コロナ禍の中で交通事故の増加が指摘されています。
特に二輪、オートバイの事故が増えているとか。

今週は増える二輪の事故についてお伝えしました。
お話を聞いたのはモーターサイクルジャーナリストで
ライディングアカデミー東京 校長 佐川健太郎さんでした。





日報で出ている警視庁の交通人身事故発生状況によると
今年は11月3日現在で112人が亡くなっています。
そのうち、状況別で乗り物に乗っていた人は自動二輪車が33人と最多。

また、北海道では今年、
9月初旬の段階で88人の交通事故死亡者が出ています。
そのうちバイクに乗っていた方が22人で4分の1。

確かに二輪の事故は増えています。
ライダーのみなさんには気をつけてほしいところです。





佐川さんの考えによると、二輪事故増加の背景にあるのは
コロナ禍のストレスをバイクで解消したいという気持ち。

4月以降の外出自粛の後、交通事故全体は減りました。
その後、二輪の事故がグッと増えたのが6月以降。
自粛疲れ、溜まったフラストレーションを
バイクで発散する人が増えたのではないかと見ています。

バイクは最も三密から遠いところにあるもの。
周囲もツーリング流行りになっているとか。
ただ、あまりに気分が開放的になると、
危険がともなってしまうのかもしれません。





そして、事故が増えている背景には、
オートバイを取り巻く状況もあるのではないかと佐川さんは考えています。

厳格だった二輪免許の取得は1996年に緩和されました。
それまでは、かなりのトレーニングを積んで
確固とした運転スキルと安全マインドを持った人しか
大型二輪ライダーになれませんでした。
それが、あまりスキルがない、安全マインドが足りない人でも
簡単に大型バイクに乗れるようになってしまったのです。

一方で今、バイクはとても高性能化しています。
ひと昔前のレーシングマシン並みと言われるほど。
そうしたマシンにお金さえあれば誰でも乗れてしまう。

最近、話題になっている40代50代の
いわゆる「リターンライダー」と呼ばれる人たちがいますが、
昔取った杵柄で高性能な大型バイクを、いきなり乗りこなすのは難しい。
また、実際のところ、リターンではなくて熟年ビギナーの方も多いそうで
加齢による体力や視力の衰えもあり
事故に繋がることはありえますねと佐川さん。

自分が当てはまると思った方は気をつけて下さい。 
身近にリターンライダーがいる方は何かの折りに注意を促して下さい。





今のバイクもABSが標準装備され、安全性能が高まっています。
事故防止のためには、バイクテクニックを磨くというのもありますが、
それ以前に大事なのは安全マインドを徹底して高めること。
コロナ禍でいろんなストレスに苛まれている方も多いでしょう。

でも、バイクは皆さん好きで乗っていると思うので
趣味のバイクで命を落とすようなことはあってはいけません。
危険予知と防衛運転を徹底して、笑顔で家族や友人の元に帰っていただきたい。
謙虚で誇り高いライダーであって欲しいと思いますと
佐川さんはバイク仲間へ、そう注意を語って下さいました。



ライディングアカデミー 東京 公式サイト
https://www.r-academy.com
近年、問題になっている高齢ドライバーの交通事故。
中央大学 理工学部 名誉教授で都市環境学が専門の鹿島茂さんが、
3年前、あるアンケート調査の結果を発表しました。

「高齢運転者のヒヤリハット経験と交通事故の関係」。
誰もがいずれは高齢運転者になります。
注意喚起の意味を込めて、今週はお伝えしました。





鹿島教授が行なったアンケート調査の対象は、
35都道府県、65歳以上の男女、およそ1万1千人。
ヒヤリハットについては項目が4つありました。


① 最近の運転で気になること

この中に「運転中、ボーッとすることがありますか」などの質問が16。
回答は「たまにある」「よくある」など、頻度を重視して選択肢を設けました。


② 過去3年の交通事故経験の有無


③ 過去1年のヒヤリハット経験の有無


④ 3つ目の項目がYESだった人に対して「どんなケースだったのか?」

11項目を用意して、その頻度も聞きました。






アンケートから得られた客観的な結果。
「最近の運転で気になること」という項目については、
高齢化にともなう身体的衰えの問題が表れていました。

体をひねるのが苦手になる。
見たつもりだけど、そこまで角度が届いていない。
夜やトンネル、雨の時に見にくくなって危険に感じることが多い。

そして、判断力。
交差点では右から来る車、左から来る車、歩行者、自転車、
いろんなことに注意しなければならず、つい確認を忘れてしまうこともあり、
驚くことがあるというものでした。





次に「ヒヤリハットの項目」について。
バックで駐車しようとした時、他の車や障害物にぶつかりそうになった。
出会い頭にぶつかりそうになった。前の車に追突しそうになった。
車道から店舗や駐車場に入ろうとする時に縁石にぶつけた、
他の人や自転車にヒヤッとしたという回答がありました。





アンケートの結果を分析した鹿島先生は
興味深いというか少し怖い仮説を立てました。

高齢者の中でも年齢が上がると
ヒヤリハットの経験数が減っていました。
ヒヤリハットは、主観的な判断。
年齢を重ねるにつれて「ヒヤリハット」の状況を
認識しなくなるかもしれないと考えたのです。

さらに最近3年間の交通事故経験の有無で調査対象者を分けると、
事故経験をしてない人の方がヒヤリハットを経験が少ない。
こちらは、事故を起こしていない人の方が、
危険察知に疎いかもしれないという仮説が立ちます。

鹿島先生によると、警察はよく、
一番怖いのが歳をとるまで無事故だった人が起こす事故だと言うそうです。
大きな事故になってしまう可能性が高いという経験則からきた発言。
おそらく、それは自分の運転に過信に端を発しているのでしょう。





体力や視力、判断力は若い頃と比べたら落ちていくことを
きちんと認識しておくようにしましょう。
そして、もしヒヤリハットを体験したら、どうしてそのことが起こったのか?
きちんと理由を考えて、次からの運転に生かすこと。
自分自身の運転能力を客観的に見られるようにしたいものです。
新型コロナウィルスの感染が拡大して以降、
自転車の利用が増加しているそうです。
それにともなって自転車関連の事故も増えています。

今週は公益財団法人 交通事故総合分析センター
中西盟さんにお話を伺い「自転車事故に注意」をお伝えしました。







ある自転車販売大手は、
この夏の売上高が去年同月比で4割以上アップ。

一方で栃木県では8月の自転車事故件数が119件を記録。
月別に見ると過去5年間で最多でした。
地元新聞は「自転車利用が増え、事故も増えた可能性がある」と報じています。
そんなわけで自転車の事故には気をつけたいタイミング。







中西さんによると自転車事故で今も昔も最も多いのが「出会い頭事故」。
自転車は道路交通法上では「車両」です。

自転車関連事故を車輌 対 車輌を見ると令和元年は約7万5千件。
事故類型別では「出会い頭」が半数以上で4万件となっています。
続いて「左折時」が約1万1千件。「右折時」約1万件。

死亡事故でも「出会い頭事故」が最も多く、
次いで「自転車単独事故の路外逸脱」「追突」です。

「出会い頭事故」が起こる典型的な場所は信号が無い小さな交差点。
こうした交差点には木や建物などがあって交差する道路状況が見にくいもの。
一時停止の標識があることが多いですが、自転車が止まらずに交差点に侵入
車とぶつかるという事故が想像されます。

また、自転車の交通事故データで気になるのが「人 対 自転車」の事故。
自転車関連事故は10年前から半減しているのに
「人 対 自転車」の事故は2016年から増加しています。 







全国の警察が1年間に摘発した自転車の違反行為が、
去年初めて2万件を超えたことが9月に明らかになりました。
およそ2万3千件が摘発されています。


最多は「信号無視」で、ほぼ半数。
次に「遮断踏切立ち入り」で約6千件、「一時不停止」、
イヤホン使用や傘差しなどの「順守事項違反」と続きます。
違反行為は事故に繋がるのでやめましょう。

    





自転車に乗る人が事故に逢わない、起こさない、予防と対策。
まずは自転車も車両として交通ルールに則って安全に走行することが基本。
近年、自転車運転者への罰則が強化されたように、
歩行者の延長という考えは捨ててください。

自転車は車道の左端通行が原則で歩道は例外です。
歩道を通行する場合は自転車の通行が認められているか確認した上で
通行可の場合でも歩行者優先を忘れないようにしましょう。

自転車利用者全体に言えることですが、
ヘルメットの着用率は、まだまだ低いとのこと。
事故の際の被害軽減のためにも着用するよう心がけましょう。

万が一に備えて自転車保険にも加入するべきです。
加入を義務化している都道府県もあります。
自身がお住まいのところはどうか。
いま一度、確認してください。







そして、普及が広がる電動アシスト自転車の事故が増えています。
漕ぐ力をアシストしてくれるので速度を出しやすい。
ふつうの自転車に比べて重量がある。子どもや荷物を楽に積める。

そうしたメリットが故に衝突した時の力は大きく、
歩行者の命を脅かす事故になりかねません。
十分に注意して運転してください。

初めての電動アシスト自転車に乗る時には、安全な取り扱い、
特に漕ぎ出しの加速をきちんと習得してから走行するようにしましょう。
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