宿題:ライブマナーについて考えよ!(1)

2014.08.07

サカナクション

■ 夏フェス110番!まだ参加すると決まっていないのですが…
「こういうことをすると、実は迷惑」みたいなことってありますか?自分で気づかないうちに誰かに迷惑をかけてしまってはいけないので…。夏フェスにはたくさんの人が集まるので(夏フェスに限りませんが)、心配です。まだ参加できるかわからないのですが、よろしくお願いいたします。

北海道
女/14/愛知県

山口「なるほどね。[ 夏フェス110番 ]の授業をやって、いろんな生徒からの夏フェスに対する心配事に先生が一問一答形式で答えたりもしましたが、いろんな迷惑がフェスにはありますよね。実際に皆さんの意見をTwitterで検索したりすると、こんな事されて嫌だった、とか、ケガをしたって言う人もいたりしますもんね。8月に入りまして、毎週のように夏フェスが行なわれています。僕たち私たちサカナクションは先日、ROCK IN JAPAN FES 2014に出演致しました。5万人強でしたよ。ステージの上から見た5万人ってね、何て言ったら良いんだろう……(風の谷の)ナウシカの、オームの触手の上を歩くナウシカの気分ですね(笑) あの触手がばーっと伸びて、オームの触手の草原の上を、死んだはずのナウシカが生き返って歩いている、あの光景のようでした(笑)。人が触手のよう……っていう気持ちになりましたね。でも5万人のステージ、あれを1回見ると、作る曲が変わりますよ。これだけたくさんの人が自分の音楽を聴いていると思うと、ここにむけて音楽を作ろうって気持ちになりますからね。そういう意味では、たくさんの人が一同に会するステージって必要なのかもしれない。すごい景色でした。先生はInstagramとTwitterにもアップしましたけど、アンコールのときに撮影させてもらって。それを見てもらったら分かると思うんですけどね。」

「次は、8月15日の[ SONIC MANIA 2014 ]に出演致します。KRAFTWERKっていう、生徒諸君は知ってるかな?先生の世代よりもうちょっと上の人たちからすると、"神!!" みたいな(笑)、そんな人たちが3Dでライブをやるんですよ。3Dメガネが配られるんです、ライブで。映画じゃないのに。サカナクション先生の、パソコンを5台並べたライブのパフォーマンスあるじゃないですか、あれはKRAFTWERK先生に影響を受けての、あのスタイルですね。YouTubeとかで検索するといろいろ出てくると思うので、生徒諸君は見てみたらいかがでしょうか。」

＊ KRAFTWERKのオフィシャルサイトでも、LIVE映像などが観れるぞ!

今回は、生徒の皆さんに出していた宿題「ライブマナーについて考えよ!」の授業です。

あなたが感じるライブでのマナーについて述べよ。
以下について、実際に体験したことなどを踏まえて書きなさい。

【 1 】
「モッシュ(ダイブ)」について
(賛成/反対、体験談)

【 2 】
「周りを気にせず大声で歌う」ことについて
(賛成/反対、体験談)

【 3 】
その他、ライブマナーで気になる点

「テーブルマナーっていうものがあるように、ライブにも "ライブマナー" というものが存在します。人に迷惑をかけてはいけません。それは倫理観として当然の事ですからね。そういった部分で皆さんの考え聞く、宿題形式で提出しました。皆さんの意見を紹介していきたいと思います。」

モッシュもダイブも歌うのも、全然アリだと思います。ただ、実体験ですが、バラードなどを聴いて楽しむときに、大声で隣で歌われて、場の雰囲気を乱されるのはとても嫌でした。ガンガン盛り上がる時などは、ガンガン盛り上がった方が良いし、踊ったりしながら自然と接触もあり、モッシュなどは人によってレベルが違うので、場の空気を乱さない限りはダメとは言えないと思います。
私が一番気になるのはゴミです!名古屋公演の時も、ペットボトルなどのゴミがたくさん落ちていました。私も最前でもみくちゃになっていて、ペットボトルを落としましたが、落としたのは分かっていたので、落ちていたペットボトルを2～3本もって帰りました。自分のではなくても、落としたなら持って帰ったり、ゴミ箱に捨てるなどの行動があったらもっと素敵なのにな。とか思いました。

ざるーる
女/17才

「偉いね、ざるーるちゃん。まず、モッシュ・ダイブはアリだということで。まず、何をもってモッシュなのか……そこの定義ですよね。僕は、全体的に密集していることから、踊っていて横の人にぶつかったり、ちょっと脚を踏んじゃったりっていうのはモッシュだとは思いません。これは場のノリですよね。でも、明らかに目の前の人を押したり、横の人に体当たりしたり、音楽とは関係のない動きをモッシュと定義するならば、ざるーるさんが言っている、"ガンガン盛り上がっているときは踊ったりしながら自然と接触はあり" ということは、モッシュとは呼ばないかもしれないですね。あと、"バラードなどを聴いて楽しむときに、大声で隣で歌われて、場の雰囲気を乱されるのはとても嫌でした。" っていう、これは確かにそうですね。例えば、絢香さんの「三日月」で、おじさんがライブで思いっきり歌ってたら、そりゃ、静かにしろよ!って思いますもんね。曲によっては「一緒に歌おうよ!」ってミュージシャンが言うこともありますしね。そういうときは良いのかもしれないけど。ざるーるちゃんはそれが嫌だと。」

「あと "一番気になるのはゴミ"。なるほどね。海外のフェス『グラストンベリー(Glastonbury Festival)』で、フェス終了後の写真がネットにアップされているんですけど、生徒諸君、インターネットで調べてご覧なさい。フェスが終わった後の床、全部ゴミ!みたいな。もう、むちゃくちゃ汚い。そういう意味では、日本のフェスやライブはまだ全然、健全かもしれないですね。W杯で日本人が負けた後にゴミを拾っていたっていうのがニュースになっていましたけど、なるほどなって、日本人すごいなって思うけど、日本の中でよく見る光景だったりしますよね。なので、日本人はまだ良いのかもしれない。ざるーるちゃん、ゴミを拾って帰ったっていうのは本当に偉いね。先生、尊敬します。こういう人が増えたら良いなって思う。」

モッシュ賛成です!でも、モッシュに巻き込まれてライブに集中できなかったり、痣ができるケガをして迷惑だなと感じた事があります。だから、激しいモッシュOKエリアを始めから設けて欲しい。大声で歌う事は反対です!一部分をたまに歌うのは良いけど、フルで熱唱している人の前にいた時はすごく嫌でした。あなたの歌を聴きに来たんじゃない!って。一度気になると余計にはっきり聞こえるんです。おかげで楽しさ半減でした。
最高に盛り上がったときに飲みかけの水を投げるのは良くないと思います。危ない!そして、わけのわからない水で濡れるのはちょっと気持ち悪いです。

花魁
女/18/兵庫県

「あー、いるね。ペットボトル投げたり、水をわーって振ったりする人ね。確かにねー。誰の飲みかけの水だよ!ってところありますもんね(笑)、それは分かる。でも、花魁のちょっとした矛盾点を突くぞ。モッシュは賛成だけど、飲みかけの水を投げるのは危ないから良くない、と。水が危ないなら、モッシュも結構危ないと思うぞ、先生。花魁の言っているモッシュは "痣が出来るケガをした事がある" くらいのモッシュだから、本当のモッシュなんだろうけど。あれ、先生的には必要か?って思うんだけどね。例えば、激しい曲をやるバンド……ONE OK ROCKとか、(マキシマムザ )ホルモンとか、そういうモッシュがアリのようなバンドの時にはアリかもしれないけど、そうじゃないバンドだったり、そうじゃない音楽の時にもそれを引き続きやるっていうか……、それは先生あんまり良くないと思うんですよね。曲によって音楽の楽しみ方はいろいろあると思うし、人によって音楽の楽しみ方は違うと思うけど、場に適したことをするべきだと思う。「激しいモッシュOKエリア」みたいなのを始めから設けると、そこではケガ人OKで、そこに入り込んできたヤツが悪いっていう定義になるから、音楽を楽しむっていうよりモッシュを楽しみにくるっていうのは先生は間違いだと思う。でも、モッシュを楽しみに来ているリスナーも出て来ているので、問題になってきているのかなって。嫌だなって思う人もいるんじゃないかなって思います。花魁も大声で歌う事は反対。やっぱり、歌うのは反対って人が多いですね。」

激しいバンドのライブの時、女性は髪を下めでくくるべき。モッシュをしていると、客同士が密着してきます。そんな時にポニーテールをされていると顔に当たるし、くくっていなくて長めのヘアスタイルなら、口に入りそうになっていろいろ大変です。

ぴっちゃん
女/16/熊本県

「なるほど、モッシュをする側としても大変な事があるのね。でも、これってモッシュに限らず髪が人の口に入ったりするのってあるかもしれないので。あとね、先生が聞いた事があるのは、痴漢。あるらしいですよ。フェスで女子が前の方にいると、胸を揉まれたり、お尻を触られたりするから前に行けないって。実際にそういうことされたっていう人を知ってますよ。それはさ、もう、音楽とかじゃないぞ。人間としてやっぱり、ダメだと思うぞ、先生は。女子がライブ来なくなったりするのは、男子、嫌だろ?(笑) だったら、そういうのはやめよう。」

私の友達が、席が最前列の時に、ミュージシャンに失礼の内容に、ライブマナーにはカナリ気を使ってしまったと言っていました。実際にミュージシャンから観客は見えているんですか?

くすくす
女/15/東京都

「あー、めちゃくちゃ見えていますよ。特に、ライブハウスとかになるとね。フェスとかになると、ステージまでが遠いから、最前から10列くらいまでしか見えないけど。Zeppとかになったら、一番後ろのお客さんとかまで僕は見えますけどね。特に照明が、ばーって当たった時とかは。でも、ミュージシャンのためにライブマナーに気を使ってしまったっていうのは、ちょっと気にし過ぎですよ。先生たちは、ステージの上で生徒諸君とひとつになろうとして頑張って歌っているわけですから。生徒諸君も、先生たちと一緒になろうって、同じ気持ちになってくれたほうが楽しめると思いますからね。だから、ライブマナーは気をつけようと思いすぎたらダメ。自分が楽しもうとする時に人に迷惑をかけちゃいけないだけで、気を使うなんてもったいないですよ。楽しみましょう、音楽を。……でも、難しいねー。」

ということで、今回の授業もそろそろ終わりの時間です。来週も引き続き、ライブマナーについての授業をお届けします。