SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY

#7 次の等式を成立させよ。『お金=愛』

「生徒諸君、教授のマンボウやしろだ。

私の知り合いに、不器用だがとても愛情の深い男がいた。
そいつはなかなか良い相手に恵まれなかったが、ある時、とても素敵な女性と巡り合った。

その女性は、とても優しく、そして彼に愛情を注ぎこんだ。
彼も心を開き、彼女を愛し、2人は愛を育み続けた。

そして1年経ったとき、彼は彼女と結婚することを決めた。

そして、その彼女は、彼の全財産を持って、行方をくらました。

彼は言う。
何かの間違いだ。彼女は本当に優しかったんだ。
彼女がそんなことをするわけがない。何か事情があるんだ。

だから俺は言った。
お前のお金を盗るために優しかったんだから、そりゃそうだろう。」


M ニーチェに聞く / The SALOVERS


「SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITYが始まって、1ヵ月以上経ちます。
“教授のマンボウやしろです”と言いながら“生徒諸君”という言い方をしていますが、Twitterのほうでは“大学なんだから学生諸君というべきじゃないか”みたいな意見がチラチラある。
“生徒諸君”でいく!
すまない。助教授陣も議論したとのことなので、“生徒諸君”でいかせていただきます!」

「さあ、冒頭でもお話しましたが、今回のテーマは『お金』そして『愛』です。先週の講義の中で発表しましたが、『お金=愛』の等式が成立するのか、考えていきたいと思います。

回答例)「お金−欲=愛」「お金÷大切な人=愛」

大切な人で割るってなんだろう…分かんなくなっちゃいそうだけど、お金から何を引いても、何を足しても、かけても割ってもいい。

『 お金 〇〇 = 愛 』

これを成立させる自分なりの答えを導いていきたい。
皆さんから、色々書き込みをもらっています。さあ、いきましょう。」


「お金+何かを守りたいという気持ち=愛」だと思います。
誰かというのは、恋人でも家族でもいいし、顔も知らない困っている人や、まだ生まれてきていない未来の人たちでも、自然でも動物でも歴史でも文化でもなんでもいいです。
お金と気持ちをプラスで結んだのは、例えばお金がゼロだったとしても、誰かを助けたいという気持ち、もうそれだけでも愛だからです。
じゃあ、お金は愛という要素に必要ないのではとも考えましたが、今、お金なしに何かを守るには限度がある世の中ではないでしょうか。
体を張って守るというのにも限度があります。
病気の人に最新の医療を、残された子どもに生きていく家を、最愛の人に安心できる生活を。
何かを守るためにはいつもお金が必要です。
 

あのこ
東京都 女性 29歳


「お金、それから夢みたいなものや、才能みたいなものは、僕も若い頃、生きていくうえの武器、剣なんじゃないかと思っていましたが、年を重ねてくると、ちょうど あのこさんは29歳ですけど、本当にすごくディフェンシブな役割も強いなと思います。
お金は誰かを守るためだったり、自分の命、生活を守る、残された人、愛する人の何かを守る、自然を守る…。そういう意味では気持ちも必要ですが、これは悲しいかな、日本は資本主義なので、お金がなければ何かが出来ないというのはルールなんですよね。
もちろん、お金がなくたって出来ることはあるし、気持ちだけで人を動かせる人もいるんです。同時にお金を動かす人もいるんだけど、そういうことじゃなくて、本当にお金。自分が何かしたいということじゃないですね。「お金+何かを守りたい気持ち=愛」なんじゃないかと。」

「答えがない問いをみんなで考えていこうというのが、SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITYでございますので、もちろん、答えがない以上、正解不正解がないので、僕はこれをひとつと大きな答えじゃないかと、思っております。」


「(お金+気持ち+努力)−欲=愛」

身近に愛と言われて浮かぶものがなかったので、私の身近なサカナクションを例えに浮かべて書いてみました。
お金が最終的に愛に繋がるとき、自分は好きな人にどうやってお金を使うだろうと考えた結果、気持ちはまず相手に対する思いやり、例えライブだったら直接プレゼントする機会がないから、せめてグッズを買って売上金が少しでも伸びたらいいなって感じでやっぱり一般人という括りの中にいると、当然アーティストさんに会ってお話する機会がないので、直接貢献するとなると手紙は別としてこういうところしかないのかなと思います。
努力というのは、女性の方だと分かると思うのですが、好きな人に会う時ってきっと頑張っておしゃれしたり、少しでもよく見られたいから、内面に加えて、外見も力入れると思うんです。
お金があって、そこに思いやりと努力があって、好きな人に少しでも喜んでもらえるなら、また例えになっちゃいますけど私の実体験で言うなら、まだ学生でそんなにお金もあるわけじゃないので、ライブがある月はご飯や欲しいものを節約して欲を抑えて、当日一気に使う。みたいな感じです。
 

みゆ
岡山県 女性 20歳


「グッズを買って愛情表現をしようと(笑)。これ、大事なことだけど… 一郎くん!浸透してますよ!Twitterで毎日のように石野卓球さんも言ってますよ。「金を使え」と(笑)。「俺は金をくれなんて言ってない。俺のつくるものに対して金を使え。お客さんは大事にしてるんだ。関係ないヤツはしゃしゃり出てくるな」と。あれは一理あると思います。でも、そうだよね。ファン心理ってすごいよ。ライブって安くないじゃん。」

「僕、実家がお寿司屋さんで、バイトで若い女の子がずっと入ってたんだけど、定期的に来なくなるの。で、小学生くらいだった僕が「○○ちゃん、なんで急にいっぱい休むの?」って聞いたの。そしたら、チェッカーズのファンで、チェッカーズのツアーを全国行くためだけに働いてるんだって。だからほかの遊びもしないし贅沢もしないし、とにかく毎日働いて貯めたお金で移動費とかチケット代の為に充ててるって。
子どもの時は理解出来なかったんだけど、自分がお客さんを相手にする商売を始めて、そういうありがたいファンの人もいるだろうし、だからこそ良いものをつくんなきゃと思うし、それがある意味では、僕も仲間でもあるけどライバルだなとも思ってるんだけど、カリカというコンビでライブやってる時から、お金を使って、時間を使ってくれた人たちを楽しませる。納得させる。
僕は驚かせるということをメインにお笑い活動をしていたので、少しでも驚かせなかったら僕の負けと思って単独ライブを毎年やっていたから。
僕が良いものをつくって、時間をかけてアイディア絞って他の人がつくれないようなドッキリを、驚きを舞台で表現出来たら、その時はどうかお金もください。拍手もくださいという気持ちでやっていたから、すごく、みゆさんの言ってる気持ちが分かる。」

みゆさんが言っている(お金+気持ち)。この気持ちっていうのは、応援したい誰か。これはサカナクションというふうに例えてるけども、人によっては好きな人だったり、家族だったりでいいと思います。

(お金+気持ち+努力)−欲=愛

うん、その気持ちがある意味では、努力というものと近い表現なのかもしれないです。
そこでカッコを閉じて、欲を引くとイコール愛なんじゃないかと…これ難しいよな。
欲を引いてるけど、“応援したい”っていうのは、欲じゃないのかな…。それ以外の欲、サカナクション愛以外の欲……良い服を着たいとか、良いテレビを買いたいとか、そういう欲を抜いて、そこに残るのはサカナクション愛。か。…納得!チケット代が愛!なるほど!

僕はごめんなさいだけど、あまりその感じはないかもな…。ファンの人も、みゆさんも愛だと言ってくれてるかもしれないけど、僕はもうちょっとシビアに考えてるかな。勝負だよね。チケット代は、愛というよりは期待というイメージのほうが近いかもしれない。
今回はこれだけ値段を上げたけど、お客さんが来てくれるっていうのは期待してくれてるんだなっていう…で、僕はそれが愛だとは思わない。

ラジオを聴いてて、喋り手とリスナーの間に愛が通って、愛情を持って喋ったり、愛情を持ってきてくれたりとか、聴いたことによって愛が溢れて、近くの人に優しくしてみようと思えたりとかっていう愛の動きはあると思うけど。
僕は自分がつくるものと、お客さんの間にあまり愛は存在していない。愛というものを考えた作品はつくるけど、愛してほしいって全然思ってない。嫌われるのは嫌だし、文句を言われるのは嫌だけど、だけど愛さなくてもいいって思ってる。仕事の時は。ラジオはちょっと微妙。全然違う気持ちと脳みそでやってる部分があります。」


お金と愛ですか。
自分はお金は大嫌いです。大人は全部お金に蝕まれて、場所、人関係なくイライラしながらお金のことを言い出すし、
それを見てきている子どもにも移るから、子どもが子どもらしく生きられなくなるから、
お金はある程度生活ができる程度でいいと思う。
お金と愛を組み合わせるのなら、愛を優先させてお金をどう使うかと、周りへの気遣いじゃないですか?
 

光と闇
北海道 17歳


「僕もお金が大っ嫌いな時がありました。分かります。お金で色んなことが変わってしまって、嫌な思いしたり、いっぱいありました。
これね、そのままいってほしいなと思う。
でも、「愛を優先させてお金をどう使うかと、周りへの気遣いじゃないですか?」と書いてあります。
「お金はある程度生活ができる程度でいい」、これは自分自身一人で生きていく為だったら、ある程度でもいいかもしれないですけど、大事な人が出来てくると、大事な人を守らなきゃいけないお金も発生してくる。

人間、すごく不思議なもので…例えば、光と闇がA君のことを嫌いだったら、時間と共にA君は離れていきます。同じシステムで、お金のことを嫌いって思うと、お金も離れていっちゃう。
僕はそれを人生を通して経験した。これはよくないなと思った。
10年くらい絶対にお金に振り回されない。大っ嫌いだと思って生きてたから。そうするとお金は離れていく。
すごいもので、ちゃんとお金が好きな人には、お金が集まっていく姿も見た。お金に対する愛情を注ぎこんでいる人。

これはバランスの良いところを自分で見つけないと、お金に殺されるってある年代の時思ったよ。お金をある程度好きにならなきゃいけない理由として、やっぱり資本主義である以上、お金を儲けて、大事な人を守る為にお金を愛さなきゃいけない。愛さないと、ある程度は入ってこないから。だからこの先、お金のことは優先順位低くてもいいけど、大事なものだとは思っていてほしい。
周りの大人は優先順位とか見えなくなっちゃってね…。ただ、それはお金のせいではないから。関わっている人間のせいだから。そこは理解してほしい。
優先順位低くても、好きなものあるでしょ?欅が好き…乃木坂が好き…日向坂が好き…吉本坂も好きだでいいんだけど…あのね、そもそも何かを嫌いってこと自体が、僕はこの年になって分かるけども…。お金なんかいらねーんだよバカヤロー!愛だよ金なんかいらねー!愛だろ!って言ってる人にしか見えない景色あるからね。そういう人にしかつくれない言葉もあるかもしれないし、そういう人しか誰かに寄り添えないこともあるかもしれないから…ちょっと言葉がすぎたな。そのままいってくれ。」


M ちえのわ feat.峯田和伸 / 東京スカパラダイスオーケストラ


「今日のテーマが『 お金 = 愛 』。
この等式が成立するのかを講義しているけども、まあそもそも比べるものじゃないんですね。
だって愛が先に絶対的に存在してるんだもん。
その大分後にお金っていう概念が出来てるわけで。お金=愛なわけない。

これはすごく難しいですよ。例えば、原発があって事故があって、安心安全という問題があって。
だけど、経済的にお金のことを考えると、やっぱり原発動かしたほうがいい。と。
でも、あるところの裁判官が、そもそも経済的なお金の話と、安全と安心というものは横並びで話をするものじゃないと。
全く別の次元なんだという話をしていて、そりゃそうだなと。僕らたまに近くに置いちゃうの。近くに置いちゃうからおかしくなっちゃうわけで。
だから、これもお金と愛を近くに無理やり置こうとしてるの。だからこそ、このお金には何の言葉を足そうか、ということでございますよ。これは、人それぞれだと思う。お金に何をどう引いたり足したりしたら、愛になるの?と。」


「『お金と愛』。横並びでは決してないです。
お金に何を足して引いたりしたら愛になるのか、という話をやっているけど、もちろん愛が一番大きいって、僕は信じてる。
資本主義だって言ったって、たかだか数百円ですよ。こんな今みたいになってるのは。愛ですよ。

ここでも前に言ったけど、もし、玉の輿結婚した女の人がいたとして。その人は、愛よりお金をとったんだ。なんて話を聞いたことあるんだけど、そうじゃないんだと。その女の人は、手に入れたお金で自分の安定した生活や、自分の一族にお金を送りたかった。

要は、そのお金の向かう道はどこなんだってこと。その向かう先にあるのが、愛。
だから、僕がもし数式を出すのであれば、これが答えというわけではないですが…

お金 × 行先X = 愛X

みたいなことなんです。

そのお金は何のため?
いいんですよ。自分の為に全額使ったって。それは自分が好きだってことだもの。

貯めたお金を、好きなアーティストの為に全部使う。
それは結局、お金の行先が愛しているものなんじゃないかと、僕は思ったりもするんです。」

「そんな中で僕自身もずっとお金が全然無かったりして、でもある時、好きな人が出来て結婚したいなとも思ったけどね、この先みんなも結婚とか考える人に会うかもしれないけど、お金が無いっていうのはね、結婚しづらいよ。
だって、どんなに口で相手を幸せにするって言ったって、お互いの人生をお互いがそれぞれ支えたり守ったりしていこうって時に、結ばれてすぐにどっちかが病気になっちゃったりとかあるかもしれないわけですよ。その時に、最低限のお金っていうのはやっぱり必要。
だから、愛する人がもしいるならば、貯蓄をするというのは現代社会においては分かりやすい愛情表現であり、愛の形。
好きな人にお金を貢ぐとか、そういう話ではなくて、好きな人と一緒に過ごす為に貯蓄をするというのは、大事なことだと僕は思っております。」

「愛の話しでいくと、最近、男の人が草食系になっていると…。これ、いろんな理由がある。全然違う角度からいくと、精子が減ってるとかね。それは食べ物とか環境とかもあるかもしれない。もっと広く言えば、人類が子孫を残すリスクから離れようとしているかもしれない。
1人で楽しめるコンテンツがいくらでも無限のように生まれてきている。ぶつかって失敗することを良しとしない世の中の風潮が、恋愛からもいろいろな人を遠ざけているかもしれない。複合的に理由がからんで、愛情というもの、恋愛というものが、少し僕たちから距離を開け始めているかもしれない。」

「そんな中、20代の女の子が、同世代の男の人よりも上の世代…なんだったら40代以上の人のほうが“女の人の扱いが馴れてる”とか“お金を持ってる”とか、これ不況も影響してるかもしれないけど、そういうことでお金がある男の人を選ぶときがある。
だけど、これを聴いてくれてる女の子に言いたい。お金を持っている人と結婚。これは悪くないよ!それは愛の形だから。愛がどっち向いてるかだから。自分を向いてるのか、自分の家族向いてるのか、だから。
悪くないけど、だけど!このSCHOOL OF LOCK! UNIVERSITYで教授として言いたいのは、少しさっき言ったことと矛盾するかもしれないけど、一緒にお金を貯めていこう、一緒にお金を稼げるようなバランスを2人でつくろうっていうのも、結婚・愛情の形だから。それをつくっていくことが、おそらく人生で辛くて楽しい。」

「お金というゴールを持っているおじさんと一緒になったら安心だけど、多分、その先はそんなに楽しくない。
一緒に愛を持ってお金を生んでいこうという作業をすることが、すごく大事だと思う。

…数年後、20代の女性との結婚が発表になったら、その時は謝る。」


ここで来週の講義テーマを発表します。

『愛とお金 関ヶ原戦』

「お金って本当にナマナマしいじゃないですか。
僕の周りの女性でもいますよ、「やしろ幾つになってそんな理想論言ってるの」って。
それこそ、20代の女の子に言われたこともありますよ。
「お金の大切さ、偉大さを逆に分かってないんじゃないですか」と説教されたこともあります。

俺をもう…金がどんだけ大事かで、切り刻んでくれよ!関ヶ原で、俺の夢を絶やしてくれ!
俺はお金が大事だという意見でみんなに切り刻まれるんだったら、ここで骨を埋めてもいいよ。
それくらいの覚悟で、来週は挑みたいと思う。

来週は戦だな。お金がどれだけ大事か、「お前が言ってること甘いよ」という意見…特に女性を中心にください。男性の皆さんはいつか桶狭間で会いましょう。

それではまた来週!
それぞれの答えを持ち寄ってみよう。」

M ビューティ/ズーカラデル



次回は、“愛とお金”をテーマにした天下分け目の最終討論!

「女性の生徒たち。お金を持っている人と結婚するのも悪くない。
 だけど、お金のない人と愛を持って暮らし、お金を稼げるようになっていく。これも楽しいんじゃないか?」

この話(↑)に限らず。
今回のやしろ教授の講義、君はどう思った?

「いやいや、教授、それは違います!」
「ぜんぜんピントズレてますよ、お金っていうのは…」

次回は討論会。主に、やしろ教授に対する“反対意見”を募集します。
今回の講義、そして“愛とお金”に関することならどんな視点でも大丈夫です。


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