山口探偵への挑戦状『バレンタイン定番ソングがずっと更新されない犯人を探せ!』

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2021年2月19日(金)PM 10:00 まで




山口「はい、授業を始めますから席についてください。Twitterを開いている人はTwitterを閉じなさい。Instagramを開いている人は、 サカナLOCKS!のインスタアカウント(@sakanalocks_official)をフォローしなさい。授業が始まりますよ。サカナLOCKS!は、久々に"音学室"からお届けしております。……やっぱいいですね、コンデンサーマイク。いいです、この感じ……久々なのでテンションが上がっております。」

「早速黒板を書きたいと思います。」

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「今夜は久しぶりに、山口探偵が帰ってきます!そして、バレンタインソングの謎を解く!!」

「SCHOOL OF LOCK!の"音学"の授業、サカナLOCKS! サカナクションの山口一郎改め……真実はいつもひとつ!! 山口探偵だ!音楽にまつわるさまざまな謎を解決!絶対に犯人を見つけ出す!それが……山口探偵!今回、久しぶりに僕のところに依頼が届いた。今夜僕が挑む謎はこれだ!」

『バレンタイン定番ソングがずっと更新されない犯人を探せ!』
(R.N.アルフレッド 埼玉県 18歳 男性 からの依頼)

「(普段のテンションに戻って……)いや、ね……(笑)。まあ、このテンションを家でやっていたら苦情がくるよね(笑)。久々に出てきました、山口探偵。今度の日曜日は2月14日ということで、バレンタインデーでございます。今年は日曜日、そしてコロナ禍ということでね……もしかしたら今までのようにバレンタインを味わえないかもしれません。手作りチョコとかどうなんですかね?コロナで、手作りチョコを渡すのは不謹慎みたいなことになっちゃったりするのかな?どうなんでしょう。……バレンタインソング、確かに、クリスマスソングや卒業ソングほど盛り上がっていない気がしますね。」

「よーーーし!じゃあ、バレンタイン定番ソングがずっと更新されない犯人を探し出すぞ!!じっちゃんの名にかけて!!!……金田一も出てくるからね、コナンじゃなくて。基本、僕はコナンじゃなくて金田一世代だから。しかも、石坂浩二(主演)の方ね。」

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<探偵ファイル(1)>
バレンタイン定番ソングと呼ばれている2大ソング
・国生さゆり「バレンタイン・キッス」(1986年2月1日リリース)
・Perfume「チョコレイト・ディスコ」(2007年2月14日リリース)
「チョコレイト・ディスコ」が王座についてから14年、未だ王座を奪還するバレンタインソングの出現には至らず!

「ほー……でも、バレンタインソングといえば、女性が歌うっていうイメージがありますよね。男性がバレンタインソングを歌うのはちょっと女々しい感じがしちゃいますもんね。だから、片想いでチョコを渡すドキドキ……みたいなものを歌うとしたら女性シンガーになるのかなっていうところで。でも、女性シンガーで有名な人たちはいろいろ出てきているから、彼女らがバレンタインソングを歌わない理由っていうのはちょっと謎だね。なぜなんだろう。」


<探偵ファイル(2)>
実はけっこう存在している!バレンタインソング
・Happy Valentine Day / 広瀬香美
・10倍バレンタイン / 近藤夏子
・お願いヴァレンティヌ / HKT48
・バレバレンタイン / ジャニーズWEST
毎年バレンタインソングは生まれるものの、定番ソングにまでは至らず!

「(それぞれ曲を聴きながら……)広瀬香美さんのバレンタインソングって、王道ですね。歌ってくれてるんですねって感じがあるもんね(笑)。でも、2006年リリースで、結構前ですね。近藤夏子さんの「10倍バレンタイン」……あー、明るいね。クリスマスソングみたく、ちょっと切ないバレンタインソングってないよね。全部基本は直球だもんね。HKT48の「お願いヴァレンティヌ」はすごいねー。朝猛ダッシュしてる感じがするね、チョコ持って。ジャニーズWESTの「バレバレンタイン」……男性アーティストも歌っていると。毎年バレンタインソングは生まれるものの、定番ソングには至らないと。でも、昨今の高校生事情とか大学生事情はおじさんは知りませんが、80年生まれの私どものバレンタインっていうのは、情報がないわけ。あの子が誰にチョコあげるとか、宝くじ的な要素があったじゃないのよ、ちょっと。サプライズがあったじゃん。『え!?あの子、あいつにチョコあげた!好きだったの?』みたいな……だから、バレンタインってちょっとテンション的には、どこで誰が結ばれるかは意外なサプライズが生まれる瞬間だったよね。でも、今の時代ってSNSでグループができていて、誰が誰が好きっていうことに謎がない感じがバレンタイン的な要素をちょっと薄くしているような気はするよね。だから、そういう要素を歌にするっていうのはちょっと難しいし、別にバレンタインに固執する必要はないのかなって……そんな気はするね。暗いバレンタインソングが存在できないっていう部分で、バレンタインソングの需要みたいなものは少ないのかもしれない。」


<探偵ファイル(3)>
チョコレートのCMタイアップソングはリリース、ただし・・・!
直接的に「チョコレート」「バレンタイン」という歌詞を使わない傾向がある。
・平行線 / Eve × suis from ヨルシカ
→チョコやバレンタインの表記はなし(ほろ苦い表記はあり)
・春の歌 / スピッツ
→ チョコやバレンタインの表記なし
・君の隣 / aiko
→チョコやバレンタインの表記なし

タイアップソングですら"バレンタイン"、"チョコ"など直接的な表現を避ける傾向あり。

「(「平行線」を聴きながら……)あー、切ないバレンタインソングみたいなものになると、バレンタイン表記をあんまり出来なくなってくるのかな? 次。(「春の歌」を聴きながら……) まあ、スピッツ自体がもう甘酸っぱいじゃん。そもそも。バレンタインの甘酸っぱさみたいなところ……良い部分だけじゃない、しかも、今のバレンタインじゃなくて、そんな時もあったな……みたいな匂いがスピッツっていうバンドから出ちゃっているから。スピッツの曲だったら、バレンタインの中で歌われた時点でもう成立しちゃうよね。だから問題ないと思う(笑)。バレンタインの表記とかむしろいらないよ。(「君の隣」を聴きながら……)まあね、aikoさんもバレンタインのことを歌っていて欲しい。けど、失敗してもめげない感じはあるよね、aikoさんからのイメージはね。……やっぱり声がいいねー。……なるほどね。タイアップソングですら"チョコ"や"バレンタイン"を避ける傾向にあると。まあ、歌詞を書く立場の人間としましては、バレンタインとかチョコって使うと、あざとさは出ちゃうよね。世界はもうタイトルで完結しちゃっている感があるというか。だからなかなか言及できない感じはあるのかな。」


<探偵ファイル(4)>
バレンタインに聴きたい曲ランキングを見ると・・・
・チョコレイト・ディスコ / Perfume
・バレンタイン・キッス / 国生さゆり
・Bittersweet / 嵐
・チョコレート / 家入レオ
・恋 / 星野源

恋愛ソングがバレンタインに聴きたい曲としてランクイン!
すでに「恋愛ソング」が多くありすぎて供給されすぎている。

「つまり、今も昔もバレンタイン=恋愛だというところは変わらないと。すでに恋愛ソングが多くありすぎて供給されすぎているからこそ、もう新しく作る必要はないんじゃないか説もあるっていうことね。なるほどねー……。」


<探偵ファイル(5)>
2017年時点の別事件の犯人
2017年のサカナLOCKS!で1度バレンタインソングについての授業を展開。その時の授業は「バレンタインソングが少ない理由」。当時の山口先生の結論は「義理チョコ文化のせい!」という結論を出す。義理チョコ文化があるせいでバレンタインにチョコをあげるっていう行為が美しくなくなってしまってる。
その曖昧さを男性ミュージシャンが歌にするのを難しく感じる。日本の男性ミュージシャンが歌にしないことで、半分は書かないことになる。

確かにバレンタインソングは女性側からの目線の曲ばかり。
男性がチョコが欲しいという歌はあまり見受けられない。

「男性がバレンタインチョコの歌を作るとしたら、『欲しかった人からもらえなくて、親友にチョコをあげちゃった。俺は親友を取るか好きな人をとるかで心が揺れる……』みたいな……売れないよ、そんなの(笑)。そういう部分で、男性的には歌えないっていう結論が出てきたね。」


<探偵ファイル(6)>
バレンタインにまつわるアンケート
・「バレンタインチョコ欲しい」と聞かれた男性の98%が欲しいと解答。
「いらない」と答えたのはわずか2%
 
・「バレンタインチョコだれにあげる?」と聞かれた女性、
恋人や家族など身近な存在へのプレゼントが、およそ70%。
あげないが6%。片思いの相手が8%。
片思いの女子がバレンタインで告白という文化自体が廃れている!

「いらないっていう答えた男性は、本当にいらないんじゃないからね!いらないっていう自分がかっこいいと思って言っているだけだから。いらないっていうやつはいないよ。片想いの女子がバレンタインで告白するという文化自体が廃れている……ほらね、最初の方に先生は言いましたよね。SNSとかで誰が誰を好きかっていうことがあんまり謎めいていないっていう。あと、バレンタインまで告白するのを待っている必要がないっていうのもあるよね。もう、ぐんぐん近づいていくから、今の時代の子たちは。先生たちの時代は、メールがないから!だから、距離感みたいなものが変わっているっていうのはあるかもね。」

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「うーん、なるほど……。なるほど、なるほど、なるほど……あれがこうなってだな……あれをここで結びつけて……蝶々むすびして解く……それに伴い、あの事が浮上してきて、私の頭の片隅の中にひとつの種のような答えが導き出されたのだ……そう。犯人がわかった……!」

「バレンタイン定番ソングがずっと更新されない犯人は……」

レーベル事情である!!!

「レーベルの事情が、バレンタイン事情を生み出さない理由になっているんだ!」

「説明しよう!……ふふふ(笑)。このレーベル事情というのは、つまり、2月14日に合わせてリリースをしなければいけないというスケジュールで少なくとも発売日の1ヶ月前〜3ヶ月前には曲が完成していなければいけない。つまり、バレンタインデーの2ヶ月前、3ヶ月前っていうのはお正月だったりクリスマスである。お正月やクリスマスの時にわざわざミュージシャンはバレンタインのことを考えて曲を作ったりはしない。むしろ、クリスマスの曲を作ったりすることの方が大事であり、ちょっと待って卒業シーズンの曲を作ることのほうがメリットがある。つまり、バレンタインというものはスルーされている……そういう事情があるんじゃないかと先生は思う。」

「あとね、もう1個あるのは、フェス文化っていうものが浸透していったことによって、バレンタインソングが停滞していったっていう予測もある。つまり、フェスで音楽を聴いてもらうっていう……ヒットソングとしてバレンタインソングを作っても、夏のど真ん中の野外でバレンタインソング聞きたい?ってなるから、作る必要がなくなっちゃってるなっていうのもある。あと、そもそも、恋愛っていうものの仕方自体が変化しているから、バレンタインデーに告白するとか好きだっていうことを匂わせることは別になくなっちゃっているんじゃないかって思うね。」

「ただし!バレンタインソングが大好きな人たちに希望があるよ。これね……リバイバルの予感がある。なんでかっていうと、音楽の聴かれ方がCDからサブスクリプションに移動している、かつ、今15秒でヒットする曲が流行っているよね。TikTokだったりなんなりで。つまり、TikTokっていうのはバレンタインをピンポイントで伝える要素があるから、15秒間でバレンタインソングを生み出す人たち出てくる可能性があるよ。だから、バレンタインの価値みたいなものはちょっと変わってくるんじゃないかと思う。ハロウィン化してくるんじゃないかっていう予感がするね。だから、リバイバルの予感はするぞ。だが、現在流行しない理由としては、レコーディングしてリリースするというタームの中でバレンタインっていうものの存在は薄くなっているっていう可能性はあるね。レーベルの事情、そしてフェス文化の推進……そういった部分からバレンタインソングの需要がなくなってきたんじゃないかと思う。」

「ということで、犯人は"レーベル事情&フェス文化 しかし、リバイバルの予感はある"でした!……真実はいつもひとつ!!……じっちゃん、今回も無事謎を解くことができたぜ。バレンタイン……バレンタインで思い出したぞ。じっちゃん、昔下駄箱にチョコレートが入っていたことがあったんだ。これは確か中学校の頃だったと思う。当時僕は生徒会副会長だったんだ。バレンタインデーに下駄箱にチョコレートが入ってるってワクワクしたんだけど、それは、僕は"山口"だから、出席番号が後ろの方じゃないのよ。"山田"用に入れたのが間違って入れられていたんだよ!……いやー、あんまり面白くしようと思うとできないね(笑)。でも、そういう悲しい過去がバレンタインデーに我ら世代はいっぱいあったと思う。でも、今の人たちってそういうのもあんまりないじゃん。クラスみんなに配る……みたいな。だから、分かったよ。バレンタイン、こういうふうにしたらどう?1個提案するわ、チョコレートを作っている会社の人たちに。新しいバレンタインルール。バレンタインは1人1個しかプレゼントしたらいけないっていうルールにしたらどうかな?それは、好きな人なのか付き合っている人なのか、家族なのか、友達なのか……誰でも良いんだけど、1個しかあげちゃいけないっていうことにすると、何か大切な意味がそこに生まれるじゃない。結構バレンタインが衰退しているなら、そういうプロモーション戦略をするのはどうかなと思う。そしたらまたバレンタインの需要が生まれてくるんじゃないかという気がします。」


そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。

「今回お届けした『山口探偵への挑戦状』では、生徒の皆さんから音楽にまつわる謎、山口探偵に解決して欲しい謎をお待ちしております。じっちゃんの名にかけて解決します。……じっちゃん…………(諦めて)ふふふ(笑)。これ、向いてないなー、久々のやつに。テンション空回りしてる(笑)。アクセルを、階段を上がるように上げるコーナーにしてほしかったけど、いきなりあげなきゃいけないコーナーだったから、結構大変でした!!」

ということで、引き続き、生徒の皆さんから『山口探偵への挑戦状』をお待ちしています。音楽業界に対して疑問に感じることや、音楽の話でよく話題に上るのにはっきり分からないことなど、音楽にまつわる "謎" を送ってください。宿題の提出は [ コチラ ] からお待ちしています。

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聴取期限 2021年2月19日(金)PM 22:00 まで


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