ON AIR REPORT

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とーやま委員「FM AICHI公式Twitterの“中の方”、いつもSCHOOL OF LOCK! 教育委員会の告知ツイート、ありがとうございます!」


<イェーイ!>

とーやま委員「いつもやっていただいて嬉しい限りです。…という中に、Tokyo FMを除いて他の全国36局ネットの公式Twitterの皆さんにもメッセージが含まれていたっていう…(笑)嘘です!別にそんな、強制とか、(告知を)やってくれとか、大それたことは言えません。ただ、いつも全国38局ネットで届けさせてもらっていて、このSCHOOL OF LOCK! 教育委員会にお時間をいただいてですね、皆さんありがとうございます。
11月26日金曜日、本日も生放送よろしくお願い致します。昨日のだいたいこの時間…24時過ぎくらいにTwitterを開いたら、SCHOOL OF LOCK!本体の公式だったかな。僕のタイムラインに、サカナクションの山口一郎先生がいま期間限定でAuDeeで『サカナLOCKS!』の修行を行っていると。それの“公開生収録”というのを、SCHOOL OF LOCK!の公式YouTubeアカウントからお届けするということで、何千人という生徒のみんなが見ていて。もちろんサカナクションファンの皆さんも見ていて。俺もそれを見ていて」


とーやま委員「最初に(電話をつないだのが)SCHOOL OF LOCK!の生徒でもあります、RN ウオタミハンゾーという、サカナLOCKS!の中でも有名な面白い生徒で。“将来アナウンサーになりたい”ということで、一郎先生と構成作家の諏訪さん…SCHOOL OF LOCK! 的には“カヲル先生”。俺も11年間ずっとお世話になっている方と、3人で話すと。それを30分〜40分くらい。実際、昨日の模様がAuDeeでは聴けるようになってるんで、“将来、何かになりたい”とか“親との狭間で揺れてます”って生徒がいたら、一郎先生とカヲル先生の言葉をぜひ聴いて欲しいな。
生配信の中での一郎先生の発言を機に、まさに今日のSCHOOL OF LOCK!教育委員会のテーマでもある“多様性”というところに話が急展開していって、そこから1時間以上かな?話をされていたわけね。これがね、非常に僕は興味深く聴いてしまってだね。一郎先生の言ってることもすごくわかるし、電話をつないだリスナーの女の子の話もすごくわかるし、諏訪さんの話もすごくわかるし。めちゃくちゃ大切な時間だったなって思うんですよ。
昨日見てたみんなもいると思うけども、とにかく面白かったんですごく聴いて欲しいな。今の時代で、どのように目の前の人に、自分が本当に思った伝えたいことを(届けるか)。でも伝えることによって、もしかしたら機嫌を損ねてしまうかもしれない、嫌な気持ちにさせてしまうかもしれない。だから言えなくなってしまっている。だけども、その先に答えがあるはずで…と、そういう話。
これはちょっと裏の話になるけれども、約2時間くらい一郎先生とカヲル先生と生徒の話を聴いて俺が思ったこと…。諏訪さん(カヲル先生)は、構成作家だけどラジオめちゃくちゃうめぇなっていうのをすごく俺は…(笑)ジェーンも思ったよね?俺はカヲル先生と10年間ずっと一緒に生放送教室を校長先生としてやらせてもらってて、最中も思ってた。10年の中でも何度も。でも改めて思ったのは、諏訪さんが喋った方が良いんじゃねぇか?ってこと(笑)すごいよね、立ち回りとか。一郎先生という真ん中がいて、そこの周りを、常にポジショニングを変えながら…。
こんな裏の話をしてて良いのかな?良いっすよね、聴いた僕の感想ですからね!だけどリスナーのこともちゃんと置き去りにせず、話を進めていくというね。素晴らしい人だったなぁ、諏訪さんっていうのは。そんな人と仕事を出来て俺は幸せだなっていうのも思った!ちなみにサカナクション先生といえば、オンラインライブ『アダプト』、チケットを購入させてもらって。本当にすごいライブです。新曲もたくさん聴けるし…と言いつつ、一郎先生には今週直接会って伝えましたけど、すいません!まだ22分しか観られてないです。ごめんなさい!週末、絶対観るようにしますんで…。
とか言っていたら、来週にはもう12月に入ってしまう。先週この場でお伝えした通り、12月は17日と31日、両日金曜日、SCHOOL OF LOCK! 教育委員会はお休みとなります。なので教育委員会は、今日入れて今年はあと4回。限られているねぇ〜、時間が。じゃあ17日は何があるんだって話なんだけども、ニュースが出てたね!」



<♪ドラマ『ドラゴン桜』のテーマソング>

とーやま委員「出ました、ハーゲン桜(笑)『ドラゴン桜』(TBS系列)という、平手友梨奈ちゃんが出ていたドラマのテーマ曲を引用させてもらってます!
そう、佐藤健さんもハーゲンダッツのCMに出られていて、友梨奈ちゃんとの話を1時間まるまる聴くことができると!これをハーゲンダッツさんが応援していただく時間ということで。わたくしとーやまは、いち友梨奈ちゃんファンとして聴かせてもらいます。ここで言うことじゃないかもしんないけど“とーやまトナカイ”として、トナカイの格好をして聴かせてもらおうと思ってるんで。どんな友梨奈ちゃんになるのか…。よそよそしいのか、口の悪いワルガキの平手友梨奈が出るのか、それは聴いてのお楽しみってことですね!楽しみに待ってるヒヒ〜ンよぉ!…“ヒヒ〜ン”じゃないか?トナカイってどうやって鳴くんでしたっけ?…ヒヒ〜ンでもいいか。友梨奈ちゃんはお馬さんのドラマ(『風の向こうへ駆け抜けろ』(NHK))もあるから。待ってるヒヒ〜ンよぉ!…ってことで曲、いきましょう!どんなのが来るかなぁ〜?」

<〜♪曲が流れてくる〜>

とーやま委員「…わぁ。時期だしねぇ。スキー行きたいねぇ!スキー場で聴きたい。リフトとゴンドラ乗ってるところでね。スキーに行った事があるみんなはわかると思うけど、柱があるんだよね。その柱にスピーカーが立ってて、そこから今年の曲だったりスキー場で聴きたいような曲が流れてて。俺は3年くらい前に行った時にね、この曲が流れてて。むちゃくちゃ良いなと!大好き!洋平先生、大好き!」

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M SNOW SOUND / [Alexandros]


とーやま委員「去年は(新型)コロナということもあって、個人的にはスキー場に行けなかったんだけど…。今年は機を見て新潟だったり長野だったり、行きたいなと思ってます。
実は行く度に、SCHOOL OF LOCK!の生徒とスキー場で会ったりしてて。もしも会ったら…牛丼おごります!カレーもおごります!その時に声が出せる状況だったら一緒にこの曲も歌いたいなと思いますんで!洋平先生は毎週土曜日15時より、『おと、をかし』という番組(を放送中)。僕もたまに聴かせてもらっていて、洋平先生の大好きな曲を一緒に聴けるという幸せな時間」


とーやま委員「聴ける生徒はぜひ聴きにいくように!本日の1曲目、[Alexandros]で『SNOW SOUND』!

乙武洋匡先生登場!“多様性”とは何なのか?



とーやま委員「SCHOOL OF LOCK! 教育委員会のとーやまです。今夜は、この教育委員会発足以来、度々話題に出てくる言葉“多様性”、カタカナでいうと“ダイバーシティ”…これを聴いてるみ皆さんも、最近よく耳にする言葉だと思うんですけども、改めて僕達はこの言葉についてどう考えていけば良いのか、これからどんな社会を創っていけば良いのか、考えていきたいと思っております。
…というわけで、本日はなんとこちらのゲストにお越しいただいております。自己紹介よろしいでしょうか?」

乙武「はい!乙武洋匡です。よろしくお願いします!

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<イェーイ!>

とーやま委員「ようこそお越しいただきました!」

乙武「嬉しい。この番組に出られるなんて…」

とーやま委員「SCHOOL OF LOCK!教育委員会、ならびにSCHOOL OF LOCK!、10代向けにやってる番組なんですけど、ご存じでいてくださって…?」

乙武「もちろん!知ってるし、でもこんなおじさんが呼んでもらえる番組じゃないと思ってたから(笑)気付いたら俺、もう45だからさ」

とーやま委員「45歳っすか?めちゃくちゃ若いっすよね」

乙武「僕も実際小学校で教員をやってたり、その後東京都でリアル教育委員会やってたわけですよ。だからこの番組、出たいなぁと思ってたので。今日こうやって出るチャンスをいただけて本当に嬉しいですよ」

とーやま委員「“リアル教育委員会”っておっしゃったってことは、僕のこの教育委員会は“まがいもの”と思ってらっしゃるという認識でよろしい…?」

乙武「いやいや(笑)ラジオ版!ラジオ版ね!」

とーやま委員「言い訳の速度が早かったですけど(笑)」

乙武「はい、次いこ」

とーやま委員「(笑)でも知っていただいてすごい感激です。初めまして」

乙武「もちろんですよ。よろしくお願いします」

とーやま委員「乙武さんって今お忙しいっすよね?」

乙武「いやいや、忙しいフリをしてるだけで」

とーやま委員「(テレビ)番組とかでもよくお見かけしますし…」

乙武「Twitterに住んでるんで、Twitterが忙しいです(笑)なんか書くとすぐニュースになっちゃうんで、最近はちょっと慎重にやってるんですけどねぇ」

とーやま委員「生放送とかもよくあるじゃないですか?」

乙武「失言怖いから絶対嫌です」

とーやま委員「(笑)そういうの、怯えるタイプなんですか?」

乙武「怯えないけど、事務所に怒られるんで」

とーやま委員「もうちょっとオブラートに包んで言いなさい、みたいな?」

乙武「そうそう。“もういい歳なんだから”って言われるんですけどね。なかなかね(笑)」

とーやま委員「僕も42歳でして」

乙武「あ!じゃあ、まぁまぁ同世代ですね。これくらい(の差)だったら誤差みたいなもんですよ」

とーやま委員「確かにね。あんまり1個上、2個下…みたいな認識も(歳を重ねると)なくなって」

乙武「中学時代とかだったら3つ違いって(学年が)被りもしないから大先輩になるけど、42と45は誤差でしょ」

とーやま委員「嬉しいです、ありがとうございます。今日は2021年11月26日で(新型)コロナもね、ようやくこう…」

乙武「だいぶね。落ち着いてきたとはいえ…」

とーやま委員「一応、緊急事態宣言も明けてはいるんですけども」

乙武「まだ第6波が来るかもしれないですしね」

とーやま委員「乙武さんとしてはいかがですか?コロナ禍になって暮らしにくくなったとか感じられます?」

乙武「実は、暮らしにくくなった部分と暮らしやすくなった部分、両方あって。僕も結構美味しいもの食べに行ったりお酒飲みに行ったりするのが好きなんで、そういった意味では外出しづらい状況でなかなか不便になった部分もあれば、逆に皆さんがそういう状況になったことで、リモートワークとか移動せずにオンラインでやりましょうみたいなことが増えたんで。実は移動しにくい身体障がい者にとっては、ちょっと行きやすくなった部分もあるんですよ。だから両面ですね」

とーやま委員「周りの方とも、そういったお話はされるんですか?」

乙武「します、します。このリモートワーク、(新型)コロナの前からやってくれてたら俺達もっと便利だったのにね、とか。あと、例えば劇場に観に行くとか何かライブに行くなんていうのも、今までなかなかできていなかったわけですよ。っていうのは、大きな箱(会場)だとある程度設備が整ってたりするんですけど、ちっちゃいライブハウスや劇場ってほぼほぼバリアフリーの設備がないんですよ」

とーやま委員「確かに、幕張メッセとか武道館とかはそういう(障がいを持つ人の)スペースが確保されてるのをよく見ますけど、300キャパのところとかで見たことないですね」

乙武「ライブハウスは防音対策もあって、だいたい地下でしょ?」

とーやま委員「地下2階とか、かなり潜らないと…」

乙武「そうそう。エレベーター、絶対ないじゃないですか。結構そういうのがあって諦めてた人達って多かったんですよ。それが“無観客配信”みたいなのをやってくれるようになったことで、返ってアクセスできるようになったって喜んでる人もやっぱりいましたね」

とーやま委員「そこでようやく気付けた社会で働く皆さんもいるから、より間口が広がったところもしっかりあると?」

乙武「そうですね」

とーやま委員「さらに、今年の夏に“パラリンピック”があったじゃないですか。乙武さんはどうご覧になられてたんですか?」

乙武「これまでパラリンピックって、“障がいのある人が障がいを乗り越えてスポーツに打ち込んでる感動物語でしょ?”っていう見方がすごく多かったんですよ。ところが、今回実際にパラリンピックが放送されて、主にNHKさんでしたけど、非常に伝え方がフラットだったんですよ。
どういうことかっていうと、あんまり感動ヒストリーに持っていくことなく、淡々と粛々と“これ、スポーツとして面白いでしょ?”“純粋に競技としてスリリングでしょ?”っていうテイストで伝えてくれたし、選手の障がいに触れることも、プレー上の工夫とかを説明するのに必要最低限の情報で留めてくれていたんですよ。だから“スポーツとして面白いね!”って受け止めてくれた方が多くって、パラリンピックに対するイメージがすごく変わったんじゃないかなって。そういう意味では今回すごく良かったなという気はします」

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とーやま委員「僕も10年間、SCHOOL OF LOCK!の校長先生として携わらせてもらったんですけど、実際に、世の中でいわゆる“障がい”と言われているものを抱えている子達とも電話で話をしたりとか、イベントで直接顔を突き合わせて喋ったりとかしたんですけど。最初は、やっぱり無意識の内に“可哀想な人だな”と思ってしまっている、それを隠す為に、より過剰に、過保護になってしまうというか…。なんていうんだろうな、“大袈裟になっちゃう自分”がすごくいたんですよ。でも、これは何なんだろう、みんなと一緒の生活をするべきだし、勝手にこっちが決めつけちゃってるなぁって思って。3年、4年くらい経ってからようやく“みんな一緒なんだ”って思えるようになった自覚があって。だから接する時も普通に…。“普通”というのが、ここで意識する時点で普通じゃないと言われたらそこまでなんですけど、フラットでいたいとなった時に競技も1つの競技なわけで。だから僕としては(オリンピックとパラリンピックの時期をずらさず)一緒にやっちゃっても良いんじゃないかなと」

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乙武「おっしゃる通りです。僕もいつか“パラ”がなくなったら良いと思ってるんですよ」

とーやま委員「ね!順番も必ずパラリンピックが後で、あれも別に、前でも良いわけじゃないですか。そういうのも変わっていけば良いのになって、今回僕も(競技を)観ながら思ったところでした」

乙武「今とーやまさんが言った通りで。例えばメディアの扱い方としても、オリンピックで金メダルを期待されていた有力選手がパフォーマンスを発揮できずに結果が出なかった場合って、結構批判とかするじゃないですか。じゃあもし、金メダルを期待されていたパラリンピックの選手が結果を出せなかった時、メディアは同じように批判できるのか?っていうのも、1つの試金石になると思うんですよ」

とーやま委員「あぁ〜。今だと…」

乙武「ちょっと厳しいですよね。だってこんなに頑張ってるんだから…ってどこかで思っちゃうじゃないですか。もっと言うとね、お笑いの世界でお笑いコンビが漫才でパーンと突っ込みを入れたりするじゃないですか。それがもし、ボケた相手が障がい者だった時に、同じように躊躇なく同じ強さではたけるのか?っていうのも試金石になると思うんですよ」

とーやま委員「確かに…」

乙武「これを躊躇なくやれるのが、ダウンタウンの浜田(雅功)さん。僕、20代の頃にスポーツライターをやっていたんで散々『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系列)で絡ませていただいたんですけど、マジでバシバシくる(笑)」

とーやま委員「(笑)え、それはもう最初からですか?」

乙武「最初から。初対面から躊躇なかった」

とーやま委員「(突っ込むのは)頭ですか?」

乙武「うん。さすがやなと思った(笑)」

とーやま委員「それって何年くらい前の話ですか?」

乙武「20年近く前ですね」

とーやま委員「当然“多様性”とか“ダイバーシティ”とかの言葉を全く聞かない時から、浜田さんは分け隔てなく…。ほぉ〜」

乙武「そう。彼こそがダイバーシティの先取りだと思うんですよね。声を大にして言いたいです」

とーやま委員「へぇ〜。松本(人志)さんとも、よく『ワイドナショー』(フジテレビ)で共演されていますよね」

乙武「お2人には本当にお世話になって」

とーやま委員「いま会話の中にも出てきましたけど、“多様性”とか“ダイバーシティ”を、乙武さんとしてはどう受け止めていらっしゃるんですか?」

乙武「やっぱり言葉がちゃんと浸透していくことはすごい大事だと思うんですけど、その意味も合わせてきちんと普及してるのかなっていうと、そこは不安な部分があって。最初の方でとーやまさんが言ってくださっていたように、確かに、僕らこの数年でよく耳にはするようになったと思うんですよ。じゃあ“どういう意味?”って聞かれた時に、ビシッと自分の言葉で説明できる人ってそうは多くないと思うんですよね。
そして、僕は意味を1つに定義しなくてもいいかなって思っていて。僕の思う多様性と、とーやまさんの思う多様性、言葉にした時に違う表現になっても良いと思うし、根っこの部分さえちゃんと抑えていれば、それぞれの人が“多様性”とか“ダイバーシティ”って言葉をどう表現するかは自由だと思ってるんです。
僕はわかりやすく言うなら、まず第一に“いろんな人がいるんだよ”ってことだと思うんですね。そこからもう少し広げるなら“自分の見えてる景色って絶対じゃないよ”ってことだと思うんです。
例えば、健常者として生きてきたとーやまさんが見えている世界と、障がい者として車椅子に乗って生活してきた僕が見えてる世界って、たぶん一緒じゃないと思うし。文章を主に書いてきた僕が見えてる世界と、お笑いをメインでやってきたとーやまさんが見えている世界っていうのは、また違うかもしれないし。それぞれみんな、自分の境遇とか経験とかそれまでの出会ってきた人との会話とか、そういうことによって、価値観ってひとりひとり違う。
だから、障がいがあるとかないとか(国籍が)何人かとかそういう大きな違いもあるけど、もっともっとちっちゃな違いであったとしても、同じ家で育った双子だったとしたって、たぶんちょこっとした友達との話とかで考えはどんどん変わっていくし、その2人の中でも違いって出てくると思うんですよね。
そういう“自分が見えてる世界、自分が思ってる事は絶対じゃないよってことをみんなが腹落ちして思えること”が、僕は本当の意味でもダイバーシティかなって思うんですよね」

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M CHANCE feat.中村佳穂 / 蓮沼執太


とーやま委員「乙武さん、ここまでの時間でお話を聞いて、なるほどと思ったことがたくさんあるし、さらに今自分で思った意見も生まれたりして。今日はぜひ時間の限り、たくさんお話しさせていただきたいと思っております!蓮沼執太で『CHANCE feat.中村佳穂』

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とーやま委員「乙武さん、『True Colors Festival』というイベントがあるんですんよね?」

乙武「はい。アンバサダーをずっと務めさせていただいているんですけども。これね…めちゃくちゃ面白いんで、ちょっとご紹介させていただいても良いですか?」

とーやま委員「お願いします」

乙武「そもそも『True Colors Festival』って何なのかというと、“パフォーミングアーツ”というものを通じて、障がいの有無、性別、世代、言語、国籍、いろんな違いって世の中にあると思うんですけど、そういう違いも全部ごちゃ混ぜにしていろんなバックグラウンドの人達と一緒になって創ったり、楽しんだりするっていう“芸術祭”なんです。これがダンスとか音楽、ファッションショー、映画…いろんなコンテンツ盛り沢山で、とにかくごちゃ混ぜな人達でお届けしていこうというのが、『True Colors Festival』なんですね」

とーやま委員「いつからやられているんですか?」

乙武「もともとは2006年から『国際障害者芸術祭』というものがあって、アーティスト支援、つまり“障がいのあるアーティストを支援していこう”ってものだったんですよ。それだけでは物足りないんじゃないか、もっとダイナミックな動きでみんなを巻き込んでいくことはできないかってことから、2019年の夏から『True Colors Festival』という形に変わっていったんですね。
もちろん、障がいがあるアーティストはそれまでにもいっぱい活躍をしていて。ただどうしても、障がいがあることで表に出ていくことの壁があったり、なかなか注目を浴びることが難しかったりということもあって、それらを支援していこうと動きがありました。けれども、もっと多様な人が混ざり合うことで、さらなる魅力が生まれるんじゃないか。よく言われる言葉で言えば、1+1が2になるんじゃなくて3になる、4になるんじゃないかっていうような魅力。これをもっとどんどん発信していこうということだとか。
今日の番組冒頭でもお話しさせていただいた通り、これまで、障がいのある人がそういった芸術に触れることも、環境的に難しい場面って結構多かったんですよね。小さな劇場はバリアフリーがなかったり、ライブを観に行っても聴覚障がいの方は何を言ってるんだかわからなかったりとか。そういうこともあって、なかなか健常者と同様には、こういった芸術祭、パフォーミングアーツを楽しむことができていなかった。そういった部分も何とか改善していけないか、出る側も障がいだけではなく、ごちゃ混ぜのバックグラウンドの人でやっていきたいし、観る側にもちゃんとバリアなくいろんな人に観に来てもらえるようにしたいしと。それが『True Colors Festiva』の真骨頂ですね」

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とーやま委員「具体的に、障がいを持たれているアーティストの方って、どういうパフォーマンスをされる方がいるんですか?」

乙武「本当に多種多様で。目が見えなくて歌手の方、車椅子に乗っていてお芝居を演じる方とか…あげていったらキリがないくらい、ありとあらゆる“障がい×パフォーミングアーツ”をする方がいらっしゃるんですよね」

とーやま委員「自由なんですね!別に決められたこともないし、思ったままをやってくださいという場所、お祭りが『True Colors Festival』。何日間ですか?」

乙武「実は、2019年の夏から始まっていよいよ本格化していくぞって時にコロナ(禍)になってしまったんですね。だから本当は、もっと直接現場で感じて欲しいとか、その場で空気感を共有してもらいたいって作品がいっぱいあったんですけれども、叶わなくなってしまったものもあるんですね。その分期間を伸ばそうということもあって、まだまだ今後も継続していくつもりです。瓢箪(ひょうたん)から駒じゃないですけれども、逆にオンラインで配信できないだろうかということもあって。リアルな場でしか行われなかったら、東京が会場なら東京近郊の人しか味わえなかったものが、オンラインに切り替わったことで日本全国どころか世界中の人がアクセスできるコンテンツになったりとか。そういったプラスαの面もあり、ある意味いい方向にコロナを飲み込みながらパワーアップして、今お届けしてる感じです」

とーやま委員「こちらは乙武さんがアンバサダーを務められている?」

乙武「はい。今は私とryuchellのふたりで」


とーやま委員「ryuchellさんも以前SCHOOL OF LOCK!の校長時代にゲストで来ていただいて」

乙武「本当に素敵な子で。一緒にやらせてもらっています」

とーやま委員「アンバサダーとしてはどういった活動をされているんですか?」

乙武「まさにこういうところにお伺いして、『True Colors Festival』の魅力を伝えていくことを主にやらせていただいてます」

とーやま委員「実際に『True Colors Festival』に参加されている皆さんの意見や声は、どのようなものがありますか?」

乙武「今まで、どうしてもそれぞれが閉じた世界で活躍されてる方が多かったんですよね。例えば聴覚障がいだったら聴覚障がい団体の公演があって、それを観に行くのもそういったところに関心がある人だったり。車椅子の人のダンスだったらそれはそれでまた閉じた世界だったり…ということが多かった。そこをごちゃ混ぜにすることで、自分達のこれまで応援してきた人達が舞台に立ってるから観に行こうって時に、お互い新たなファンを獲得できたり、新たに応援したいと思える人が見つかったり。そういう喜びの声はすごくあるみたいですね」

とーやま委員「う〜ん!乙武さんが今まで目にしたり耳にしたパフォーマンスの中で“これ忘れられないな!”ってものはありますか?」

乙武「言って良いですか?僕の“推し”を紹介しても良いですか?」

<無音になる>

とーやま委員「音が止まったんで、完全に今、みんな乙武さんに注目してます(笑)」

乙武「あのね、パラリンピックの開会式にも出演していた、“かのけん”ってあだ名の、鹿子澤拳(かのこざわ・けん)君っていう、聴覚障がいのダンサーがいるんですよ。彼の動きが本当にキレッキレで。ちょっと観てるだけでドキドキしたりうっとりするんですよ。彼が舞台に出ていると、ずっと観ていたいと思うくらい惹きつけられてしまうんですね。彼の公演があったらすぐにでもまた観に行きたいと思うくらい、僕はすっかりファンになっちゃいましたね」

とーやま委員「かのけんさん、普段は何をされている方?」

乙武「ダンサーです。不思議なのはダンスって基本、音楽に合わせて体を動かすわけじゃない?でも、聞こえないわけよ。どうやって音楽に合わせてキレのある動きを生み出しているのか、インタビューしてみたいんですよね」

とーやま委員「確かに…!実際はどうなのかっていうのは?」

乙武「まだ聞けてない!不思議じゃない?」

とーやま委員「例えば、耳が聞こえない方で会話をする時に口の動きとか表情で、おそらくこういうことを言ってるって(読み取るとか)。でも今マスクしちゃってるから、そこの問題もあるといろいろ記事とか読んだりもしたんですけど」

乙武「でもさ、パフォーマーは舞台に立って客席の方を向いているわけじゃない?だから誰の口の動きも見られないし、どうやって音を感じてるのかが全くわからないんですよね」

とーやま委員「曲のチョイスとかも、たぶん体の中に流れているもののイメージを伝えて選んでるのか…?確かに、どうしてんだろう!?」

乙武「ちょっと、番組で聞いてみてよ(笑)」

とーやま委員「乙武さん、全然(かのけんさんへの)ツテはないんですか?さすがに僕は“さら地”過ぎて…。どこかのコネクションを…」

乙武「繋げられると思う!」

とーやま委員「乙武さん、いてくれないんですか?」

乙武「あ、じゃあ僕も呼んで(笑)また来る!」

とーやま委員「パッと思いついたのは“かのけん”さん!もちろん他にもたくさんいらっしゃるわけですもんね」

乙武「あと、世界中の障がいのあるパフォーマーが、一堂に会さずにそれぞれのパートで『スタンド・バイ・ミー』を歌う、それを動画作品にするっていうのがあって。それもめちゃ良いんですよ。コロナの時代ならではの作品だなと思ったんですよね。やっぱり音楽ってみんなで一処にいて、“せーの”で奏でるものじゃないですか。でもコロナ時代は集うということができない時代。それを逆手に取って、みんなひとりひとりが今自分にできることを一所懸命やる。それを動画で組み合わせるとちゃんと1曲になるっていう。それも個性が出てるんですよ。グッとくるものがありましたね」


M スタンド・バイ・ミー / ベン・E.キング


とーやま委員「良いっすねぇ。乙武さん、『True Colors Festival』の皆さんが、最近新しい企画を考えていらっしゃるとお伺いしたんですけど、詳しく教えていただいてよろしいですか?」

乙武「これね、まだ詳細は明かせないというか、決まってない部分もあるんですけど…。とにかく、今お話しさせていただいた『True Colors Festival』の魅力・本質を、地方を廻って日本全国の皆さんにお届けできないかということを企画してるんですよ!…ただ、どうやってお届けしていったら良いのかなってところにまだ不安を抱えてる部分はあるんですよ。そこで!今日僕、何しに来たかわかります?」

とーやま委員「何しに来た…?遊びに来たわけじゃないですよね?」

乙武「“とーやまさん、手伝って!”って言いに来たんですよ!」

とーやま委員「僕!?」

乙武「はい!ここまで、番組からずーっと“ダイバーシティ”というものがいかに大事でこの社会を豊かにするものかって喋ってきたでしょ?ダイバーシティの重要性がちょっとご理解いただけたと思うんですよ。それを今回『True Colors Festival』が全国行脚する事で、若いみんなに伝えていきたいって思いがあるんですけど。どうやってアプローチしていったら良いかって考えた時に……この番組ですよ!

とーやま委員「あら。“まがいもの”教育委員会が?白羽の矢が立った?」

乙武「ラジオ版(笑)これほど10代の若い子達に支持されている番組って他にないし、若い子達にとったらとーやまさんは“カリスマ”ですよ!」

とーやま委員「まぁ……そうですねぇ!

職員一同「(笑)」

とーやま委員「自分で言っちゃった(笑)“元”ですけどね」

乙武「だから、ぜひこの番組のお力を借りて、とーやまさんにもご協力いただいて、『True Colors Festival』を通じてダイバーシティの大切さ・価値を若い子達に伝えていけたらなぁと思ってるんで!とーやまさん、ご協力いただけないでしょうか?」

とーやま委員「えー…乙武さん…」

乙武「…うん?」

とーやま委員「もちろんやらせていただきますヨォォォ!!!

<イェーイ!>

乙武「やった〜!」

とーやま委員「これは僕もですね、SCHOOL OF LOCK!をやってる時とかにすごく感じていたことなんですけども、僕ら40代じゃないですか。片足がない方とか、耳が聞こえない、目が見えない方…そういう人は世の中にたくさんいるってのは当然わかってはいます。だけど10代の時、若い時は、そういう人になかなか出会わないから、同じクラスにいたとしたらびっくりしちゃうとか、そういうことになっちゃうと思うんです。びっくりしちゃって思ってもないことを言ってしまう気持ちも、僕もわからないでもない。
でも、そういう人っていっぱいいるし、普通のことなんだよっていうのをもっとわかっていけば、みんなも単純に優しくなるし、自分と一緒なんだって思えるはずだから。こういう知れる機会・触れる機会って、僕は絶対にあった方が良いってずっと思っていて。
なので、僕で、僕らでよければ、やらせていただきたいです!」

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乙武「めちゃくちゃ嬉しいです!僕みたいな、目で見てわかりやすい障がいはまだ良いんですよ。目で見てはわかりにくい違いを持っている人ほど、どうやって自分の違いを知ってもらったら良いのかってことにすごく苦労してるんですね。
例えば、これもまた最近よく聞くようになった“LGBTQ”セクシャルマイノリティの方達も、地方に行けば行くほど周りの大人達の理解度がまだまだ進んでいないことで、なかなかオープンにすることができず苦しんでいる子達って多くいるんですよね。そういう地方にこそ、“違いがあって当たり前なんだよ”っていう価値観を届けて、ひとりひとりが安心して生きていける社会にしていきたいなって思ってるんですよね」

とーやま委員「僕も本当に、乙武さんの目指す理想の社会になれば良いなと思ってるし、これを聴いてるみんなも本当にそうだなと思ってると思うんです。
僕、ないし聴いてるみんなは、どういうことをしていけば良いっていうのはありますか?」

乙武「1番大事なのは“想像力を持てること”なんですね。例えば、とーやまさんと“今度飲みに行きましょうよ”って言った時、“僕がよく行くお店に、乙武さん一緒に行きましょう”ってなったとして、その店に段差があったかどうかって、パッと浮かんでこないと思うんですよ」

とーやま委員「確かに…そうっすね」

乙武「何故なら、周りに車椅子の友達がいないから。段差があろうがなかろうがどっちでも良かったわけですよ。ところが、僕とご飯を食べに行くとなったらそのお店に段差があるかどうかはめちゃくちゃ重要になってくるし、(お店を)選ぶ時にそこを考えなきゃいけなくなってくる。一旦僕と知り合って仲良くなれば、次に車椅子の人とご飯に行きましょうとなった時に“あそこの入り口大丈夫かな?”って、想像力がパッと浮かぶようになる。想像力って大事なんだけど、何もないところから生み出すことは結構難しくて」

とーやま委員「そうですね。リアリティ持てないですね」

乙武「そう。ある程度の経験から生まれてくるものだと僕は思ってるんですよね。なので、なるべく自分とは違う境遇・価値観の人・違う世界を見聞きしてきた人といっぱい触れ合っていくこと。これが、ぜひ皆さんにやっていただきたいことだし、ダイバーシティの根っこになってくるものなんじゃないかなって、僕は思ってます」

SOL教育委員会


M アイラヴユー / SUPER BEAVER


とーやま委員「乙武さん、本当にありがとうございました!またお会いする機会があると、勝手に僕は信じてますんで!」

乙武「呼んでいただければいつでも飛んできます!」

とーやま委員「YouTubeとかもやられていてお忙しいでしょうけど」

乙武「忙しいフリしてるだけです(笑)」

とーやま委員「僕、“おにぎり握るやつ”とか観ましたよ」


乙武「観てくれたんですね(笑)ありがとうございます。手のない乙武がおにぎりを握れるのか?って」

とーやま委員「あれをやろうとする体力・気力がすごいなって思ったんですよ」

乙武「あとは、炎上しても大丈夫かなっていう勇気ですね。1番ギリギリだったのは、手のない乙武が中華街に行って手相を見てもらうっていう(笑)」


とーやま委員「本当に今日はありがとうございました!」

乙武「ありがとうございました!」

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とーやま委員「乙武さんのお話、めちゃくちゃ面白かったでしょ?なんとなく自分達で思っていたことも、乙武さんがしっかりと言語化してくれて、なるほどと思えることもたくさんあったし。乙武さんの言葉で“自分が見えているものは絶対ではないよ”っていうのは…。常に思っときますって言うと嘘になっちゃうんで、俺はそうは言い切れないけども、時折、ふとした時にこの言葉は思い出して、“疑う”ではなくて“他の角度があるんだよ”っていうのを、ちゃんと肝に銘じていきたいなとも思ったね」


とーやま委員「RN ハマジローだってまだまだ若いのにね。こういう意識を持つってすごい大事だし、年上の世代の俺らからしても頼もしい限り!」


とーやま委員「うん!そうだね、自分の出来る範囲で。そしてそういう情報や、乙武さんのようにいろんなものを提供してくれる人は、たくさん転がっているから。そういう人に少しでも触れていきたい。俺もそう思う」


とーやま委員「これも難しいよね。1時間とか2時間で答えが出るものでもないし、出したところでまた明日には変わっていくかもしれないし。だからやっぱり、決めつけないで柔軟に、柔らかくいたいかな。そして年上とか年下とか、男とか女とかそういうのも関係なく、素敵な意見だなと思ったらそれをちゃんと取り入れることができる自分でいたいとも思ってる。
RN とたも、ありがとう。たくさんの#SOL教育委員会のつぶやきも見させてもらいました。どれも参考になる言葉ばっかり。
『True Colors Festival』で東京を飛び出していろんなところに行って触れてもらって、想像力がもっと豊かになればいいなと思うし。みんなも知る機会があればあるほど、絶対に選択肢も増えていくわけだろうし。やります!これはもう、乙武さんに僕は言ったので。それで、教育委員会もそうだけど、やっぱり全国の10代に最前線で向き合ってくれてるのは『SCHOOL OF LOCK! 』のこもり校長とぺえ教頭でもあるから、校長と教頭とも相談してだね、今回のテーマについて具体的に考える機会を…作りましょう!それはやります!
なぜなら!私はカリスマだからです!!
…“元”。スンマセン。“元カリ”なんで…。“現カリ”はこもり校長とぺえ教頭なんで、巻き込んでだね。なるべく早く話を進めてやりますんで、発表できる日をみんなも楽しみに待っていて欲しい。これで(生徒のみんなと直接)会えるかも知んないから、久々に!
乙武先生のお話、また改めて(Radikoの)タイムフリーとかでも聴くことができるんで。もう1度聴くというみんなもぜひ聴いてみて欲しい!
…ということで、本日はもう時間が来てしまった。おしまいですね。ありがとうございました!」

SOL教育委員会

この後記の放送を聴く

聴取期限 2021年12月3日(金)PM 11:00 まで



SCHOOL OF LOCK! 教育委員会

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