アジアのバンド


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先日、アジア13カ国のiTunesで展開されている、"Music From Japan" がスタートしました。これはサカナクション先生の音楽が、ブルネイ、カンボジア、香港、インドネシア、ラオス、マカオ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、台湾、タイ、ベトナムで、iTunesを通じて買える、聴けるという特集です。

山口「K-POPというジャンルは日本でもよく聞きますよね。一方で、日本にはあまりアジアのロックバンドの音楽はなかなか届いて来ないですね。今夜はアジアのバンドの音楽を紹介しつつ、生徒のみんなと、アジアの音楽に触れていきたいと思います。」


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早速いきます。まず1組目は、日本でもメジャーデビューしている台湾のバンド、透明雑誌です。まずはプロフィール紹介───



2007年デビュー。Pixies、WEEZER、NUMBER GIRLといったバンドからの影響を公言しており、「台湾のNUMBER GIRL」とも呼ばれている。2011年に初来日。2012年に、EMIミュージック・ジャパンから日本メジャーデビュー。大阪、名古屋、東京を回る日本ツアーを行った。




「透明雑誌。知っている人もいるかもしれないね。僕もね、この間、台湾にライブしに行ってきたんですけど、日本のバンドが好きな人がたくさんいるんですよ。日本語をしゃべれる人もいっぱいいて、親日家が多いですね。EMIって、NUMBER GIRLとかもEMIですよね。The SALOVERSとも対バンしていたし、生放送教室でも流れていたりしたので、生徒の中には透明雑誌の曲を聴いた事がある人がいるかもしれません。」


それでは、曲を聴いてみましょう!

M 透明雑誌FOREVER / 透明雑誌


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「なるほど〜。WEEZERとか、NUMBER GIRLからの影響を公言している通り、コード進行からそれを感じますね。あと、日本のロックよりも、構成が洋楽に近い気がします。だから日本のバンドっぽいコード感やメロディの乗せ方をしているけど、洋楽っぽい曲構成って感じですね。すごくかっこいい。聴いている生徒はどう思っているのかな?これが日本のバンドとしていたら、みんなひっかかるような気がしますけどね。僕が台湾に行った時、みんなに「透明雑誌って知ってる?」って聞かれましたよ。」


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続いて紹介するのは、インドネシアのバンド、Pee Wee Gaskinsです。



2007年デビュー。インドネシアの国民的シンセ・パワーポップバンド。地元インドネシアでは若者を中心に人気で、Facebookのフォロワーが200万人を超えている。日本のバンドに影響を受けており、ボーカルのDochiはインタビューで、Hi-STANDARD、dustbox、Hawaiian 6、PIZZICATO FIVE、L'Arc-en-Cielが好きだと答えており、日本の音楽に精通している。最近だと、きゃりーぱみゅぱみゅの「CANDY CANDY」をバンドカバーしている。




「お〜、インドネシアのバンドって、みんなどんなバンドか想像できますか?国民的バンドっていうことは、日本で言うと……Mr.Childrenクラスかな〜?Facebookのフォロワー200万人超えってすごいね!そして日本で好きな音楽の幅が広い!きゃりーぱみゅぱみゅのカバーって、いいな〜。俺もやりたい!……それでは、聴いてみましょう。」

M You And I Going South / Pee Wee Gaskins

「なるほど。シンセサイザーの役割が、日本のシンセの役割とは違いますね。基本的に、メロコア(メロディック・ハードコア)のコード感や構成の中に、ギターの代わりにシンセがいる感じなのかな。いや、ギター+シンセって感じですね、役割が。なんか、すごくアメリカからの影響を感じますね。メロコアのシーンの中でのインドネシア版って感じがしました。さっきの透明雑誌は、イングランドや、マンチェスターなどのインディーズ感っていうのを感じたけど、こっちはアメリカンな感じ。ギターの音とかもそうだし、構成もそんな風に感じます。」


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さあそして、今回最後に紹介するのは、タイのガールズバンド、Yellow Fangです!



2008年デビュー。大学在籍中に自主制作のEPをリリース、瞬く間に話題になる。ローファイで浮遊感のあるサウンドと、タイ語のボーカルが特徴。SUMMER SONIC 2012に出演。





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「おぉ〜、これは楽しみですね〜。女の子3人組だよね。どんな音楽なんだろう?それでは、聴いてみましょう。」

M  Unreal / Yellow Fang

「イェーイ! すごい、めちゃめちゃかっこいい! 今っぽいね〜。チルっていうジャンルがあるんだけど、このチル・ウェーブな感じ。ニュー・ウェーブ感みたいなところもあるし、いそうでいないバンドですね。もちろん、ヨーロッパにはこういう系統のバンドはいっぱいいると思うけど。なんだか、このタイ語の聞こえ方が、フランス語に近い感じがする。グルーヴもちゃんとあるし。台湾の透明雑誌とか、インドネシアのPee Wee Gaskinsとかは、音楽としては、浴びせる方だけど、Yellow Fangは、女の子だからなのか、曲にグルーヴがあって、ひとつの波に乗せて聴かせるっていう曲になっているから、めちゃめちゃかっこいいね。」

といったところで、お時間です。
今回は3組のアジアのバンドを紹介しました。


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「ひとつ思うのは、今回紹介した台湾もインドネシアもタイも、母国語があるわけじゃないですか。ヨーロッパやアメリカの音楽が自分たちの国に入ってきて、自分の母国語に消化した曲を作っているって感じがしますね。それはアジアのどこの国も同じなんだよね。日本も日本語っていう母国語があって。アジアって言葉が違うから、なかなか世界に受け入れられにくいんだけど、言葉の違いから得られる音楽の感性のミックスや違和感が生まれやすいのかなって思っています。きゃりーぱみゅぱみゅちゃんがヨーロッパで受けているのは、そういった部分での良い違和感だったり、海外が思う日本らしさ "キモカワイイ" とか、そういった部分で評価されているのかなって思うんです。今回聴いたこの3バンドにはその感覚があるように思いましたね。特にタイのYellow Fang。ものすごく洋楽に近いサウンドだね。日本って歌もの文化だから、みんな、歌が作られていく構成が、Aメロ→Bメロ→サビっていう風に縛られているものを聴いていると安心するんですよ。でも僕らは普段、洋楽を聴いているから、構成を意識せずに曲を作っていると、なんかパンチが無い曲になってしまうんですね。でもそれは日本国内だから。その上で、敢えて構成の縛りの中で音楽を作ったりしているけど、この3バンドにはそういった部分が無いですね。特に、Yellow Fangは、もう最高!ヨーロッパに出て行っても良いと思うね。……これは、日本も頑張らなきゃいけないと思いましたね。」


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「みんなは知らないと思うけど、日本っていうのは、世界の中で最もCDが売れている国なんです。世界各国から、日本のマーケットが重要視されているんですよ。つまり、CDを未だに買う文化があるっていうことは、音楽に興味を持っている人が多いっていう目線があるんだけど、いろんな形で音楽を手に入れられる時代になったからこそ、日本の人たちはもっといろんな音楽を聴くべきだと思いますね。今目の前にある音楽だけじゃなく、世界各国の音楽や、日本のアンダーグラウンドな音楽、アジアの複雑な音楽や、アナーキーな音楽をどんどん聴いていくと良いと思う。そうすると、日本で生まれる音楽が変わるはずなんですね。それが大事なんじゃないかと思いました。今日は先生も勉強になりました。楽しかったです。」

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