一家、弟のところ、うちの身内だけで四世帯がダメになった。目の前にあった会社もダメになった。家が無くても会社が無くても食べていかなければ行けないから、主人はすぐに動き出した。その延長で今はただ必死で走っているだけ。主人はずっと休まず震災のことを考えるヒマもなく、ずっと走ってきて、なんとか会社も新しくなった。
 一年経ったから何がどうという変化はない。でも仮設は落ち着いて生活している。
 (娘は)震災の日は10ヶ月だった。まだハイハイするくらいの時。湊小学校に避難してきたときに、はじめてハイハイした。はじめてつかまり立ちしたのも全部違う場所。
 それぞれみんなに見守られて。この子がいたおかげでみんな親切にしてもらった。みんなが気をかけてくれた。お互い大変なのに、この子にみんなが話しかけてくれてパンをくれた。食べるものもないのにみんなが親切にしてくれた。

2012年3月15日

3月15日「桜ライン311」

震災による津波で甚大な被害が出た、岩手県陸前高田市。
津波は市街地にもおよび、人口の約10分の1が犠牲になりました。

「この教訓を次の世代に伝えたい。」

津波が到達した沿岸部の約170キロに、1万7000本の桜の木を植えようというプロジェクトが「桜ライン311」です。
震災から1年となる3月11日、桜の苗木の植樹が行われました。
「桜ライン311」代表の橋詰琢見さんに、震災から1年を迎えた「いまの想い」を伺いました。


◆陸前高田の1年
 もう1年、まだ1年という想い。時間がマヒしている感じ。
 この1年を振り返ってみると、震災前はなにげなく暮らしていたが、震災以降は壊滅的な街を見て、陸前高田がやっぱり好きだったと強く感じた。その好きな陸前高田が壊滅した、という想い。
 人とのコミュニケーションでも、震災前と震災後では全然違う。多くの知人友人を亡くて悲しい想い悔しい想いをしたが、震災以降支援していただいたり、新たな出会いも生まれた。そういった出会いを大切にしていきたい。



橋詰さん自身、沿岸部にあった自宅を津波で流され、震災で仕事も失いました。
でも、震災の教訓を後世に伝えるためにこのプロジェクトを立ち上げて、日々奔走する毎日を送っています。
津波の到達地点は、公共の土地だったり、民間の所有地だったりと、土地を譲り受ける交渉も簡単ではありません。
またがれきの処理が進んで、街がきれいになるにしたがって、津波の到達地点が見た目ではわかりにくくなっている、とも話してくださいました。


◆後世に伝えていく
 津波到達点170キロ。そこに1万7000本を植える計画だが、今回でだいたい270本近く。
 まだまだ始まったばかり。何年かかるかわからないが、後世に伝えていくことが大事なので、一本一本植えていきたい。




「桜ライン311」では、苗木やボランティア、そして活動資金を募集しています。
詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

【桜ライン311 official website】
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パーソナリティ 鈴村健一

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