NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

今、仕事も家庭も自分磨きにアクティブな生き様を実践する女性達。そんな女性達がいつまでも輝く心と勇気を失わず、体も心も健康な毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを送るのが、このノエビア カラーオブライフ。「生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと」をテーマにした、トークや音楽、話題、情報などが満載です。

TOKYO FM

NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

唐橋ユミ

今、仕事も家庭も自分らしく、いきいきと生きる女性たち。いつまでも輝く心を失わず、心も体も充実した毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを伝えます。“生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと”をテーマにした、トークと音楽が満載のプログラムです。

Guest西本智実さん

西本智実さん

大阪府出身、大阪音楽大学作曲学科作曲専攻卒業。
各国を代表する世界約30ヵ国のオーケストラ・名門国立歌劇場・国際音楽祭
より招聘され、日本を代表する芸術家として、ドキュメンタリー番組がCNN、ZDF、
独仏共同テレビArteなどで放送される。
巨匠アーノンクールと共にFondazione pro Musica e Arte Sacra「名誉賞」、
令和6年度文化庁長官特別表彰など、受賞多数。
大阪音楽大学客員教授、ビューティー&ウェルネス専門職大学客員教授、
東洋文庫諮問委員など。
「EXPO 2025 大阪・関西万博」 ローマ教皇庁、イタリア2か国の
パビリオン アンバサダーに就任。

バチカンでの感動体験!冷めることのない音楽への情熱と今後の活動

2025/06/28
世界30カ国以上で演奏活動を行い、国際的に活躍されている指揮者の西本智実さん。
バチカンからも高い評価を受け、毎年「バチカン国際音楽祭」に招聘されている西本さんに、サン・ピエトロ大聖堂での特別な演奏体験から、音楽との向き合い方、そして未来への思いについて語っていただきました 。

◆「音が降ってくる」サン・ピエトロ大聖堂での感動体験
西本さんは、カトリック教会の総本山であるサン・ピエトロ大聖堂のミサで演奏する機会に長年恵まれています 。初めてその場所で指揮をした際、コンサートホールとは全く異なる音の響きに大変驚き、感動したのだとか。

巨大なクーポラ(ドーム状の天井)を持つ大聖堂は、音楽ホールとして設計されているわけではないため、音を出してから天井に反射した音が「降って来る」までに非常に時間がかかるのだとか。直接耳に届く音と、時間差で様々な方向から響いてくる音が混ざり合い、まるで野外で演奏しているかのような、これまでに経験したことのない響きが生まれるそう 。

「最初の年は予測外の音響に難しさを感じましたが、不思議なもので人間は一度経験すると、その感覚を覚えています 。聴覚だけでなく、音の振動を皮膚で感じる感覚も含め、体全体で記憶しているのです 」と西本さんは語ります。

◆指揮者の役割、そしてオフの素顔
指揮者の役割を「繋げること」だと考えている西本さん。自身の視点を提示し、演奏者たちとやり取りを重ねて高みを目指す、その探求は人生と共にあると感じているそう 。

そんな、常に音楽と共にある生活を送る西本さんですが、オフの時間に心惹かれるのは意外な「音」・・・
特定の好きな曲を挙げるのは難しいとしながらも、昔から変わらず好きなのは「コオロギやひぐらしの音色」なのだとか。特にコロナ禍を経て、当たり前だった自然の音の豊かさを再認識したそう。
また、オフに聴く音楽は、ジャズやシューマンの歌曲など、自身が演奏する機会の少ないジャンルの音楽 。レストランで自身の指揮したクラシック曲が流れていると、つい体が反応してしまい落ち着かないんだとか。

◆未来へつなぐメッセージと活動
今後の活動として、西本さんはご自身の経験を次世代に伝えていきたいと考えているそう。

「自身の幼少期の経験も踏まえ、今の子供たちに『世界は広く、新しい可能性はたくさんある』ということを、音楽を通して直接伝えたい」と語ります 。

また、音楽を単なる芸術としてだけでなく、振動や音圧といった科学的な現象として捉えることで、物理や歴史など様々な分野への学びの扉を開くことができると言います。音楽とメロディーがあれば、言葉を覚えるのが容易になるように、人間には音を使って記憶し、吸収する力が備わっているのだとか。

◆これからの活動
2025年の大阪・関西万博では、バチカンとイタリアの2カ国のパビリオンでアンバサダーを務める西本さん 。「芸術は生命を再生する」(イタリア館)、「美は希望をもたらす」(バチカン館)というテーマのもと、音楽を通じて貢献できることを光栄に思っているのだとか。
10年後のご自身の姿については、「今考えている幸せとはまた違った、心の豊かさで満たされていたいですね」と、穏やかな笑顔でお話しくださいました。
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世界での活躍とイルミナート発足

2025/06/21
世界を舞台に活躍する指揮者の西本智実さんのライフストーリーを今日もお届けしました。

◆家族への想いを込めた指揮への姿勢
ロシア留学から指揮者としてのキャリアをスタートさせた西本智実さん。オーケストラとの共演で最も心がけているのは、「演奏者とその家族が誇りに思えるような仕事をすること」だといいます。
「本人も含めて、その後ろにいるご家族が『いい仕事をしている』と思ってくれるような仕事ぶりになりたい。周りにいる人たちがいい仕事をしていると評価してくれるような演奏を常に考えています」

◆文化を超えたコミュニケーション
30か国以上で指揮を振ってきた西本さんにとって、文化的背景の違いを乗り越えることは重要な課題だったそう。しかし、その経験を通じて一つの確信を得たといいます。
「文化的背景が違っても、人間が思うことは変わらない。古典的な作品をどのように捉えているかを私の考えでまっすぐに伝えることが大事です」
特に印象的だったのは、海外での指揮者に対する見方の違い。
「海外では、指揮台に上がると年齢や性別は関係なく、『あなたの考えていることを出しなさい、それが仕事です』という考え方がある」と語ります。

◆身体と音楽の関係性
若い頃、西本さんは自身の体型を気にして厚着をしていた時期もあったのだとか。華奢な体格を見られないよう、半袖は着ない、中にベストを着込む、などされていたそうですが、経験を積む中で真の問題が見えてきたと言います。
「音楽を表現する時に、その音のキレが必要だと思った瞬間に体が動かないと伝達できない。自分の感覚に対して体の連携をするための鍛錬が必要でした」
そこから現在も首や腰を鍛えるトレーニングを欠かさないという西本さん。「あれだけ振っていますから、体を鍛えないと危険です。小さな動きでもできることはありますが、若い時はもう体を全部使って伝えないと、なかなか皆さんが従ってくれない」と話します。

◆一体感を生む瞬間
指揮をしていて一番の喜びを感じるのは、演奏者と観客が一つになる瞬間なのだとか。
「みんなで同じことをしているわけではないけれど、一つの大きな作品を作っている。お客様もいて、その空間の中で同じ世界を一緒に作っているんだと感じる瞬間です」と話します。
音楽で観客と一体となる瞬間を西本さんはこう例えます。
「それぞれ異なる楽器は違うことをしているけれど、一つの大きな呼吸感が生まれる。それはステージ上だけでなく、客席の皆さんと違う次元に入る不思議な体験です」

◆イルミナートの設立
総合芸術団体「イルミナート」の設立は、オーケストラメンバーからの要請がきっかけだったそう。当初は組織作りに悩んでいた西本さんでしたが、スタッフからの一言で決意を固めました。
「『人が集まったところに芸術は生まれる』という言葉に納得しました。地球上に限りなくある音の組み合わせ、人間同士の組み合わせによって新しい発想が生まれる。一人ではできないことができるのは素晴らしいことです」

そんな西本さんが愛してやまない音は・・・、ひぐらしやコウロギ、鈴虫の音なのだとか。
「ひぐらしが聞こえてくると、夏が終わって秋が始まっていくんだなと感じます。視覚的な情報以外に、音を聞いて季節の変わりを感じる。最近はいろんな虫の音を季節関係なく聞いて、気分をゆったりさせるために使っています」

「西本智実 ノスタルジー 三浦祐太朗 山口百恵名曲集2025」
◇2025年7月25日(金)19時開演(18時開場) 
東京文化会館大ホール
◇2025年7月27日(日)14時開演(13時開場) 
こちらは、京都フィルハーモニー室内合奏団特別交響楽団との共演。
愛知県芸術劇場コンサートホール

会場に足を運んで、西本さんの指揮を堪能されてみては?
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舞台裏の知られざる緊張感と世界での忘れられない体験

2025/06/14
今日も指揮者の西本智実さんをお迎えして、学生時代の貴重な経験から、世界へ飛び出したきっかけ、そして今も心に刻まれている海外での忘れられないコンサートについて、音楽と共にあるライフストーリーを伺いました。

◆「怖くてすごい仕事」—ペンライトが導く舞台裏の緊張感
指揮者というと、華やかなステージでオーケストラを率いる姿が思い浮かびますが、その裏側は想像を絶する緊張感に包まれているのだとか。大学時代から毎日のようにオペラの現場に行き、副指揮者としてキャリアの第一歩を踏み出したという西本さん。その経験は今でも忘れられないもののようです。

「(副指揮者として)お客様から見えない舞台袖とかから、合唱が歌ったりするわけです。その時に指揮者が写ってるモニターを見るんですね」

ですが、舞台袖とステージでは音に「時差」が生まれるのだそう。さらに、100人規模の合唱が始まるとモニターの音はほとんど聞こえなくなる状況。頼りになるのは、モニターに映る指揮者の「気」だけなんだとか。
その指揮者の「気」を忠実に予測しながら、ペンライトで舞台裏で指揮をするという副指揮者。
音楽だけでなく、照明が変わるタイミングやオペラカーテンが閉まる速度まで、すべてが指揮者の動きに合わせられていることから、一つタイミングがずれれば、舞台全体が崩れてしまう重圧の中でのお仕事なのだとか。

「本当に私はね、すごい怖い仕事だなと思いましたよ」と、西本さんは当時の壮絶な現場を振り返りました 。

◆27歳までの決意。音楽の源流をたどりロシアへ
「この道を歩いていい人間なのかってのは常に常に考えましたね」
芸術の世界に「答え」はないからこそ、自問自答の日々だったと語る西本さん。「27歳まで」という期限を自らに課し、進路を真剣に考えていたと言います 。

そんな中、26歳の秋に下した大きな決断はロシアのサンクトペテルブルク音楽院への留学でした 。幼少期にバレエや音楽に触れ、心を動かされた「原体験」の地へ。「そこで自分を試してみようと。そういうふうに思いまして」と、自身のルーツをたどるように世界への一歩を踏み出しました 。

◆世界での忘れられない演奏
数々の舞台に立ってきた西本さんですが、中でも忘れられないコンサートがいくつかあると語ります。

その一つ目がバチカンでの演奏
「夢のようですね。翌日に『あれ、昨日あそこで演奏したんだよね』なんて思いながら、夢だったのかなと思うぐらい」と、その幻想的な体験を語りました 。

二つ目は、ブラジルでの異例のアンコール
ブラジルでの公演後、鳴りやまない拍手にお客様が熱狂。すると、コンサートマスターから「もう一度、四楽章をやろうか」と提案が 。体力を消耗するオーケストラにとってありえないことでしたが、楽団員全員が「やろう、やろう」と賛同し、一度完結した交響曲のフィナーレを再び演奏したそう。

三つ目は、サンクトペテルブルクでの演奏。
オペラ劇場に就任したばかりの頃、もらった花束の置き場に困っていると、コンサートマスターが「お花を受け取っておきますね」と、さっと受け取り、演奏がスタートしたのだとか。その時の光景は、鮮明に、ゆっくりと、今でも思い出されるのだとか。

数々の舞台裏での経験と、世界中で心に刻まれた忘れられない演奏。
西本さんの音楽ライフストーリー、来週もたっぷりお届けします。
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幼少期:クラシック音楽に魅せられた日々

2025/06/07
今月は、指揮者の西本智実さんのライフストーリーをお届け。
1周目の今日は、西本さんの普段の生活から、幼少期のお話を伺いました。

◆創作の源は「夢のはざま」。毎朝のイメージトレーニング
西本さんの創作活動は、朝、ベッドの中から始まります 。
「まだ体が起きてませんよね。ある意味リラックス状態なんです。でこう夢のはざまみたいなね…そういったところの中で始まりっていくんです」
現在取り組んでいる作品や、これから手がける作品の構想を頭の中で組み立てるイメージトレーニングが、朝の習慣。眠りから覚めた、まだ現実との間にいるような時間に頭に思い描くのだとか。でも、あまりにリラックスしすぎて二度寝してしまう危険もあるのだとか。

◆お稽古に明け暮れた幼少期
幼い頃は、お稽古に明け暮れる多忙な日々を送っていたと語る西本さん 。教育熱心だったお母様の影響で、3歳といった早い段階から様々な習い事を始めました 。
お母様が声楽出身だったこともあり、ピアノはごく自然に習い事の一つでした 。
その他にも、絵画、書道を習ったりと、学校から帰って習い事に行くのが当たり前の毎日だったそうです 。
しかし、すべてが楽しかったわけではなく、クラシックバレエは「自分がやるには向いてない」と感じながら、中学校頃まで続けていたのだとか。
一方で、音楽に関する習い事は上達するにつれて楽しくなり、日記の代わりに作品を作って自分の心情を表現することもあったそうです 。

◆音大への道
その後、音楽大学へ進学した西本さんが専攻したのは「作曲」でした 。その理由は「音楽の不思議にどんどん気づいて、もっと理解したかった」からなのだとか。
「どうやってこういう素晴らしい曲を作ったんだろう、ということはその作曲を勉強しないとわからないんだろうなと思いました。シンプルに音楽の建築のようなものですね、作曲は」

同じ作品でも指揮者や演奏家によって全く違うものになる面白さや、レコードで聴いていた音楽を生で聴いた時の感動が、音楽の奥深さに気づくきっかけとなりました。

◆まるで暗号解読?音大作曲科の驚きの試験と授業内容
作曲科の試験は、非常に専門的で特殊なものだったそう。
弾かれた和音を聴き、譜面に書き起こす課題や与えられた短い旋律(モチーフ)を元に、ソナタ形式などの指定された形式で一つの曲として完成させる課題、書かれている低音部の上にハーモニーや旋律を作ったり、逆にメロディーだけが書かれた課題の下にハーモニーを付けたりするものなどの課題を、数時間という限られた時間の中で、静まり返った教室で黙々とこなすのだとか。

大学では、様々な楽器の特性や効果的な組み合わせを学ぶ「管弦楽法(オーケストレーション)」や、楽曲がどのように成り立っているのかを分析する「アナリーゼ」といった専門的な授業があったそうで、作曲家は、オーケストラの様々な楽器の特性を熟知していないと、演奏不可能な譜面を書いてしまうこともあるため、非常に重要な学問なのだとか。

そんな西本さん率いるイルミナートフィルハーモニーオーケストラが
三浦祐太朗さんと共に、山口百恵さんの作品を演奏するコンサートが開催予定!

西本智実 ノスタルジー with 三浦祐太朗 〜山口百恵 名曲集 2025〜
日時: 2020年7月25日
会場: 東京文化会館 大ホール

ぜひチェックしてみてください!
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