サラ:茂木ごめんね、急に呼び出して。
サラは、茂木のことがまだ好きだった。
茂木:全然。暇だからね、全く問題ないよ。
サラ:あのね、茂木。私、さんざん、茂木からお金をもらってしまったから。だから、少しでも返せたらと思って。これ、少ないけど。はい。
茂木:6万円。
この6万円を茂木に渡せば、サラは生活が苦しくなる。
それくらい大きな金額だということを茂木は分かっていない。
茂木:ありがとう。大事に使うよ。あ、6万といえばね。
江戸幕府13代将軍・徳川家定の御台所、篤姫。贅沢をさんざんしてきたことでも有名な彼女だが、
明治維新後は、自分のお金を切り詰め、元大奥関係者の就職のために、お金も使っていたという。
そのため、彼女が亡くなった時に、確認された所持金はたったの3円。その金額を現在のお金に換算すると、なんと!およそ6万円!!
茂木:サラ、このお金で、おいしいものでも食べに行くか!?
サラは、茂木に大切に使ってほしいと思っていた。
サラ:ごめんね、今、私お腹すいてなくて。
嘘だった。
茂木:そう。じゃあ、1人で食べにいこうかなー。
サラ:…茂木。
茂木:ん?
サラ:ううん、なんでもない。
サラは自分の本当の気持ちを茂木に言うことができなかった。
- Prev || 1 || Next -