「グルーヴとしては気持ちいいし、言葉のリズムもいいし歌い方もメロウだよね。これは洋楽に詳しくない人も聴いたことがあるんじゃないかな。こんなお洒落な……ポンポコポンポン、ポンポン……っていっている曲の歌詞!要約すると、"バーでショットを飲んで、君はそんなに軽い女の子じゃないかもしれないけど、こっちにおいでよ。僕が体を触ったりするのは変かもしれないけど、腰に手を当ててついておいでよ。" ……ポンポコ、ポンポンみたいな曲ですよ(笑)。こんな歌なんだなー。でも、そんなにエロくはないけど、露骨だよね。日本人の歌でもギリギリこれくらいのものはあるかもしれないけど、日本だとやっぱり露骨な歌詞だとちょっと嫌悪感があるよね。でも、海外だと結構そういうのはある。」 「続いて紹介するのは、ブルゾンちえみ さんの35億のネタで有名になった曲。なので、聴いたことがあると思う。Austin Mahone で「Dirty Work」 。」■Austin Mahone - Dirty Work (Official Video) VIDEO
「(サウンドは)ちょっと90年代の感じ、音はバッチリだね(笑)。"Dirty Work" っていうのは、"残業" や"汚れ仕事" っていう意味で訳されるんだけど、この"Dirty" っていうのはダブルミーニングで、"いかがわしい" っていう意味もある。だから、"いかがわしい仕事" とすると、これが何を指すのか。歌詞の中で、「君のために毎日残業しているよ」というのを見ると、よく働くパパのイメージなんだけど、「君を喜ばせるために毎日いかがわしいことしてるよ」という風に捉えることもできる、と。多分、両方の意味を込めて歌うんだけど、このサウンド的な要素……90年代のダークでミニマルな感じ。」 (曲のフレーズに合わせて) 「ドゥンドゥン、ドゥドゥン、ドゥドゥン、"Dirty" 」 「ドゥンドゥン、ドゥドゥン、ドゥ、"いかがわしい" (笑)」 「ちょっといかがわしい要素もサウンドの中にあるんじゃないかっていうね。ダブルミーニングとはある種……隠喩しているってことやな。」 「歌詞の中にエロスを匂わせるっていうことは日本人もやる。桑田佳祐さん とかは露骨に「マンピーのG★SPOT」 とかやったりしますけど……ある種、それはコミカルな要素として使うっていうことがあって、露骨にエロさをストレートに作るのは……ジャニーズの曲とかではたまにあるかな。そういう匂いがちらっとするものは、たまにある。だって、Sexy Zone ってユニット名とか、Kis-My-Ft2 ですよ。そういう匂いがユニット名からあるわけだから。」 「続いて、MVを含めて直接的にエロい曲 を聴いてみましょう。去年グラミー賞を総なめにしたBruno Mars 。2012年にどエロい曲をリリースしていました。「Gorilla」 という曲です。」■Bruno Mars - Gorilla (Official Video) VIDEO
「MVはストリップ小屋でポールダンスをしている女性がいて、官能的な映像が入ってきて……もう下着になっちゃったよ。後半ではその女性がBruno Marsと車の中で、………ですよ(笑)。歌詞も簡単に言うと、"ゴリラみたいに激しく愛し合おう" ということを歌っていると。他にも、歌詞の中にドラックとかも出てくるので、この歌詞を日本人が歌ってMVを作ったとすると日本でヒットするかと言われたらヒットしないだろうなと。ある意味、炎上するかもしれないね。知名度がある人だと余計に炎上してしまうんじゃないかと。日本の曲の中にあるエロスっていうのはこういう直接的なものではないかなと思うけどね。」 「じゃあ日本の曲の中にも何かエロスを感じるものがないかというと、有名な曲にありました。 これは先生も知ってるよ。忌野清志郎 さんがボーカルを務めていたRCサクセション というバンド。1980年にリリースした「雨上がりの夜空に」 という曲。知っている人も多いと思います。いろんな人がカバーしているすごく有名な曲です。」
「これは一見、自分の車の調子が悪いことを歌っているように聞こえるんだが……例えば、"雨にやられてエンジンいかれちまった 俺らのポンコツとうとうつぶれちまった" とか、"バッテリーはビンビンだぜ" 、"こんな夜に おまえに乗れないなんて" 、"こんな夜に 発車できないなんて" ……これを、車じゃなくて恋人とのセックスに置き換えると全く違った曲に聞こえますよね、っていう話。それを歌っていないんだけど例えている。違うものに置き換えているんじゃないか……っていう話もある。真相は、当時RCサクセション がセールス的に伸び悩んでいた時期で、CHABO(仲井戸麗市) さんっていうメンバーの方と、これからもっと行こうぜ、ぶっとばして行こうぜっていう意味を込めてつくられた歌だったんですよ。だけど、捉える側の気持ちによって、そういう風に捉えることもできる曲だと。極めて日本的ですよね。あと、ロック的であると。そういう気持ちを隠し持っているというか。僕はこれは素晴らしい日本の音楽だと思いますね。 」 「ということで、いくつか楽曲を紹介してきたんですが、今回は歌詞の内容を中心に紹介してきました。エロスっていうのは音楽の題材にしやすいかっていうと……先ほどの話じゃないが、君たちが社会人になって、初めての一人暮らしをしている人もたくさんいると思う。同じ会社の社員といい感じになって、「うちに遊びに来る?」って女の子を呼んだり、彼女が「うちに遊びに来ない?」って呼んだ時、無音は耐えられないじゃない。ちょっと空気を作ろうと思ったら、音楽流すじゃない。その時「どんな曲を流す?」って話になるじゃない。その先に進みたかったらこういう曲かなとか、とりあえず第一段階、突破するためならこの曲かなとか……わからないが、先生はそういう卑猥なことは。いろいろ考える上での音楽っていう手法はあると思うんだな。だから、そういう需要はある。その需要に合わせて音楽はつくられているということもありますな。先生がエロスをテーマに曲を作るとしたら、もう少し現代詞的な感じになっちゃう気がするし、新しいアルバムにもそういう……エロじゃないけど、隠れテーマを持った曲があるの。 だから、いろんなものをテーマにしてみようと思う。」 「先生が音楽で表現できない、絶対無理だなって思う感情は、"恐怖"。 目で見えて感じる恐怖に音だけで勝つことは難しいね。しかも、それをエンターテイメントにするのは難しい。怖いっていう感情よりは、エロいとか官能的っていう方が多分作りやすいんじゃないかと思う。きっとみんなそういうことを歌にしていると思うけどね。だから皆さんが普段聴いている曲の中にもこういうのがあったんだよっていうことと、普段音楽を聴く時、好きな人が家に来る時にどんな音楽をかけますかっていうところのお話でした。」
「今回の講義のエンディングテーマは、1975年にリリースされたディスコ・ミュージック、Donna Summer で「Love To Love You Baby」 という曲です。これはダンス・ミュージック界では超有名な曲なんですけど、聴いていただくとわかるんですが、女性の喘ぎ声がどんどん大きくなっていくんですよ。喘ぎ声が曲の中に入っているものは多い。特にダンス・ミュージックでは多いんですよ。だから、ダンス・ミュージックというものの機能性として、そういった要素が強いと考えられているところもあるのかなと思うね。別に僕はこれをいやらしいとは思わないけど……(曲に耳を傾けると喘ぎ声が聞こえる)……いや、いやらしいね!(笑) いやらしいわ!いやらしいけど、こう……煽るっていう気持ちはあるんじゃないかと思う。歌詞もここで言うのは恥ずかしいくらいだから、調べてみたらいいと思う。でも、音楽っていろんな使われ方をするので、こういったものもあるというのをサカナLOCKS!の生徒にも知ってもらいたいと思いました。」 「ちょっとね……UNIVERSITYのサカナLOCKS! は、アカデミックなことをやっていくので、こういった過激なものもあるけど、親と聴くのが恥ずかしかったら、ヘッドホンで聴いちゃお!ふふふ(笑)。」 LOCKS!SCHOOL OF LOCK!の講師陣 Mrs. GREEN APPLE
Saucy Dog
宮世琉弥
乃木坂46(賀喜遥香)
乃木坂46(井上和)
NiziU
INI
新しい学校のリーダーズ
SUPER BEAVER