2012年3月6日

3月6日「水族館・アクアマリンふくしまが再開し、伝えること」

昨日ご紹介した、ファッションブランド「TOMMY HILFIGER」とカルチャー雑誌「SWITCH」の支援プロジェクト「the HILFIGERS LOVE JAPAN Charity Project」。
3月3日(土)には、このプロジェクトの一環として、イラストレーター・黒田征太郎さんによるワークショップが、福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」で行なわれました。

アクアマリンふくしまは、地震、津波、そして停電などの被害で約20万匹もの生き物を失っています。
去年の夏に営業を再開したアクアマリンふくしまは、夏の来場者数は例年の2〜3割程度に落ち込んでしまいました。

営業再開までの経緯、そして今の状況を、安部義孝 館長に伺いました。


◆アクアマリンふくしまの現状
 水族館は水処理工場みたいなもので、電気などライフラインが途絶えると全くだらしがない。
 魚も大部分死なせてしまった。残念だったが、建物の外にでかいプールがあって、そこにいたのは太平洋に逃げて行った。今頃大きくなっているかもしれない。この水族館はトドやセイウチやアザラシも飼っているのだが、そういうのは呼吸するのでしばらくいた。餌の冷凍庫がダメになり、鴨川シーワールドに運び、そこを経由して避難先へ。そういう緊急対応に追われた。なんとか夏休み前に修理しようと決め、4か月後の7月15日に再開。
 いわきは放射線量が意外と少ない。全般的に低い。雨が降って、川を伝い、海へ行くんだと思うが、場所によって高くなる可能性もある。低い低いという宣伝はまずいだろうと思っている。


アクアマリンふくしまは、館内5か所で放射線量を測定、ウェブサイトで情報を開示しています。

厳しい状況が続いている中、アクアマリンふくしまでは、海に関心を持ってもらうため、「環境水族館」というコンセプトで、地元福島の海・山・川の生態系を再現するなど、様々な工夫を凝らし続けています。


◆「環境水族館」が伝える自然の仕組み
 自然界は食物連鎖があり、食う食われるの世界がある。それを見てもらうのは水族館の使命。自然界がそういう風に出来ている、死を見せよう。食用ガエルが徐々に土に還る。生き物はいっぱいいるが死体は見えない。それをちゃんと清掃する生物が海にもいる。魚の死体を入れておくと、ムシロガイという巻貝が集まり、たちまち骨まで食べる。そうした自然界の仕組み、誕生、食う食われる関係、死、それを魚や下等動物の世界では展示ができる。子どもたちと囲む自然は貧しくなっていく。そういう観察を水族館でやる。
 捕食者と被捕食者を一緒に飼育。この展示を維持するのは大変。いわしはどんどん入れなきゃいけない。アザラシのための鮭はいる。それぞれの水槽にシナリオがありテーマがある。



【アクアマリンふくしま official website】





--------------------
「LOVE&HOPE」でもご紹介しているプロジェクト「Support Our Kids」によるチャリティコンサート「SHARE THE WORLD 〜チャリティーコンサート2012 in KOBE〜」が3月18日に開催されます。

東日本大震災で被災した子供たちの自立を支援するためのチャリティコンサートで、神戸と東北、大震災を経験した二つの地域が一緒になり、未来に向けたメッセージを届けます。

日時:3月18日(日)午後2時〜
会場:神戸文化ホール大ホール
出演:渡辺貞夫さん、平原綾香さん、神戸市立住吉小学校合唱団のみなさん 他、福島の小学生も参加
チケット料金:3500円(税込)

詳しくはこちらからどうぞ。
【Support Our Kids「SHARE THE WORLD 〜チャリティーコンサート2012 in KOBE〜】

2012年3月5日

3月5日「チャリティーTシャツに込める想い」

震災以降、それぞれ被災地支援を続けてきたファッションブランド「TOMMY HILFIGER」とカルチャー雑誌「SWITCH」は、今年の3月11日を迎えるに当たり、共同で様々な支援プロジェクトを進めています。
その一つが、チャリティTシャツです。

「SWITCH」代表・新井敏記さんに伺いました。

◆the HILFIGERS LOVE JAPAN Charity Project
 SWITCHとして1年を経て何が出来るか、具体的に出来ることをしたいという想いからTシャツをデザイン、寄付に使う。
 SWITCHで関わりのあるアーティストにTシャツをデザインしてもらい、販売することで具体的なアクションを。



Tシャツをデザインを手がけたのは、アートディレクター・森本千絵さん、女優・鶴田真由さんと、アーティスト・中山ダイスケさん、俳優/映画監督・伊勢谷友介さん、イラストレーター・黒田征太郎さんです。



デザインを手がけたお一人、イラストレーターの黒田征太郎さんに、Tシャツに込めた想いを伺いました。

◆チャリティーTシャツで描いたもの
 今回のことは天災と人災。天災は地震と津波。人災は福島原発。あれは“起こった”のではなく“起こした”。
 人間が愚かしく振り回されている。天からの宿題をとうとう与えられたのだと思う。おたおたしたってしょうがない。Tシャツの話を頂いたときに「あっけらかん」と描こうと思った。
 描いたのは波と太陽の力をもらいながら、なおかつ波も太陽も海も空も、人を救うがなぎ倒しもする。だけどそれに負けない雑草を描いた。もう一つは「fukushima」という文字を真っすぐかいて、左側にキノコ雲。核兵器が爆発したときの噴煙を描いて、右側はそれを逆さにしたフレスコ。その中に雑草の種を一個落としたら芽が出る。福島はいつまでも泣いていないという希望的観測。もうひとつは、鳥にも見えるし骸骨にも見えるモノがいて、泣いているが泣くものかと涙が逆転している。そこに羽ばたこうとする羽が生え、必死で飛べ飛べと言っている足がある。謎解きみたいなモノ。
 今改めて見ているんだけど、全部忘れている。そんなもの、僕は。そんな必死で人が人を救えるわけがない。でも何か自分で出来ることはお手伝いがしたい。オーバーに言うと、今回のことは世界中が被害者。福島だけ、東北の人だけじゃない。日本だけじゃないし朝鮮半島も中国大陸もハワイの人もみんなが被害者という意識が持てれば。ヤバイ、ちょっと考えようという契機になればいいなと思っている。



チャリティーTシャツは3月11日から、全国のTOMMY HILFIGERの店舗で販売されます。
全ての利益が、被災地支援に寄付されます。

【the HILFIGERS LOVE JAPAN Charity Project】
«前の記事へ || 1 | 2 | 3 |...| 996 | 997 | 998 |...| 1066 | 1067 | 1068 || 次の記事へ»

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN