生の命、死の命

長渕LOCKS! 2014.10.25 土曜日


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今夜も炎の生活指導室を訪れたとーやま校長。
その足どりは緊張ではなく気合に満ちている!!
勢いよく教室に入ろうとすると、剛先生が何かを静かに書いているようだが…?

校長 ドンドンッ「失礼します!ご無沙汰してます!!校長の…あれ?」

長渕「……ふぅ」

校長「剛先生…?何されてるんですか?」

長渕「書道してるから少し静かにして。」

校長「…」

長渕「よし出来た!!」

とーやま校長も静かに見守る中、剛先生が書にしたためていたものとは!?

校長「これは一体何ですか?」

長渕「来年の夏の【富士合宿】に参加するための『道場訓』つまり条件みたいなものを改めて作ってみました!!」

長渕「今からその『道場訓』を読み上げるので、校長も後から続いて読み上げてください!」

校長「はい!!」


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生徒諸君もこの道場訓を一緒に読み上げて欲しい!!
富士合宿へ参加するためにも、しっかりとこの『道場訓』を覚えるように!!
それでは剛先生お願いします!!!

長渕「それでは『道場訓』を発表します!!」

長渕「ひとつ我々は!!富士の大自然に劣らぬ、純粋で無垢な魂であること!!」

校長「ひとつ我々は!!富士の大自然に劣らぬ、純粋で無垢な魂であること!!」

長渕「ひとつ我々は!!心身ともに己と言う武器を限界まで錬磨すること!!」

校長「ひとつ我々は!!心身ともに己と言う武器を限界まで錬磨すること!!」

長渕「ひとつ我々は!!たとえ苦しく孤独でも、炎を決して絶やさず何があっても諦めぬこと!」

校長「ひとつ我々は!!たとえ苦しく孤独でも、炎を決して絶やさず何があっても諦めぬこと!」

長渕「以上が夏合宿に参加するための条件!!道場訓です!!」


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校長「いやー凄いですね!緊張しました!」

長渕「俺がいつもアドレス読みをする時の気持ち分かった?(笑)」

校長「分かりました(笑)いつもよく頑張ってるな!!」

長渕「お、おい(笑)」


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さぁ富士合宿への気合いも入ったところで、今夜も長渕LOCKS!開講です!!
本日もまずは恒例の“あれ"から始めていくぞ!

長渕「それでは今日も点呼から始めていきます!!」

長渕「【 神奈川県 17歳 男の子 ラジオネーム オレンジのオオカミ 】!

【 長野県 15歳 男の子 ラジオネーム 緑炭酸のど破裂 】!

【 北海道 18歳 女の子 ラジオネーム ゆめろんぱん 】!

【 山梨県 18歳 女の子 ラジオネーム シロクマねこ 】!

【 静岡県 18歳 男の子 ラジオネーム やまゆう 】!」

長渕「以上!全員出席!!それでは授業を始めていきます!!」



長渕先生! 効果的な懸垂の方法を教えてください!!

僕は水泳をやっています!

ターモネーター
男/16/静岡県




長渕「効果的な懸垂の方法は…ないね。」

校長「ないんですか!?」


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長渕「“効果的な"っていうのはないよ。徹底的にやるんだよ!苦しくなってからの3回!これが大事なんです。」

校長「なるほど!確かに“効果的に"っていうのはちょっとずるい感じがしますよね。」

長渕「そう。何か目的を達成するためには“徹底的にやり抜く"!これが大事。」

校長「限界が来てからの、あと3回ですね!分かったか!ターモネーター!」

長渕「なんだか最近、校長厳しくなったね。」

校長「剛先生に感化されてるんですよ!ずっと僕の心の中に剛イズムが渦巻いてます!」

校長と剛先生の気合いが共鳴し合ったところで、今夜も生徒と電話をしていきます。




タイトル 長渕LOCKS!掲示板初書き込み
ずっともやもやした気持ちがあるので、吐かせてもらいます。私は今年の5月に友達をなくしました。血液の癌でした。小学校入学と同時に仲良くなって、いつもその子がそばにいたからその子が私にとっての唯一無二でした。でも私がそれに気づいたのは、彼女が入院し始めてだいぶ月日が経ってからでした。離れてから気づくことがたくさんあって、彼女と話ができなくなった今も後悔は募っていくばかりです。こんな調子で、親友といえるような友達を作れなくなりました。いつも相手との距離をとってニコニコしてはいるけど、どこか壁を作っちゃうんです。どうしたらいいのでしょうか?
紗(すず)
女/16/福岡県




校長「こんな書き込みが届いてるんですが…」

長渕「友人の死っていうのは本当に辛いよね。僕自身も友人や父、母を亡くした経験があるから分かるんだけど、その『死』ってものをどうやって乗り越えればいいのかっていうのはなかなか分からないんですよ。」

校長「そうですね…。それでは、直接話をしていきましょうか。」

長渕「お願いします。」

校長「もしもし!」

「もしもし」

長渕「初めまして。長渕剛です。書き込み読ませてもらったよ。友達が血液のガンで亡くなっちゃったんだね?」

「はい。」

長渕「そっか。友達が亡くなるまでにたくさんお見舞いに行ってあげられた?」

「いえ…あまり行けませんでした。」

長渕「それはなんでかな?」

「友達の顔が薬の副作用で腫れたりしていて、『友達自身もあんまり見られたくないかも』と思って、行きづらくなってしまいました。」

長渕「気を遣っちゃったんだね?」

「はい…。」

長渕「紗は友達が亡くなってからどんなこと考えた?」

「『友達が亡くなる必要ってあったのかな』とか『なんで友達は亡くなって、私は生きてるんだろう』とか…ですかね…。」

長渕「うん。気持ちはよく分かるよ。僕もさ小学生の時に友達が亡くなってさ、朝学校に行くとその亡くなった友達の机に花が手向けられててさ…。ビックリしたのを覚えてる。」

長渕「昔は、今と違って体が不自由な人や心臓が悪い人なんかも同じ教室で一緒に生活してたんだけど、その子たちの喜びってさ、健康な人と一緒に生活する事なんだよね。」

「はい。」

長渕「だからこそ、当時はあんまり気を使わずに遊んでたよ。紗ちゃんの中に。『もしも友達が生きてたら、こういうことしてあげたかったな』とかはある?」

「その子には凄くお世話になってきたので、ちゃんと『ありがとう』って感謝の気持ちを伝えたいです…。あとはお見舞いに行った時に『頑張れ』って言い続けてたんですけど、『頑張らなくていいんだよ』って言ってあげたかったです。」

長渕「うん。きっと友達に対する想いってたくさんあると思う。じゃあそれを“文字"にして伝えようよ。紙に書いて亡くなった友達のご霊前に届けようよ。」

「届ける…?」

長渕「そうだよ。人ってみんな後悔する生き物じゃない?もちろん『死』っていうのは辛く悲しいものだよ。でもそれは誰にでも訪れるものだし、それを受け入れなくちゃいけない。そして亡くなる人たちはみんな『死』と向き合っていったんだな。だから残された人は、そこに敬意を払うべきなんだよ。」

「はい。」

長渕「塞ぎこむよりも、まずは紗の優しく相手を思いやる気持ちを伝えてあげようよ。そこからはじめてみればいいんじゃないかな。」

「わかりました。」

長渕「うん。そして紗の中に友達が生きている事を認めてあげようよ。亡くなった人が自分の心に宿るからこそ、“後悔"だったり悲しみが押し寄せてくるんだと思う。」

「はい。」

長渕「自分の想いを紙に書いて、霊前へ届ける。それをして自分の気持ちが少し軽くなった時、それは紗の気持ちが友達へ届いてるって証拠だから。」

「ありがとうございます。」

校長「紗?今剛先生の言葉を聞いて何を思ってる?」

「『まずは伝えないと何も始まらないんだな』って思いました。友達はまだ自分の心に生き続けてるってことを認めてあげなきゃって…そんな風に思いました。」

長渕「そうだね。」

校長「紗…俺さ、『周りの人間が自分をつくってる』って思うんだよ。『周りの言葉とか、気持ちが自分の言葉だったり、感情を作ってるんだなぁ』ってさ。だから今の紗をつくってるのはその友達だと思うし、だからこそ紗の中に生き続けてるんだって思うよ。」

「はい。」

長渕「人は一人じゃ生きてないからさ。俺がもし今、死にゆく者だったとして、周りを呪おうとは思わないよ。逆にずっと一緒にいたいって思う。だから相手の気持ちに立つことが大事だと思うから、最後に“この言葉"を紗に届けたい。」

ここで、紗に紙とペンを用意させて何か書かせる剛先生。
果たしてそこに綴られる文字とは。

長渕「紗?まずは紙に『生の命』と『死の命』って書いてごらん。」

「……書きました。」

長渕「よし。『生の命』っていうのは何となく分かるかな?今生きてるこの命のことなんだけど…」

「はい。わかります。」

長渕「じゃあ『死の命』って何だと思う?」

「魂…とかですか?」

長渕「そう。死の命っていうのは、生の命を完璧に全うした人にだけ宿るものなんです。そしてその宿り先はその人のことが大好きだった人の元。僕の中には、父、母、友人…たくさんの人の『死の命』が宿ってます。そして僕はそれを歌にしてきました。」

「はい。」

長渕「大事な人が遠ざかれば遠さかるほど、自分の心に宿るんだぞ。その時に後悔や無念を感じるのは、貴方が豊かな人間だからです。紗ちゃんには、その後悔や無念をまずは抱きしめてあげてもらいたい。そして、大事な人の死というものを乗り越えていった時に『あぁ、自分の心に宿ってくれたんだなぁ…』って思って欲しいんだ。これが死の命だよ。僕はね、歌にしなければね、貴方と同じように今でもずっとふさぎ込んでいたかもしれない。つまり歌にするということはね、自分の嘆きや苦しみ、悲しみを書くということなんです。だから先ほど、紗ちゃんには『書いて欲しい』ってお願いしたんだ

「はい」

長渕「まずはそこからやってみてごらん。彼女への想いをちゃんと書いて、想いを届けてあげて下さい」

「はい。ありがとうございます。」

長渕「うん。また心模様が少しでも変わったら、教えてくれよ。俺も今必死で話してるからさ。辛いのは君だけじゃないぞ!紗の気持ちが分かるからこそ俺も一生懸命話してるからさ!今度話すときは、もうひとつ声のトーンが上がった紗の声を期待してるからな!」

「…はい!」

静かに、でも最後は力強く返事をしてくれた紗。
きっとこれからいろんなことが変わり始めるはず。『相手に想いを伝える』ってことは意外と難しいけど、一歩踏み出さないと何も始まらないぞ!!!


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校長「今ずっと話を聞いてて、剛先生がずっと紗の事を抱きしめてくれてるように感じました。」

長渕「もう俺にとっては娘だからね。知ったかぶりしては向き合えないですよ。だから自分の実体験からでしか話せないんです。そしてこの話を聞いて亡くなってしまった友達を大事に想い続けて欲しいですよ。」

剛先生…今日もありがとうございました!!!
生徒諸君も怖がらずに想いを伝えていってほしい。
そして想いを剛先生にぶつけたい生徒は[ 長渕掲示板 ][ メール ]で教えてくれ!!
それではまた来週!!!!


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今日の長渕語・録「人の死に対して後悔や無念を感じるのは、あなたが豊かな人間だから。後悔や無念を抱きしめて、その人を心に宿してほしい」

M 絆 -KIZUNA-
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