メンタルクリニックへの偏見がなくなってほしい。
2022
放送後記

メンタルクリニックへの偏見がなくなってほしい。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

今夜、声を届けてくれるのは…!

かくざとう。

RN かくざとう。 宮城県 17歳 高校3年生です。

私は今年から、メンタルクリニックに通院しています。理由は、小学生の時からいじめや嫌がらせを受け続けたことで、長年フラッシュバックなどのストレス症状に苦しんでいたからです。

心のバランスが取れなくなって、死のうと考えたことすらありました。今はクリニックに通院し始めて、病気について相談できるようになり、安心して生活できるようになりましたし、症状もこれから改善していけばいいなと思っています。
けれど、実は私は、症状がひどくなってから通院するまでに、およそ5年間もの月日を費やしてしまいました。何故なら、両親がメンタルクリニックに対して良いイメージを持っておらず、薬に対しても否定的だったからです。

実際私自身も、メンタルクリニックは他の診療科とは少し違う特別なイメージがあって、なんとなく怖かったり、もっと症状の重い人が行く場所という風に思っていました。そして、本当は「病院に行きたい、助けて欲しい」と思っていても言い出すことができず、ずっと1人で悩み続けて来ました。

最終的に、学校の先生が私のSOSに気づいてくれたことで、通院に繋がり今に至るのですが、実際に行ってみると、メンタルクリニックは、私のイメージしていたものとは全く違うものでした。
お医者さんから「今までよく頑張って生きてこれましたね。頑張りましたね。」と言われた安心感は忘れられません。もっと早く受診していれば、もっと早い段階で診断も受けられたし、そうしていればよかったと思いました。

もっと早く受診していれば、もっと早い段階で診断も受けられたし、そうしていればよかったと思いました。
私がそうだったように、メンタルクリニックという存在は、言い出すにもきっととてつもなく勇気が要るし、様々なイメージを持っている人がいると思います。だけど、そういった偏見が無くなって、必要な人が必要な時に一般的な選択肢として考えられる世の中になって欲しいと思います。

「絶対に行け」と示唆しているわけではありません。時間が過ぎていくまま自分を傷つけて欲しくないです。自分を守って欲しいです。
そしてもっと生きやすい、そして幸せでいられる社会になって欲しいです。

こもり校長
こもり校長

RN かくざとう。本人もそうだし、ご両親もそうだし、そこに行くまでに、相談することにハードルがあったと。

ぺえ教頭
ぺえ教頭

そうだね。やっぱり何の知識もないと、“1回(治療を)始めたらクリニックにすごく依存しちゃうんじゃないか”とか“薬に頼ってしまうんじゃないか”とか、ご両親もきっといろんなことを思ったんだろうけど、こうやってかくざとう。が声を届けてくれることで、同じ境遇の子も救われると思う。

こもり校長

そうやって「誰かを少しでも助けてあげたい」という想いの方がお医者さんになったり病院を開業しているわけだから、本来そこに行って頼ることは決して悪いことではないはずなんだけど、やっぱり先行するイメージとかがね…。

ぺえ教頭

そうだね。

こもり校長

あとやっぱり、我々にはものすごく知識が足りないんだなと思う。実際に「メンタルクリニックというものは何ですか?」って言われると、ちゃんと説明できる人がどれくらいいるのか。

ぺえ教頭

わからないもんね。

こもり校長

だから、RN かくざとう。がこうやってちゃんと声に出してくれて、知識を教えてくれたからこそわかることもいっぱいあるから、声を届け続けてくれて本当にありがとう。
これからも毎日がもっと楽しくなるように僕らも願ってるし、僕らも頑張ります。

『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!

2022.8.15メンタルクリニックへの偏見がなくなってほしい。
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