生徒からの質問に答えます『一問一郎!』

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2020年9月11日(金)PM 22:00 まで





山口「もう4年くらい前から諏訪さん(カヲル先生)にも関わってやってもらっていた、スペースシャワーTVでやっていた『NFパンチ』。あの番組を始めた理由っていうのは、ミュージシャンである自分が普段やっていることとか感じていることとか、音楽メディアが裏側みたいなものを伝えている番組とかチャンネルがないなと思ったんですね。そういうことをやっていこうっていうのでスペシャで『NFパンチ』っていうのを始めたじゃないですか、一緒に。で、たくさんの人に観てもらえるところに持っていきたいって、(NF)パンチのチームでずっと言っていたんですよ。それがようやくNHKのEテレで、名前は『シュガー&シュガー』に変わったんですけど、同じチームでそっくりそのまんま、内容もほぼ変わらず移籍できた。そして、レギュラー化されるってことが決まったっていうのは……なんか僕ね、結構達成感あって。今までの自分のミュージシャン人生の中でも、結構到達感があるというか。紅白出た時くらいの達成感があったんですよ。」

職員(カヲル先生)「マジで?まあね、ずっとやりたいって言ってたからね。」

山口「ただ、番組をやりたいっていう動機が、物珍しいから出てみたいとか、そういうことじゃなくて……例えばタモリ倶楽部に出てみたいとか、いいともに出てみたいとかじゃなく、ちゃんとした音楽番組を作ってみたい、自分が理想とする音楽メディアを作ってみたいんだっていう気持ちから入って実現できているから、ここまできたか……みたいな気持ちが。やっとできたかって。まあ、ここからスタートなんですけど。」

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職員「9月末からね。レギュラー化。」

山口「9月29日スタートで。新しいことをチャレンジするっていうところで、シュガシュガはいいですし、僕、コロナ禍で僕は目標を立てていたんですよ。今まで1曲を作るのに、全部のことを試した上でやっぱりこれだねってチョイスしていくっていう手法だったりとか、歌詞を書くにも、接続詞ひと文字をどうするかで悩んだりするっていうやり方だったんですけど、コロナになって、自分が音楽を作る作り方だったり、メンバーや人への頼り方……そういったものもちょっと変わってきていて。『シンシロ』ってアルバムを作った時って、1年もかからなかったんですよ。原曲がばーってあって、その原曲っていうのはメンバーのためとかじゃなくて、自分が作りたいと思ったものを作ってあって、メンバーに個々に振っていたんですよ、完全に。振る時に、こういうテーマ、こういうコンセプト、こういう感じって言って、そこから自分に返ってきたものに対してメンバーでアレンジしていくっていう手法だったんですよね。ある種、ディレクターみたいな立場だったんですよ。原曲は自分が作っているけど。それがいつの間にかみんなでごちゃごちゃやるようになったので、もう1回そういう手法でやり始めたら、やり方は元に戻るんだけど、新しい自分たちのライフスタイルも見えてきそうだし、テレワークで作業をしていたのってそれにすごく近かったんですよ。」

職員「あー、そういうことか。」

山口「もっとその……完成させるっていうこと、こうしたいって思ったことを諦めない。例えば、ファンクと歌謡曲にしたいってアレンジが進んでいっても、最終的にAORになっちゃったとか、そうなったことが面白かったし、そうなることに違和感がなかったんですけど、ファンクでいこうってなったら、ファンクで1回作ってみようっていう。それを壊さない。ベースを壊さないで完成させようっていう。歌詞も1回テーマをきっちり決めたら、そのテーマからはみ出ないようにしようって。はみ出ていって、またその先に次の派生があって、レイヤーをいくつも作っていくから1曲に対して何十パターンも歌詞を書いていくことになるけど、最初に書いた歌詞を見直したりすると、意外とよかったりするんですね。だから完成させるっていうことをコンセプトにして制作するっていうのをやってみようと思って。そうすることによって、例えばシュガシュガのレギュラー化とかでスケジュールがあっても、並行して制作できるかもしれないし、今までぶどう狩りとか梨狩りとか、あらゆる果物をサカナLOCKS!中に狩りに行っていましたけど、ここにもちゃんと自分がアプローチできて、作曲もアプローチできるっていう……すべてをちゃんとやるっていうことをテーマに進んでいこうかなと思っています。そういう意味では、週1のシュガシュガレギュラー化っていうのは、自分の中でも、新しいクリエイティブをする上でもチャレンジになるなって気がしていて。これが出来たら、アルバムが1年に1枚くらいのペースで作れるんじゃないかなって。……嘘かもしれないけど。」

職員「え?(笑)」

山口「はい、授業を始めますから席に着いてください。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている人は、サカナLOCKS!の[ インスタアカウント]をフォローしなさい。授業が始まりますよ。それでは、今夜の授業内容を黒板に書きたいと思います。……黒板を書くのも久々な感じ?なんか最近……やけにサカナLOCKS!で語ったことがYahoo!とかに取り上げられがち(笑)。いつものノリでいろいろ話しをして……僕ら的には内容変わってないじゃないですか。このコーナーはYahoo!トピックスになりがち(笑)。」

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ということで、今回は一郎先生が生徒の質問に答えていく『一問一郎』の授業です。音楽のこと、音楽以外のこと、どんな質問でもOK!タブー、一切なしで答えていきます。

「僕は普通のミュージシャンでいたいんですよ。でも、あんまり上から言うのはよくないと思うんですが、音楽業界を良くしたいとか、そういう気持ちがあって僕は発信しているんです。僕の中ではこのサカナLOCKS!っていうものは、ファンクラブコンテンツみたいな気持ちでしゃべっているから、全国で流れているっていうことを忘れちゃっている時が多いんでね(笑)。」

「目の前にカードが5枚並んでいます。裏返しになっているのを、ひっくり返さないとどんな質問なのか分からない状態なのでね。今回もタブーなしでどんどん答えていきたいと思いますよ。……いきます、じゃあこっちから。……ドン!」

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"米津玄師のアルバム聴きましたか?どうでしたか? (愛知県 16歳 ライティングの達人) "

「ふふふ(笑)。売れてますよねー!めちゃめちゃ売れてますよね。僕ね、聴きました!全部つるっと。……なんていうのかね……米津くんはすごく器用貧乏だと思う。すっごく器用だし……多分、自分が掴んだツボが世の中にすごくマッチした才能のある方だなと思うんですけど。すごくいいし、綺麗だし、整っているし、影もあるし……時代の、今の世代の子たちが思っていることを無意識に言い当てられているところもあると思うし、メロディーもいいんですよ。例えば……灰汁がないっていうか。僕ら的にはそういうものから出てきたある種の不純物みたいなものに対して個性を感じたりするんですけど、曲を聴いて、聴いて……入っていって、こういうことなんだっていう個性に気づいていくっていうか。味わうことで個性を感じなきゃいけないっていうか。なんていうのかな……僕ら世代のミュージシャンからすると、パッと受け取った、瞬発的に受け取った時のオリジナリティっていうものが、……僕らって、ちゃんと聴くまでに、初期衝動……表面的に惹かれるものがないとちゃんと聴こうってならないんですよ。だから、米津くんだから聴こうっていうのと、これいい!聴く!っていうのは違うじゃないですか。整った曲だなって感じがしちゃうんですよね。それは、いい意味で才能がありすぎちゃってそうなっちゃっているのかなって気がする。この感じって誰なのかなって思ったけど……まあ、いないよね。僕らはすごく灰汁が欲しいんですよ。煮込まれて煮込まれて出てきちゃった予想外の物がほしいから……難しいね。表現しようがないから、今の音楽っぽいのかなって感じがする。……大丈夫かな。」

「次。」

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"30代でやり残したことはありますか? (埼玉県 19歳 たくさんの泡) "

「30代でやり残したことは、ないですね。何もない気がします。ただ、1個捨てたことはあるんですよ。何を捨てたかというと……自分たちの中ではなくて、世の中の人に対して、自分たちが作ったものを広めようとする……なんていうかな……どメジャーになることを諦めたっていうことはあります。それを諦めたこと、やらなかったことで、やらなきゃいけないことっていうのは全部できたかなって感じがしますね。だからやり残したことはない気はしますが……うん、ないね。ないけど、もう1年くらい欲しいなって気がしますね(笑)。もう1年くらい余裕があると、そこで積み重ねられたこともあるかなって。39歳と40歳って、僕の中ではあんまり変わらないけど、外からの見られ方って変わると思うんですよね。だから、そこはちょっと……。ただ、1年って短いようですけど、何でもできる夢のある時間なんだなって思いますよ。1年あったら人間化けれるっていうか。そういう意味では、30代の1年も40代の1年も違わない気がしますけどね。」

「次。」

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"最近一郎先生が怒っていることは何ですか? (鳥取県 20歳 サケナクソン)"

「僕が怒っていること……これは、何度も言っていると思うんですけど、音楽ジャーナリズムがないこと。それに怒っているというか、がっかりしてる。例えば、コロナ禍でライブができなくなったとか、音楽業界に何千億円の損害が出ているとか、コロナ禍で最も早く音楽業界がライブやコンサートをやらないって決定したんですよ。それによって(感染拡大の可能性を考慮して)何億人もの人の動きを止めたんですね。それに対して政府は感謝の気持ちさえ伝えてくれなかった。それに対して怒っていたのって、音楽ジャーナリストじゃなくて、音楽ライターでもなくて、音楽専門誌でもなくて、音声連の理事だったりとか……中枢にいる人たちがそれに対して怒っていたんですよ。それって、ジャーナリストがやるべきだし、音楽メディアがやるべきことだと思うんですよね。要するに、政府と直接やりとりをしている人が声を上げることって、業界的には不利になるわけじゃないですか。直接やりとりしているわけだから。それを、周りがちゃんと発信してあげないといけないのになって思う。コロナ禍でオンラインライブっていうものが出てきて、それってどういう性質のものになるのかとかをちゃんと解説してくれたりする人がまずいないんですよ。これは本当に単純なことだと思うんですけど……結局、ミュージシャンが声を上げなきゃいけなくなったりとか、音楽の中心、音楽側の人が話さなきゃいけなくなってきちゃう。それを外から語れる人がいないっていうのは、僕はすごくもったいないし寂しいなって気がします。音楽っていう文化に対してのジャーナリストが欲しいなって思う。徒党を組んでっていうわけじゃないけど、自分が音楽ジャーナリストとしてこれを言っておかなきゃいけないっていうのをちゃんと発言してくれる人が出てきてほしいなって思いますね。」

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「オンラインライブっていうところでも日本と海外の違いっていうところで、日本は原盤権の許諾をとらなきゃいけないとか、日本ってすごく遅れているんですよ。そういったこととかを意見として発信してくれたりすると、僕らがそれに対して応援できたり、リツイートできたりするけど、ミュージシャンである僕らが結局言わなきゃいけない状況になっていたり、なんで僕の方が詳しいの?ってことがいっぱいあるんですよね。明らかに勉強不足っていうか、現場不足っていうか。だから僕は、それはどうにかしなきゃいけないんじゃないのって気はしていますけどね。ちゃんと音楽ジャーナリズムはこういう見解だっていうのを言って、そうだそうだって言ってくれるくらい優秀なジャーナリストが何人も言ってくれないと、僕ら的には自分の身は自分で守らなきゃいけない。もっとュージシャンは政治的なことを言うべきだとか、言っちゃいけないとか、いろいろ言うけど、言えるような状況をちゃんと音楽業界側から作ってほしいと思いますよね。……こっちはもうさ、全国放送で言ってるわけだから!(笑)。音楽ジャーナリズムがもっとちゃんとしていないと、いいミュージシャンは出てこないよってこと。80年代とかがよかったのは、ちゃんと音楽に対して、アルバムとかCDに対しても、ちゃんと批評していた人が多かったんですよ。『ミュージック・マガジン』とかね。これは××アルバムだ!って言っていたりしたんですよ。今は絶対にないじゃん。業界の政治的なこともあったりして。今は雑誌を売ることより、オンライン上で情報を手に入れる人が多いわけだから、そこでちゃんと発言できるっていう場になって、フリーのライターさんとかフリーのジャーナリストがちゃんと発言できる状況になってきているわけだから、しっかりしてほしいなって思います。それは怒ってる。」

そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。

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「さて、来週はね、僕が40歳になるということで……親に電話したいと思います!(笑) 40歳になるおじさんが、親とどんな会話をするのかっていうのを、10代や20代のみんなに聞いてもらいたい。逆に今40代の方も、親とこんな会話しているんだっていうのを聞いてもらいたいなって。……誰にどんな徳があるのかっていうのも分からないんだけど(笑)。"誕生日記念!お父ちゃまと40ちゃいになった僕が話すの回"をお届けしたいと思います。」


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