山口「はい、授業を始めますから席に着いてください。マンガを読んでいる人はマンガをしまいなさい。Twitterを開いている人はTwitterを閉じなさい。Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい。授業が始まりますよ。今夜のサカナLOCKS!は、生放送教室から緊急学級会をお届けしたいと思います。久しぶりの緊急学級会です。……というのも、サカナクションは一昨日、5月9日に10周年を迎えることができました。それについてたくさんの書き込みが届いているので、読ませていただきます。」
★10周年おめでとうございます!
サカナクション先生!
10周年おめでとうございます!
私が初めてサカナクションと出会ったのは、『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』が出たときです。ラジオで流れていたのを聴いてそこからファンになりました。
小学生の時から、今まで変わらず、ずっと大好きです!
スクールオブロックもずっと聞いています。
今日の生中継は普段は聴けない、大好きな曲をいっぱい聴けて幸せです?
これからもたくさんの素敵な曲を楽しみにしています。
ずっとずっとサカナクションを追いかけます!笑
5月19日の神戸、行きます。
中間テスト後の最大のご褒美!今からワクワクしています!
女性/17歳/兵庫県
「うわー……ありがたいですねー。そうです。AbemaTVで生放送をやったんですよ。累計70万人の方が見てくれて。すごいですねー。でもね、注意しておくと、あれは普段のライブとは違うからね。あんなに喋らないから。いつも本編は一言もMCがないライブをするんだけど、特別だったからね。それだけは誤解しないでほしいと思う。でも、tomato100%はライブにも来てくれるってことでね。ライブも頑張りますよ。」
★10周年おめでとうございます!
デビュー10周年おめでとうございます!
先日の10周年記念イベント行かせて頂きました。
いつもの本編はMCなしで、ひたすら楽しんで踊りまくる感じとはガラリと変わり、ゆるい感じで始まった時は笑いました(笑)
メンバーがこんなに話してくれるなんて....と感動もしました(*´∇`*)
楽曲投票1位の「目が明く藍色」を今回初めて生で聴けたのですが、やっと生で聴けたという感動と、この曲に込められた思いを知って、滅茶苦茶泣きました。
目が明く藍色が自分にとって前よりも特別で、大切な曲になったような気がします。
明日からも頑張ろう、後悔しないように今の自分がしたいことを思いきりしようと思えました。
本当に10周年おめでとうございます!
5月9日にあの場所にいれたことに感謝です。
そしてこれからも素敵な音楽を届け続けてください。
女性/19歳/大阪府
「そう。10周年イベントの中の企画『あなたが選ぶサカナクションの名曲』ランキング1位の曲は、「目が明く藍色」だったんですけど、これは、僕らの4枚目のアルバム『kikUUiki』に入っている曲なんですね。このアルバムには「アルクアラウンド」っていうシングル曲も入っていて、その曲がミュージックビデオとかも含めてたくさんの人に知られるきっかけになったんですね。僕らは、人に知られるっていうことに慣れていなくて、それを知られたことで、ドキドキ感というか……不安な気持ちがいっぱいあったんですよ。アルバムもそういう派手な曲を増やしたほうがいいのかなって悩んでいたときに、当時のディレクターの関口さんと、ビクターの上から80番目くらいに偉い(笑)山上さんに話をしたんですよ。自分がいま作りたい曲は、複雑な曲で、あまり派手な曲じゃないんだけど、どうしようかな……って。そしたら関口さんが、「やっちゃいなよ。好きな曲作ったらいいじゃん。別にこれでバンドは終わりじゃないんだし、次から次に自分の気持ちを表現することを忘れちゃいけない」って言われて。そしてこの「目が明く藍色」って曲を作ることができたんですね。関口さんがいなかったらこの曲は世に出なかったし、おととい演奏もできなかったなって。ライブ中うるうるしちゃったんですけど。その関口さんは、癌で亡くなられちゃったんですよ。5枚目のアルバムが終わった後くらいかな。だからすごく思い出しちゃいますね。」
■ サカナクション / 目が明く藍色
★10周年おめでとう!
こんばんは。
サカナクションの皆さんメジャーデビュー10周年おめでとうございます!
新木場の10周年イベント内「1コーラス歌いきれるか選手権」のアイデンティティを挑戦させてもらったあの人です!笑
とても聴ける歌ではなかったですけど、会場にいる人達の踊ってくれる姿を見て改めていかにサカナクションの偉大かを実感しました…!本当に感動しました!
私は7月の文化祭で「新宝島」と「アイデンティティ」をドラムで披露します!笑
5/9に見たあの風景を忘れずに、頑張ります!
チームサカナクションの皆さんもアルバム制作で煙の中を歩かなきゃいけないかもしれませんが、私達リスナーの存在を信じてまた新しい音を探していって下さい!一生ついて行きます。
一緒に10周年をお祝いできて最高でした。本当にありがとうございました!!
女性/17歳/千葉県
「お!だめだったやつだ(笑)。……そう。今回、10周年イベントの中で、『1コーラス歌いきれるか選手権』っていうのをやったの。サカナクションの生バンドをバックに、お客さんがステージに上がって歌うっていうね。「アイデンティティ」と「新宝島」と「アルクアラウンド」の3曲。かうちゃんは「アイデンティティ」にチャレンジして失敗したのね。でもね、みんなすごい度胸があって、ちゃんと歌うし、僕のライブでの掛け声や動きも完コピしてるのよ。「いくぞー!」とか「ワン!ツー!」とか。しかも、歌詞を見ないで歌わなきゃいけないわけだから……すごかったね。かうちゃんと、アルクアラウンドにチャレンジした男の子は調子に乗っていたのよ(笑)。だから歌詞を間違っちゃったんだけど、「新宝島」にチャレンジした女の子は成功して、僕が(ドラムの)江島啓一に誕生日にもらったヘッドフォンをプレゼントしました(笑)。すごく楽しい時間でしたね。」
「ではここからは、10周年なので、僕ひとりだけで話をしていてもしょうがないということで、ドラムの江島啓一に電話してみようかと。……出るかな?今日はリハーサルだったからね。……でもね、江島は、イベントであげちゃったヘッドフォンを今日買ってきてくれたのよ、更に。「一郎がファンにあげちゃったから、また改めてこれプレゼントするよ」って……いい奴でしょう?たまにいい奴なのね(笑)。」
(ガチャッ)
江島「……はい。」
山口「江島!サカナクションの一郎です。」
江島「あー、はい。どうした、どうした?」
山口「何してんの、今。」
江島「今?打ち合わせという名の……ご飯。」
山口「あ、飲んでる?もう。」
江島「軽くねー。」
山口「(笑)。いまこれ生放送中だぞ。ちゃんとしろよ。ラジオで流れているからな、覚悟しろよ。」
江島「はい……はい(笑)。OK、OK。分かった。」
山口「10周年迎えてどうですか?」
江島「いやー、10周年ってそんなに特別じゃないと思っていたけど、案外ぐっときたね。」
山口「特別じゃないと思ったのはどうして?」
江島「なんか……今アルバムを作らなきゃいけないとか、ツアー中だったりとか、結構続いているじゃん、いろんなことが。だからそんなに節目を感じなかった。」
山口「なるほどねー……分かる、分かる。でも、10年ってあっという間だったな。」
江島「あっという間だったねー。」
山口「やっぱり、この調子だと20年もあっという間だろうなって思うよね。」
江島「うん。頑張り次第ではあっという間なんだろうなって思った。」
山口「ベースの(草刈)愛美ちゃんも、結婚して子供できたりして、レコーディングやリハーサルのスタイルも変わって、いろいろ変化があったここ何年……新しいアルバムもそのスタイルで作っていかないといけないけど、そこで生まれてくるものもあるから、楽しみだよね。」
江島「そうね。初めてだよね。愛美ちゃんが子供産んでから作るアルバム。」
山口「そうだよね……これからも頑張りましょうよ。」
江島「はい、頑張ります。」
山口「あと、ヘッドフォンありがとうね。」
江島「うん。明日渡す。」
山口「あ、そしたらさ、エイジングしといて!明日すぐ使うからさ。」
江島「ははは!(笑) 分かった。」
山口「お願いします。あんまり飲み過ぎないようになー。」
江島「はーい(笑)。」
山口「はーい、おつかれー。」
山口「10年やっているといろいろあるんですよ。江島くんともね、表に出ろ!みたいなことも2回くらいあったし……泣きながらスタジオで演奏したりすることもあったり。あと、デビューしてまだ東京に出てきていないときに、メンバー5人で渋谷のO-nestでライブがあったんですよ。……ボロボロで。ひどかったんですよ、そのライブ。終わった後に向かいのコンビニの前で、メンバー5人で頑張ろうって話をして。いつかオリコン1位を取ろう……目指しているわけではないけど、やるからにはトップを取ろう。そのためにはどうしたらいいか考えて頑張ってみようよって話をして、「うん」って言い合ったことがあったんですよ。そういうこと……大人になると熱くなることってどんどん減っていく。でも、仕事の中で気持ちが熱くなることがあるっていうのは、音楽をやっていて良かったと思うし、これから10周年を迎えて次の目標も定まってきたから、そこにむかって5人一致団結して頑張っていきたいと思います。」
そろそろ授業終了の時間になりました。
「僕は音楽だけど、みんなは学校とか仕事とか……いろんなことに向かっていくことはあると思うし、大人になって仕事を何年も続けていかなきゃいけなくなると思うのよ。その中でいろんな苦しいことがあるし、人間関係とか……やっぱりあると思う。だけど、続けていくと何か開けてくるから。苦しい瞬間も、それを続けた未来の自分をイメージするといいのかなと思う。それでだめだったらまた次のことを始めたらいいと思うんだよね。そして、早く失敗したほうがいいと僕は思う。早く失敗したらすぐやり直しがきくからさ。だから、いろいろみんなの中で考えながら人生を生きていってほしいと思うし、僕もこれからも音楽を頑張っていきたいなと思います。」