わかったフリのアーティスト用語 (w/ 江島・草刈・岡崎・岩寺)

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江島「はい、授業をはじめますから席について下さい。」
草刈「机の上に出しているマンガをしまってください。」
岡崎「LINEをやっている生徒も携帯を1度閉じて下さい。」
岩寺「PSVITAと3DS LLも一度スリープモードにしなさい!」
 
いつもこの時間を担当している山口一郎先生が出張でお休みのため (今週は「全国音楽教育方針取決委員会 冬のスノボ合宿」に参加中!)、先週に引き続きサカナクションの "副担任ズ" こと、ドラムの江島啓一先生、ベースの草刈愛美先生、キーボードの岡崎英美先生、ギターの岩寺基晴先生が授業を受け持ちます。今回はこの授業のレギュラー宿題である『分かったフリのアーティスト用語』の授業を行います。生徒から届いた質問メッセージに答えていきたいと思います。
 
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江島「しかも今日は、メッセージを紹介した後に、欠席の一郎先生のAmazonのアカウントを使った、"一郎チャンス" もあります!僕らが選んだ何かを生徒の皆さんにプレゼントします。」
草刈「一郎くんのアカウントで、勝手に?(笑)」
江島「はい。スノボをやっている一郎先生には内緒で、勝手にドンドン、"ポチッ" とやってしまおうかなと思います。何だったら、自分の分もポチッとね。」
岩寺「いいですね〜(笑)。」
 
 
それでは、生徒の皆さんから届いたメッセージを紹介していきます。
 

先輩たちが、「ピッキングハーモニクス」って使ってるんですけど、あれなんですか?
 
たこ焼きサポ 
男/16/埼玉県


 
これはギターの質問ですね、岩寺先生、お願いします!
 
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岩寺「これは、ギターの奏法のひとつなんですけど、ハードロックやメタルなどの、歪んだ音がいっぱい入っている音楽でよく使われます。ピッキングっていうのは、ピックを使って弦を弾くことを言うのですが、普通にピッキングすると "ジャーン" とか、"ベンベンベン" って音が出るじゃないですか。この奏法では、弦を弾いた直後に、ピックを持っている右手の親指を弾いた弦に一瞬当てます。」
江島「一瞬なの?」
岩寺「そう、一瞬。触りすぎると音が出なくなっちゃうから。」
江島「へぇ〜。そしたらどうなるの?」
岩寺「そうすると……"ピキーン" って音になる。」
全員「(笑)」
江島「何それ〜!"ピキーン"って鳴るの?」
岩寺「これ、なんて言ったらいいんだろうね。ギターやっている方なら、やったことがある方も多いと思うんですけど、例えば、5フレッドや12フレッドの弦を押さえずに、ただ触るだけで弾くと、普通の弦を鳴らす時とは違う、"ポーン" っていう高い音が鳴るんです。その時、元々の音より、1オクターブ以上高い音で鳴る音を "ハーモニクス" と言うんです。」
草刈「その弦を押さえている長さの分の倍音の成分を、"ポーン”と鳴らす鳴らし方だね。」
江島「ちなみに岩手先生は、サカナクションの楽曲でピッキングハーモニクスのテクニックを使ったりするんですか?」
岩寺「まあ、99%使わないですね。」
江島「あ、使わないの。」
全員「(笑)」
岩寺「一瞬だけ、使うことはあるかも……。ハードロックっぽい空気を出したいときに。例えば、「目が明く藍色」の中盤、スピードが上がって盛り上がるところとかで、たま〜にやったりする。」
江島「へぇ〜!そうなんだ。ライブで?」
岩寺「そう。露骨にはやらないですよ。「あっ、ハードロックだ!」って思われても、あまり面白くないので……。」
草刈「そっか。そういう要素としてね。」
岩寺「そう。「出ちゃった」みたいな感じで。」
 
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草刈「ちなみに、ピッキングハーモニクスはどこで覚えたんですか?」
岩寺「これね、実は僕、ハードロック上がりなんですよ(笑)。」
江島「ハードロック好きなんですか?ちょっと、イメージが違いますね(笑)。」
岩寺「ハードロックがすごい大好きな少年時代を過ごしていまして。小学生の頃、筋肉少女帯が大好きで、3年間くらい、ほぼ毎日、筋肉少女帯の曲を聴き続けていたっていう時期がありました。」
岡崎「あ、ピッキングハーモニクスも、それを聴いたら分かるんじゃない?」
岩寺「それを聴いたら、多分分かってもらえると思う。では、ここで……
 
一郎チャンス!!
 
江島「よし、きたー!初体験なんだよ、一郎チャンス!(笑)」
岩寺「このパソコンに、Amazonがもう出ているわけですね。ということで、たこ焼きサポさんに、筋肉少女帯のCDをあげるために、何をあげようか探してみたいと思います。……確かね〜、練習していたのは、このアルバムだな。」
岡崎「タイトルが読めない!(笑)」
岩寺「結構古いかな。1990年にリリースされた、筋肉少女帯のアルバム『月光蟲(げっこうちゅう)』です。」
 
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江島「ピッキングハーモニクスが結構入っているんですか?」
岩寺「入ってますね。僕が練習していたのは、「少年、グリグリメガネを拾う」です。筋肉少女帯はすごいタイトルが多いですよね。」
草刈「面白い!(笑)」
岩寺「はい、それでは、このCDをプレゼントしたいと思います。一郎、行くよ〜。」
 
"ポチッ"
 

草刈「買っちゃった〜(笑)」
岩寺「怒られないかな〜。」
江島「大丈夫、大丈夫。」
 
 
では続いて、岡崎さん、メッセージを紹介してください。
 

「ナイトフィッシングイズグッド」の歌詞にも出てくるのですが、「ディレイ」とは何でしょうか?wikiってみたんですが、いまいち良く分からなくて……(・・;)歌詞の中での意味と、本来の意味、または使い方をどうか教えてくださいまし\(+×+)/
 
kosora
女/17/兵庫県


 
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岡崎「これは、「ディレイ」=「こだま」です。」
草刈「おぉ〜、分かりやすい!「やっほー」って言ったら、「やっほー」って返ってくるやつですね。」
岡崎「そう。ちょっとずつ小さくなっていく、あれですね。じゃあ……江島先生に、ちょっと実験台になっていただいて、声にディレイをかけてみようかと思います。なんか言ってもらってもいいですか?」
江島「分かりました。なんでもいいですか……?いきます……
 
 岡崎!...岡崎!...岡崎!...岡崎!...岡崎!... (ディレイ)
 
全員「おぉ〜(笑)」
草刈「なるほどね。段々小さくなって、繰り返される感じですね。」
江島「声のディレイだったら、僕たちの最新シングル「ミュージック」のサビで使われてます。」
岡崎「使われてますね。「消えた…た…た…た…」ってなるやつですね。」
江島「そもそもの、"ディレイ"っていうのは「遅れ」って意味なんだよね。」
岡崎「うん。「遅れ」とか、「遅延」って意味だと思う。「ナイトフィッシングイズグッド」の歌詞の中で、どういう意味で使っているのかっていうのは、一郎先生に解説を……」
江島「投げちゃうんですか?」
岡崎「実際のところは、分からない(笑)。確認してないです……。」
江島「歌詞の内容については、岡崎先生の宿題です!一郎先生に確認してきてください。」
岡崎「宿題、確認してきます。それでは、ここで……
 
一郎チャンス!!!
 
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草刈「フー!じゃあ、勝手にやっちゃいましょう。」
岡崎「"ディレイ"だから、何がいいかな〜……。文化的に、音楽シーンの中で使われるようになった、"ダブ"のCDとか、どうかな〜。とても有名な、King Tubby(キング・タビー)さんの、一番古いアルバムにしようかな。」
岩寺「いいですね。元祖ですね。」
岡崎「じゃあ、一郎先生、すみません……。あっ……
 
"ポチッ"
 

江島「「あっ」って何?(笑) 罪悪感が芽生えたのかな?」
全員「(笑)」
岡崎「若干、芽生えました……。一郎先生の顔が頭に……。」
江島「大丈夫ですよ〜。何回でも"ポチ"っちゃって下さい。」
岡崎「請求書がいくのかなって、生々しいことを思ってしまって……(笑)」
全員「(笑)」
 
 

わたしの「分かったフリのアーティスト用語」は、「トラックダウン」です。一郎先生、教えてください!!!
 
ナリ。
女/14/埼玉県


 
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草刈「一郎先生がいないので、代わりでもいいですか?すみませんね〜。」
江島「一郎先生は、スノボしてます。」
草刈「はい。「トラックダウン」っていうのは、私たちプレイヤーがすることではないんですね。私たちは、楽器を演奏して、その音をエンジニアさんが録音してくれます。マイクを立てたり、楽器に直接繋いで録ってきたりしてね。」
江島「(僕らの場合) マイク1本につき、"1トラック" 使っているんだよね。だから、10本のマイクで録ったら、"10トラック"って数えるんですよ。それがたくさん溜まっていくんですよね。(※)」
 
(※10トラックに録音されたものを、コンピューター上で同時に再生することによって、全ての音が鳴って、曲として聴くことができる。)
 
江島「岡崎さんなんか、シンセサイザー使ったりしてるから、トラック数多いですよね。」
草刈「そう。1曲の中でも、いろんな音を出すからね。」
江島「多分、全部合わせたら、200トラックくらいになるんじゃないかな。」
岩寺「うん。多いときはね。」
江島「"トラックダウン" っていうのは、そのひとつひとつのトラックを、エンジニアさんが音量を整えて、ひとつにまとめることです。"合体"ですね。」
草刈「うん。わかりやすくいうと、音を合体させること。」
江島「これをやっちゃうと、「もっとボーカル大きくしとけば良かったな〜。」って思っても、調整できなくなっちゃうんだよね。」
草刈「そうそう。そういう感じです。では、ここで……
 
一郎チャンス!
 
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草刈「どうしようかな〜。"トラックダウン" に興味のある、ナリ。ちゃんには、私たちのレコーディングエンジニアを担当してくださっている、浦本雅史さんが手がけた、違うアーティストのアルバムにしよう。同じ人が、別のアーティストをトラックダウンすると、こんな風になってるよ、っていうことで。」
江島「最近は、ショコラ&アキトさんとかやってるよね。あと、plentyと、ねごと。」
草刈「あ、年齢も近いから、ねごとにしようか。じゃあ、Amazonでも『人気』って書いてある、ニューアルバム『5』にしましょう。それでは、こちらを……
 
"ポチッ"
 

江島「ありがとうございま〜す。」
草刈「はい〜。」
 
では最後に、江島先生、お願いします!
 

バミリ!!
 
Me-Me
女/14/奈良県


 
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江島「これは、「"バミリ"って何?」ってことでしょうね。僕、最近PAさんから聞いたんですけど、「場を見る」っていうのが語源らしいんです。」
草刈「はぁ〜。なるほどね。」
江島「そう。立ち位置とか、ステージに出るときに「ここを通ってください」っていうところとか(ステージの床に)に印をつけるんですね。そういう印のことだね。基本的にガムテープでつける印なんですよ。」
岩寺「何がどの場所にくるべきなのかっていうのを、分かりやすいようにするための印ですね。」
江島「それをみんな"バミリ"とか、"バミる"って言いますね。」
草刈「「それ、バミっといて!」とか言うよね。」
岡崎「言う(笑)」
江島「別に、何で印を付けてもいいと思うんだけど、俺らの現場ではガムテープなんだよね……
 
一郎チャンス!
 
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草刈「急だ!びっくりした(笑)」
江島「急にやってくる、"一郎チャンス"です。Me-Meさんには、ガムテープを差し上げます!」
全員「(笑)」
草刈「今までCDだったのに!」
江島「音楽には全然関係ないけどね。」
岩寺「ガムテープですか。」
江島「そう。いつも僕たちを見てくれている舞台監督の人が、「"テラオカ"のガムテープがいい」って言ってるんですよ。」
草刈「ガムテープのメーカーを気にしたことが無かった(笑)」
江島「そこで、寺岡製作所のカラー布テープをプレゼントしようと思います。」
岩寺「いろんな色があるんだね〜。」
江島「はい。こちらのガムテープを使って、いろんなところをバミってもらいたいと思います(笑)。」
全員「(笑)」
 
"ポチッ"
 

草刈「あ〜あ、ガムテープ買っちゃった。」
江島「なんかごめんなさい、ハズレっぽくて。」
 
 
というわけで、今回の授業も終了の時間です。
 
草刈「来週の授業には、山口一郎先生が帰ってきます。」
江島「どうですか?4人でやってみて。」
草刈「なんか、普段と変わらない(笑)。」
岩寺「結局、いつも通りな感じになっちゃうね。」
江島「そうだね。機会があれば、また4人で何かやりたいと思います。」
岡崎「また、質問もしてください。」
全員「よろしくお願いします。」
 
江島先生、草刈先生、岡崎先生、岩寺先生、ありがとうございました!

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