アナログとデジタル (w/ レコーディング・エンジニア:浦本雅史)

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■ 再提出
先生は今夜も容赦なかったですね(+o+)ひえー! 冒頭で挙げていたポイントを抑えつつ、宿題の再提出に向けて頑張ります…!
クラッシー/女/17/大阪府




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山口「クラッシー、先週の授業(宿題『「ストラクチャー」の歌詞を考えよ!』の採点)のことですね。先生、授業が終わってから、TwitterでサカナLOCKS!を検索してみたんですけど、"山口、上から目線でうぜぇ!あいつ、そんなに歌詞良くねぇじゃん" みたいなのがつぶやかれていましたね〜……。先生、ショックだったからこの宿題やめようかなって(笑) チラッと思いましたけど……これは、授業ですから、容赦はないですよ!普段皆さんが学校で受けている授業も、先生は容赦ないでしょ?それと一緒で、これは授業な訳ですから、容赦なく行きます。いくら先生が書く歌詞が素晴らしくなくても(笑)、歌詞の授業な訳ですから、一生懸命やります。それが先生の仕事ですから。よろしくお願いします。」

さてそんな「ストラクチャー」の "ラララ" で歌っている部分に歌詞を考える宿題ですが、せっかくなので、歌詞だけではなく、生徒の皆さんが実際に歌詞を歌っている "音源" も募集しようと思います!

「その方が歌い回しやイメージが伝わりやすいしね。先生が勝手に生徒が書いた歌を歌うと、先生違うよ!冒頭の歌い回し、そうじゃないし……って思った生徒もいたんじゃないかなっていうことで、宿題の要素が増えました!(笑) 歌声も募集します。」

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スマートフォンのボイスメモ機能などを使えば、比較的、簡単に録音できると思います。そのデータをメールに添付して、サカナLOCKS! まで送って下さい。送り先のアドレスは、sakana@tfm.co.jp です。
「ラジオネーム」「年齢」「住んでいる都道府県」を必ず書いて、提出して下さい。

「歌声はアカペラが一番いいかな。だから、みんなが持っているテクノロジーを駆使しましょう(笑)。
「ストラクチャー」の音源を持っている人は、ヘッドフォンやイヤフォンで聴きながら、自分の声だけを録音してくれるとありがたいです。そしたら、そのままデータを「ストラクチャー」に貼付けて、生徒が歌っている風にして聴くことができるので(笑)。生徒諸君、工夫して送ってくれたら嬉しいです。コンポで再生して、歌に合わせて送ってくれてもいいし、その辺はお任せします。実際に、みんなの歌声を聴くのを楽しみにしていますので、宿題の提出、よろしくお願いします。」

「ストラクチャー」のラララの部分は、コチラからも聴く事ができるぞ!

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サカナクション先生は6月26日に、sakanaction名義でのアナログ盤(レコード)『INORI EP』をリリースします。「INORI」と「ストラクチャー」のエクステンデット・ミックス (extended mix) がA面とB面にそれぞれ収録されています。ということで、今回はアナログとデジタルをテーマに、授業をお届けしていきます。



『INORI EP』


今回はゲスト講師をお迎えします。サカナクションのレコーディングを手掛けている、レコーディング・エンジニアの浦本雅史さんです。

浦本「こんばんは、エンジニアの浦本雅史です。」

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山口「よろしくお願いします。浦本さんがどんな方なのか説明しますと、僕らサカナクションのレコーディングを担当してくれているエンジニアさんなんですけど、僕らが作った曲を演奏して、それを浦本さんが録音して、ミックスしてくれているんですよね。」

浦本「そう。音の調整をしています。」

山口「つまり、"サカナクションの音を作っている人" だと言っても過言ではありません。」

浦本「ありがとうございます!」

山口「浦本さんは、僕らの3枚目のアルバム『シンシロ』から一緒にお仕事をするようになって、そこからの全タイトルですね。あとライブ音源と、ライブ映像の音とか、テレビに出るときの音のミックスにも入ってくれたりしていますよね。つまり、みんなが聴いているサカナクションの音を作っている先生という事です。今日は、そんな浦本先生に、アナログというものを説明してもらいます。」

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山口「早速ですが、アナログ盤の授業という事で、これをラジオの音質で理解してもらうのはなかなか難しいので、今回は言葉でデジタルとアナログの違いについて話ができたらと思います。」

浦本「はい。よろしくお願いします。」

山口「まず、デジタルとアナログの違いって、生徒にどう伝えたら分かりやすいでしょうね?」

浦本「まず、人間の聴こえる周波数は、下が20ヘルツ(Hz)で、上が20キロヘルツ(kHz)まで聞こえるんだって。」

山口「メッチャ低い音と、メッチャ高い音ってことですね。……なんか、コンビニの前に不良が溜まらないように、高周波出すみたいなの、ありますよね。」

浦本「あるある。それが高い音。それで、デジタルとアナログって、今日の話で言うとCDだけど、CDは、その20ヘルツ以下と20キロヘルツ以上を切った音が入ってる。」

山口「どうせ、人間には聞こえないからって。」

浦本「そう。それをデータ化して、CDに収めている、と。それがデジタル。」

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山口「実際は、もっとすごい高い音も低い音も存在しているけど、人間が聴こえないところはいらない、って、無くしちゃってるんですね。」

浦本「そう。でもアナログ(レコード)は、そこがカットされていないから、感じる部分が多い。僕らがレコーディングしたものが、そのまま記録されている、と。」

山口「音そのもの、なんですね。CDはデータですから、イメージですけど、加工されている感じがしますもんね。」

そもそも生徒の皆さんは、アナログ盤、レコードの仕組みを知っていますか。レコードっていうのは、ビニールなどの樹脂でできた円盤状のもので、そこに刻まれている溝に音が記録されています。その溝にレコード針を当てて、その振動が音になっています。

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山口「でも、実際、人間が聴こえない音が入っていても、特に変わらないんじゃないですか?」

浦本「そう思いがちなんだけど、実は違っていて、音は、耳から聴こえている部分以外に、肌が感じるんだよね。ライブハウスに行ったら分かると思うけど、お腹に感じる音とかね。」

山口「ライブハウスに居て、ズン、ズンって感じるやつだ。」

浦本「そうそう。それを、より感じやすいって言えば、分かりやすいかな。」

山口「なるほど〜。家にレコードがあるっていう生徒は、ご両親が相当、音楽が好きな人でしょうね。僕らの世代でも、レコードってそんなに無かったと思うからね。」

浦本「そうだね〜。まあ、うちはあったんだけど、ある家は少なかった。」

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山口「音以外に、何か他のもので例えたら、デジタルとアナログが分かりやすいかなって思って考えたんですけど……、写真だね。デジカメとフィルムがあって、フィルムがアナログで、デジカメはデジタルだと思ってもらえれば分かりやすいかな。」

浦本「うん。フィルムの場合は、画像を近くで見たり拡大して見ても、全部が繋がっているから自然に見えているものに近い。」

山口「デジタルだと、どんどん拡大していくと、バキっとして、モザイクアートみたいになっていきますよね。それが、音の世界でも存在しているってことですね。」

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浦本「うん。」

山口「今回リリースするのは、『INORI EP』っていうんですけど、レコードにも形態がいろいろあるんですか?」

浦本「そうですね。簡単にレコードって言っても、昔からさかのぼっていくと、「SP(スタンダード・プレイ)」だったり、「EP(エクステンデッド・プレイ)」、
「LP(ロング・プレイ)」っていう種類があるんだけど、今回は、『INORI EP』ですね。エクステンデッド・プレイ。直訳すると "拡散" とか "広がり" とか、そういう事なんだけど、曲の長さが変わっているってことですね。」

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山口「今回は、「INORI」と「ストラクチャー」の2曲ですけど、それには理由があったんですか?」

浦本「音質だね。レコードには『回転数』っていう、レコードを回す速度(1分間に何回、レコードが回転するか) っていうのがあって、昔は78回転っていうのがあったんだけど、今は45回転と33回転が主流で、今回は、音質が良い45回転の方を選択したと。」

山口「「INORI」と「ストラクチャー」が、一番良い音で聴こえる回転数の2曲入りにしたんですね。例えば、1分の曲があったら、1枚に1分の曲を入れるのと、30分の曲を入れるのは、音の違いってあるんですか?」

浦本「音の違いは出てくるね。」

山口「出てくるの?へぇ〜……!たくさん曲を入れると、回転を速くしなきゃいけないってこと?」

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浦本「いや、逆。溝がいっぱい増えて、ゆっくり再生しなきゃいけないから、1センチの中に入れられる情報が少なくなってくる。」

山口「1回、アルバムを全部収録して、LPにしようかって話もあったんだけど、そうすると音質が落ちちゃうんじゃないかってことで、今回は見送ったんですよね。その代わり、「INORI」と「ストラクチャー」の尺が長いバージョンを入れたんですよね。DJがかけやすいように、後半を長くしたりとか。」

浦本「そうそう。DJライクなミックスになっているんじゃないかと。」

アナログ盤のことが少し解ってきたところで、今回の授業は終わりの時間になってしまいました。アナログとデジタルについて、まだまだ授業していきたいと思いますので、来週も浦本先生を迎えて、引き続き、授業していきますよ!

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山口「実際に音を聴いてもらうと分かりやすいんだけど、言葉で説明するのはなかなか難しいですね。来週も浦本先生と、デジタルとアナログの違いを生徒諸君になんとか分かってもらえるように、来週も授業していきたいと思っています。」

M INORI(Extended Mix)/sakanaction (サカナクション)

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