小学生ぐらいまでのお子さんがいる方は、
「道路を渡る時は、横断歩道を渡りなさい」
「赤信号は渡っちゃダメ」といった交通ルールを伝えていると思います。
それでは、お子さんは、その“ルール”について、どう捉えているでしょうか?
今回は『こども道路交通法』の著者 山﨑聡一郎さんに、
子どもと道路交通法についてお話を伺いました。
山崎さんが、この本を出した意図は、子どもは家庭や学校で交通ルールのことを
聞いても、それが法律だということを認識していないケースが多いから。
本の帯には「自転車に乗れるようになったら 交通事故の被害者にも
加害者にもならないために」とあります。
ひとりで外出する年齢になった子どもたちに、
交通ルールは守る義務がある法律で、守ることで事故に遭わないように、
また、自転車に乗っている時は、事故を起こさないようにと伝えたかったのです。
『こども道路交通法』は二部構成で一部は条文編。
道路交通法を子どもにも、なるべくわかりやすいように噛み砕き、
漢字にはルビでふりがなをつけて紹介しています。
イラストによる図解もわかりやすくて、描かれているのは人ではなく動物たち。
この一部 条文編で山崎さんが特に子どもに知っておいてほしいのは、
1つは第2条のいろいろな言葉の定義の中にある「車両」という言葉。
この中には子どももよく乗る自転車も含まれているのが大きなポイントで
道路交通法で車両が守るルールは自転車にも該当しますが、
今年の道路交通法改正で、もっと強く守らせようという動きが
強まっているということこと。
もう1つが、第38条の横断歩道は歩行者優先というルール。
基本的に道路は歩行者が優先で、それは反対に横断歩道が近くにある時は、
横断歩道を渡る義務があり、それによってクルマのドライバーに視認され、
自分の身を守ることに直結するということです。
そして、二部は判例篇。
実際に起きた過去の事故を四コマのマンガで説明し、
その事故についての刑事裁判や民事裁判の判例をわかりやすく解説しています。
この点で特に山崎さんが伝えたかったことは、
1つは11歳の男の子が自転車で事故を起こしてしまった事例。
保護者に9,500万円賠償命令が出た判例を掲載していますが、
子どもが責任を取ることができない年齢の時には、
保護者が損害賠償を払わなければいけない場合もあります。
一方で14歳の子どもに賠償責任が課せられた判例もあります。
18歳に満たなくても責任を負うことになるのです。
また、8歳の子どもが2人乗りをして交通事故の被害に遭った事例では、
そこに違反があったので、事故を起こしたトラックドライバーの刑は軽くなる、
あるいは損害賠償額が軽減されるといったルールもあるということ。
山崎さんが保護者に交通安全教育について伝えたいことは3点ありました。
1つは「法律にあるからダメ」と言うのではなく、それを守らないことで
どんな危険が生じうるのかを、被害者になりうる点と、
事故を起こす加害者になりうる点から考えさせるようにする。
2つ目は、大人が交通ルールを守っている姿をきちんと背中で見せること。
3つ目は、もしもの時にどうするか、事故に遭った時、事故を起こした時の
シミュレーションを一緒にしておくことが大切とのことでした。
山崎総一郎さんが書いた「こども道路交通法」、
ご家庭での交通安全教育に役立ててはいかがでしょうか。